ミナミの帝王
 超法律学
磯貝 英男 監修
天王寺 大    
郷 力也  編著



○● これで万全! 債務整理の必勝テクニック ●○


いなかには親兄弟がおるんやろ!
家族などへの貸金請求


▼本人以外に支払い義務はない

 夫がサラ金から多額の借金をして蒸発すると、サラ金はその妻や息子、両親に請求することができるのでしょうか。きびしい催促や取り立てがあれば、ほとほと困り果てたうえ、夫と同じように逃げるのでしょうか。夫の債務で、家族に支払い義務があるのでしょうか。

 安心してください。保証人や連帯保証人になっていなければ、親、子、兄弟などの家族に借金があったとしても、ほかの家族がそれを支払う義務などいっさいありません。

 サラ金業者が、支払い義務のない者に、それが家族であったとしても、支払い請求などをすることは、貸金業規制法に関する大蔵省の通達によって禁止されていますし、取り立て方法によっては「取り立て規制」に違反することになります。クレジットでは、割賦販売法に関する通産省通達によって、支払い義務のない者に対する支払い請求は禁止されています。あまりに、しつこく、激しい取り立てになったら、監督行政庁に行政処分や苦情の申し立てをするとともに、警察に対して「貸金業規制法違反」で告訴すればいいのです。


▼夫婦でも借金は個々人の責任

 妻が夫に内緒で夫の印鑑証明を持ち出して、夫をサラ金から借金するときの保証人にしたとします。夫は後日、業者の取り立てによって、その事実を知らされ、妻が支払わないので夫が保証人として支払う必要があると責められます。

 保証契約というのは、保証人になる人とサラ金(債権者)との間に結ぶのであって、夫に無断で妻が夫を保証人にしても、夫とサラ金の間には保証契約はないので、夫には保証人の責任はありません。

 サラ金業者は、「日常家事債務だから支払え」と言って、支払いを請求するかもしれませんが、ほとんどの場合サラ金やクレジットには日常家事債務性はないと否定されますから、やはり夫には支払い義務がないことになります。日常家事債務というのは、夫婦が生活のためにアパートを借りたり、日用品を買ったりという日常の家事に関して負担する債務のことで、日常家事の範囲内であれば、夫婦それぞれに連帯責任を負うというものです。つまりこれ以外の債務は、夫婦個々の責任ということです。

 ところで
『ツイてない奴』(コミックス第4巻)で、萬田銀次郎は横井に対して、父親や妹の立場をゆさぶって借金を返済させるぞと脅かしにかかります。横井は「勝手にせんかい!」と追い返すのですが、父親と妹の顔を思い浮かべて支払うことを約束してしまうのです。