ミナミの帝王
 超法律学
磯貝 英男 監修
天王寺 大    
郷 力也  編著



○● これで万全! 債務整理の必勝テクニック ●○


ワイは自己破産するで!
自己破産の利益・不利益


▼きびしい取り立ては中止される

 自己破産の申し立てをすると、破産宣告の前に貸金を回収しようとかえってサラ金業者の取り立てが激しくなると心配したり、サラ金が黙っているはずはないと思ってしまうものです。しかし、そのようなことはまったくありません。
 自己破産の申し立てをすると、裁判所からサラ金業者へ「意見聴取書」が送付されます。これは裁判所が債権者に事情を聴くための書類ですから、これによって、サラ金は破産申し立てがあったことがわかり、激しい取り立てが中止されることになります。
 ただし最近では、破産申し立てが激増していますから、東京地方裁判所では当面、負債額が1000万円未満であって、個人の債権者がいない場合、意見聴取が省略されます。

 なお、意見聴取書がサラ金に送付されるまでには時間が多少かかりますので、自己破産申し立てと同時に、それまでの事情と今後の破産手続きに協力してくれるように通知すれば、「破産申し立てをやったな」ということで、徐々にきびしい取り立てがなくなります。


▼消費者信用取り引きの制限・今後10年間免責決定が受けられない

 なぜ、激しい取り立てが終わるのでしょうか。それは貸金業規制法に関する大蔵省通達が、債権者が債務者からなんらかの裁判手続きを取ったことの通知を受けたあとに、正当な理由もなく、債務者に支払うように請求することを禁止しているからです。
 そこで、自己破産の申し立てをしたとの通知を出したあとでも激しい取り立てを受けたときは、監督行政庁に苦情申し立てをして、行政指導を求めることです。

 それでも強硬な取り立てがあったら、裁判所にその事情を話して、破産宣告前の保全処分、つまり取り立て禁止の仮処分をしてもらうことです。現在、取り立てが激しくて耐えられなければ、自己破産の申し立てを弁護士に依頼し、弁護士からサラ金業者に対して受任した旨の通知書を送付してもらえば、激しい取り立てもやむことになります。

 でもこう考えると、自己破産は債務者にとって利益だけがあるように考えられます。戸籍に傷がつくとか、会社をクビになることもありません。さらに、免責決定を受ければいっさいの借金の支払い義務もなくなりますし、いっさいの資格制限もなくなります。不利益としては、5〜7年間「消費者信用取り引きの制限」、つまりサラ金などから金を借りたりすることが困難になったり、今後10年間、免責決定が受けられないことなどが考えられるだけです。