ミナミの帝王
 超法律学
磯貝 英男 監修
天王寺 大    
郷 力也  編著



○● これで万全! 債務整理の必勝テクニック ●○


墓石叩き売ってでも取り立てるんじゃあッ!!
貸金業者の債権売買と脅迫的な取り立て


▼取り立て制限者には売れないが……

 和平金融、つまり表のサラ金から債権を買った萬田銀次郎は、
『ツイてない奴』(コミックス第4巻)での横井を追いつめていきます。裏金融には“自己破産”など問題にならないわけです。

 サラ金業者は、悪質な、暴力的な取り立てを行なう恐れのある者、貸金業規制法でいう「取り立て制限者」に債権を譲渡しないものです。「取り立て制限者」であることについてあくまで善意で知らなかったのならいいのですが、そんなことはほとんどあり得ません。さらに、譲り受けた者や再び譲り受けた者が取り立て規制に違反したり、刑法・暴力行為等処罰に関する法律の罪を犯したときには「知らなかった」などと主張できません。そうなると、業務停止や登録取り消しなどの行政処分を受けることになります。

 こうなると、サラ金を続けられませんし、処罰の対象にもなりかねないのです。  ただし、サラ金業者も背に腹はかえられませんから、原則は原則として、知らない振りをして、裏金融に債権を流してしまうこともあるようです。


▼恐喝罪になりかねない

 貸金を取り立てるために、体に危害を加えるように振舞い、「オレの顔を立てろよ。もし、返さないんだったら、ケガするかもしれないぜ。オトシマエをつけろよ」と言って、貸金プラスアルファの金銭を出させるとどうなるのでしょうか。
 貸金については債権があるので、脅かしただけの罪、つまり脅迫罪で、プラスアルファ分については脅かして金銭を取る罪、つまり恐喝罪とされるのでしょうか。  現段階では、貸金プラスアルファの金銭すべてについて恐喝罪が成立するとされます。

 なぜかというと、貸金の取り立てを脅迫的に行なったときは、きびしい処罰の対象とする立場をとっているからです。脅迫罪の罰は、2年以下の懲役または30万円以下の罰金で、恐喝罪の罰、10年以下の懲役に比べて軽すぎますから、全体を恐喝罪とされます。
 また、暴力団に取り立てを依頼して、暴力団が脅迫・暴行によって金銭を返させると、その行為を教唆、つまりそそのかしたといってあらぬ疑いをかけられることになります。取り立ての依頼の仕方次第では、共同正犯として暴力団と同じ暴行・脅迫を犯したという取り扱いを受けることになります。
 なお、萬田銀次郎は横井に対して、ギリギリの脅しをしています。「ケガをさせるとか、殺す」とかの文句を吐かないところがプロのプロたるゆえんなのです。