ミナミの帝王
 超法律学
磯貝 英男 監修
天王寺 大    
郷 力也  編著



○● 必ず覚えたい! 金銭貸借の基本ルール ●○


自分が同意して任意に支払ったんやから……利息制限法と任意返済


▼任意で支払った……

 サラ金が、「金利年40%で、利息天引きでなら金を貸す」と言うので、その条件をのんで、60万円を借りたとします。その後、「利息制限法」で金利は年18%ということを知って、文句を言ったら「任意に支払ったんだから、みなし弁済規定により返す必要なんてない」とどなられたとき、そのとおりと引き下らなければならないのでしょうか。

 みなし弁済規定は、利息制限法超過利息であっても、すでに利息として支払っていれば、有効な利息の弁済とみなすというものです。つまり、借手が実際に「利息」として現金を「任意」に支払った場合に適用されます。

 しかし、これは天引き利息には適用されませんし、サラ金業者が契約のときに契約書類を交付しなかったり、利息の弁済を受けても領収証を交付しないときにも適用はありません。
 
『壊れた友情』(コミックス第6巻)にでてくる仲井のケースも、領収証を受けとらずに金を渡していますから、「任意」ではないといえます。


▼「任意」とは、どういうことか

 金を借りた人が、制限超過利息を「任意」に現金で支払ったときにはどうなるのでしょうか。制限超過利息契約は、当然のこととして無効なわけですが、法律上、任意に支払った超過利息の返遷を請求できないのです。  任意支払い超過分の返遷請求権が、なぜ否定されるのかというと、せっかく国が制定した法律があるのに、これに反して高利を支払うような者を、国は積極的に救済しないということなのです。
 しかし、これでは高い金利を取ったサラ金業者などを救うことになり、「利息制限法」の弱者保護の精神にもとる結果になるのではないかという議論があるほどです。

 さて、ここで言う「任意」に支払うというのは、債権者(サラ金など)の強制を伴わない、いわば債務者が自主的に、自己の意思に基づいて支払う場合をいうものとされていますが、具体的にはどのようなケースが「任意性」があるのかどうかが争われてくるところです。

 まず、次のようなケースが「任意性」がないと判断されるのではないでしょうか。
 (1)貸金業者がしてはならない悪質な取り立てによる支払い
 (2)詐欺、恐喝、脅迫による支払
 このことをよく覚えておいてください。