ミナミの帝王
 超法律学
磯貝 英男 監修
天王寺 大    
郷 力也  編著



○● 必ず覚えたい! 金銭貸借の基本ルール ●○


18歳やとしても、だますつもりやったら返さなあかん 未成年者の借金と無能力者の詐術


▼未成年者は契約そのものを取り消せる

 未成年者がサラ金から借金をしたときには、取り消すことができます。本人が、未成年者の取消権を行使して、契約を無効にできることが民法にはっきりと示されています。

 したがって、サラ金業者に対しては、金銭消費貸借契約を取り消すという通知を内容証明郵便で出すようにすればいいでしょう。
 契約を取り消したときには、契約は初めから無効だったものとみなされ、未成年者は「現ニ利益ヲ受クル限度」において、業者に金を返還する義務を負うことになりますから、その限度で借金の返済をすればいいということになります。
 つまり、手元に借りた金がまだ残っていたり、自分の必要とする生活費などに使った場合は、その分についてサラ金に返せばいいのです。借金した金を遊興費などに使ってしまったのであれば、未成年者はサラ金業者になんら返還する必要はないのです。ただし、詐術を用いて「能力者」であることを信じさせようとしていれば、契約は取り消せません。


▼契約を認めると支払い義務を負うことになる

 未成年者は、法律上、契約を結ぶなどの能力がない「行為無能力者」とされていますので、未成年者が法定代理人である両親の同意を得ないでした契約は取り消されることがあります。それでは、金銭消費貸借契約における貸主は踏んだり蹴ったりということになりかねません。
『十九歳の遊び』(コミックス第13巻)の城中涼は、未成年であることを最大限に活用して借金を踏み倒すのです。

 そこで、サラ金などは子供の借金は親の借金だといって、両親に返済を迫ることになるのですが、保証人になっていなければ支払い義務はまったくありません。
 ただし、請求されたときに親が子供が契約したことを認めてしまうと(追認)、契約が取り消せなくなり、借金を支払わなくてはいけなくなります。そう言わせようと、サラ金業者は執拗に支払いを求めてくるのですが、断固として「支払わない」と言うことです。

 また、未成年者が、未成年者であるにもかかわらず「成人である」と貸主をだませば、金銭消費貸借契約を取り消せないのです。銀次郎は、この点をついて涼から借金を回収するのです。なお、支払い能力のない未成年者に金を貸付けるのは、貸金業規制法の過剰貸付けを禁止した条項違反になりますから、大蔵省財務局か都道府県の貸金業指導係に苦情申し立てをしておくことも大切なことといえます。