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ミナミの帝王
超法律学
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磯貝 英男 監修
天王寺 大
郷 力也 編著
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○● 必ず覚えたい! 金銭貸借の基本ルール ●○
保険証は貸すもんやない。「借金してください」と言うてるもんや
サラ金と健康保険証の関係
▼1銭も支払う義務はない
サラ金で借金するときに、身分の証明として自動車の免許証や健康保険証が使われます。自動車の免許証は本人の写真が貼られていますから、ある程度は証明になるといえます。しかし、健康保険証には顔写真など貼られていませんから、保険証を持っているだけで保険証の被保険者である証明にはならないのです。
そこで、この保険証を他人が利用して、サラ金から借金をしたとしても、保険証の「本人」は借金を払う必要などありません。
自分自身が借金したのでなければ、『壊れた友情』(コミックス第6巻)の吉本正のように、いくら業者に「ええかワイの手におどれの健康保険証のコピーがある。おどれがゼニが借りたちゅう動かん証拠やないか」と言われても、1銭も支払う義務などありません。絶対に支払わないことです。健康保険証の無断使用では、いっさいの支払い義務はありません。
▼「支払い義務はない」という内容証明を出す
友人に健康保険証(とくに国民健康保険)を預けていたところ、その保険証を悪用してサラ金から借金して蒸発してしまい、サラ金からの取り立てがきびしいというとき、健康保険証を他人に貸してしまったという後ろめたさはあっても、自分の名前が無断で使用されたわけですから、サラ金との間には、「金銭消費貸借契約」は成立しておらず、したがって友人の借金の支払い義務などないわけです。支払い義務というのは、契約上の当事者にしか生じませんから、友人が健康保険証の名義で金を借りていれば、契約上の当事者である友人に支払い義務があるのです。保険証が盗まれて悪用されたときも同じです。
そこで、しつこく返済を迫るサラ金業者には、友人が勝手に自分の保険証を利用して借金したことを説明して、それでもだめなら、「健康保険証は友人が勝手に使って借金しただけで、自分は金など借りていないんだから支払い義務はない。したがって今後請求しないでくれ」という通知を内容証明郵便で出しておけばいいのです。それでもなお、支払い請求や取り立てを繰り返すようなら「債務不存在確認訴訟」で対抗することができます。これですべてOKです。
しかしながら、中小のサラ金では、健康保険証などを呈示すれば貸付けを行なっているのが実情ですから、健康保険証はしっかりと管理したいものです。