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本物の漢たちに贈るエンターテイメント!
第1回ゲスト:スピードワゴン 小沢一敬さん
スピードワゴン小沢一敬 >>第2回:ころがし涼太・酒のほそ道・SとM・女帝編
>>第3回:麻雀編
>>第4回:天牌600回突破記念!!盲牌大会編

家電を愛する芸人が「家電芸人」、ゴルフ好きな芸人が「ゴルフ芸人」……ということで『漫画ゴラク芸人』はもちろん、
「漫画ゴラクを愛読している芸人」!
記念すべき第一回目の『漫画ゴラク芸人』は、スピードワゴンの小沢一敬さん。
中でも『天牌』は外伝も含めて自宅に全巻揃えているほどの愛読者なのだ。
今回は『天牌芸人』として、『天牌』の魅力をすみずみまで語ってもらうぞ!!

『天牌』と出会い、この作品が好きな麻雀漫画第一位に

――小沢さんは『天牌』を愛読しているそうですね。
「家に全巻、ありますよ。もちろん外伝もね」
――読み始めたきっかけを覚えていますか?
「多分、雀荘にあったからじゃないかな。僕は麻雀漫画をかなり読んでいるんですが、『天牌』に出会うまでは『根こそぎフランケン』(竹書房刊)が一位だったんですよ。『根こそぎフランケン』に、カミソリのような切れ味の打法をする竹井というキャラがいるんだけど、僕は麻雀を打っている時は、自分を竹井だと思いながら卓に向かっていた時期もあります」
――なりきり竹井打法だったんですね(笑)。
「(遠い目をしながら)だってさ、筋があるから引っかけているワケじゃないんだ。山に牌があるから、結果的に引っかけになるだけなんだ。ツモれる引っかけだから、そういう切り出しになるだけさ……」
――どうやら竹井が憑依しているようですが、今回は『天牌』芸人でして……。そこまで大好きな『根こそぎフランケン』を抜いたのが、『天牌』だったと。
「俺は一時期、雀荘のメンバーをやっていたことがあるんだけど、その時のトップ率は4割。連帯率になると7割まで上がったね。……って、ちょっと自慢しすぎかな」
――沖本瞬だったら、それくらいの数値を叩き出すでしょうね。
「ただ、沖本瞬だったら、こんなことを口にしないよね(笑)。謙虚だからさ。そういう意味で自分と似ているのは、影村遼かな」
――“望郷の一匹狼”ですね。
「そうそう。実は今、『天牌』をアンジャッシュの児嶋さんに貸しているんですよ。そうしたら、児嶋さんもすっかりハマッちゃった。麻雀好きなら間違いなくハマるよね、この作品は」

強いヤツでも負ける、それが麻雀。『天牌』はそれが描けている

―――『天牌』は日本の麻雀漫画の中で現在、最長の作品なんだそうです。
「麻雀を扱うと、割と10巻くらいで終わっちゃうことが多いものね」
――小沢さんから見て、『天牌』がこれだけ長く続いている理由は何だと思いますか?
「キャラクターが各々、立っているからだと思う。麻雀ってさ、将棋と違って強いヤツでも負けることがある。それがちゃんと描けているからだと思う」
――なるほど。
「嶺岸先生の作品は、他にも読んでいますよ。『勝負師の条件』とか、好きでした。嶺岸先生はそういう心の機微を描くのがうまい」
――『天牌』の魅力とは?
「たくさんのキャラクターがいるので、自分を投影しやすいからだと思う。
――小沢さんは影村に投影しているんですか?
「いや、それはやっぱり沖本瞬。“瞬の記憶力がスゴイ”という話が作中に出てくるけど、そこが似てるんです。僕、一晩分くらいだったら、誰がどう打って、どの局にどんな手で和了(あが)ったか、だいたい覚えていますよ」
――悪魔の記憶力ですね! 昔からそんなに覚えていられたんですか?
「麻雀を教えてくれた人が、“絵で覚えろ”と言っていたんです。理屈じゃなくて、写真で撮影するかのように、一枚の絵として覚えている。僕が名古屋で打っていた頃の仲間は、全員そんな感じでしたよ。一晩くらいの内容なら、全員で再現できた。まぁ、それは三人打ちだったのもあるかもですが」
――それでは、『天牌』の中で好きなエピソードは?
「自分の状態を3つのパターンで測る、という話かな。六七七334455中中東東東という形なんですよ。これでどうするかという話なんですけど、調子が良ければ七を切ってダマ、メンホンが見えるし。普通の調子なら七切りでリーチ。逆に悪い状態なら六切りのダマで相手の出方に合わせてチートイツも考えるっていうね。同じ手牌の形でも自分の状態を3つで分けて対応する、というエピソードが面白かった。カッコイイな、と思って」
――それを実戦で活かしていたりしますか?
「これは活かしてないけど、漫画に出てきた“親決めの時に東を引いたら調子がいい”というジンクスは活かしてます。やっぱり起親(ちーちゃ)が一番好きなんですよ。桜井章一さんも“起親が嫌いなヤツに、麻雀のうまいヤツはいない”と言っていましたし」
――それは真理かもしれませんね。
「『天牌』にはいいセリフがたくさんありますよ。そうだ、もうひとつ好きなシーンがあった。瞬が“もっと楽しそうにツモりやがれ”と言いながら鳴いて、自分のツモ山を負けてるヤツに回してあげる場面。僕もメンバーだった時代に、つまらなそうな人がいると“和了らせてあげたい”と思っていたから」
――それは心に余裕がないとできないですよね。
「でもね、麻雀は余裕がある時のほうが強い。麻雀って、余裕なく打っている人が負けるギャンブルだと思います」

ぜひ瞬に三人麻雀をやってもらいたい

――ちなみに、もし『天牌』が映像化するとしたら、誰を演じてみたいですか?
「黒沢かな。だって俺、もう若くないから、他のキャラはできないですよ」
――でも、そこまで老けてもいないと思いますよ(笑)。
「ああ、じゃあ菊多かな。脳の障害があるがゆえに、感性を司る右脳の機能が研ぎ澄まされた“絶対感性”の男ね」
――なぜその人を演じたいんですか?
「セリフが少なそうだから(笑)」
――ドラマに出演した経験もあるのに、どうしてそんなに消極的なんですか(笑)。
――さて、白熱した戦いの続く『天牌』ですが、今後に期待していることは?
「三人打ちをやってもらいたいかな。僕も名古屋で三人打ちをやっていたので、瞬がどう打つか見たい。僕のイメージだと、四人麻雀はボクシングのようにリングの中で戦ってポイントを争う競技、三人麻雀はストリートファイトなんですよ。とにかく相手をノックアウトさせれば勝ち。四人打ちの面白さはもちろんあるけど、三人打ちのほうが、実力が出るような気がするよね。四人打ちの強い人は、それでも負ける時があるけど、三人打ちの強いヤツはほぼ勝つ。俺はそう思っている。試合巧者が多いのは四人打ちなんだけど、試合強者が多いのは三人打ちなんだよ」
――そういうところで戦う瞬を見てみたいですね。
「ぜひとも、見てみたいです」
構成協力/篠崎美緒
小沢一敬/おざわ・かずひろ1973年10月10日、愛知県生まれ。98年、相方の井戸田潤とコンビ「スピードワゴン」を結成。「甘い言葉」などで一躍、知名度を上げる。『熱血!平成教育学院』(フジテレビ系)、『週刊AKB』(テレビ東京系)などにレギュラー出演
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