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● バスストップ  ●

第6話<8月7日(月) ヨル9:00〜9:54 フジ系>
脚本:いずみ吉紘 演出:光野道夫

<出演>小谷夏生【なつお】(31)飯島直子/宮前武蔵(33)内村光良/阿部究吾(27)国分太一/宮前祭(19)内山理名/小谷文也(23)吉沢悠/笹島小次郎(38)柳葉敏郎/史村千賢【ちさと】(30)網浜直子/北原遥(19)星野真里/三上和馬(26)川端竜太/成瀬浩(24)安藤亮司/三上信介(60)不破万作/三上和枝(55)鷲尾真知子/神部豊(38)長江英和/小林小百合(18)矢作美樹/坂田靖夫(50)中丸新将/岸原隆司・佐々木勝彦/平岡由紀夫(50)小倉久寛 ほか


 ボーナス全額をつぎ込んで小谷夏生【なつお】(飯島直子)の為に花火をあげた宮前武蔵(内村光良)は、思いがけず抱きつかれた事に大感激! 叔父の三上信介(不破万作)は大喜びだが、叔母の和枝(鷲尾真知子)が余程辛い事があったのでは? と言えば、「溺れる者は溺れる者は藁をも掴む」と妹の祭(内山理名)が続いた。
 しかし女が男を頼りにする=惚れているのだと持ち上げる信介は、普段は太鼓腹になるから… と止められている缶ビールで乾杯を促すと、そうかな? と謙遜しつつ実は武蔵は大喜び… の一方、親友の史村千賢【ちさと】(網浜直子)に全てを報告した夏生は、抱きついたのは恋愛感情ではないと否定していた。
 あれはただホッとしただけ… とムキになるが、ホッと安心できるところが武蔵の良い所で、かつての恋人・笹島小次郎(柳葉敏郎)にはそれが足りなかったのだと千賢が指摘。勝手に比較するな! を無視して、貰った指輪もいよいよ引退か… と結ぶ一方、武蔵陣営では指輪を外させる事=気持ちを確かめるべきだとの話題で盛り上がっていた。
 北原遥(星野真里)の問題も相談されていると武蔵が胸を張る一方、自分が付いて行くと名乗りを上げる阿部究吾(国分太一)に、自分と弟・文也(吉沢悠)の問題なのでひとりで行くと夏生が返答。
 あれ以来文也は? と問われて自分を避けていると夏生がため息を漏らす一方、あのふたりが早く仲直りしてくれないものか… とやはりため息を漏らす祭は、浴衣姿は文也を誘う為だったとあっさり自供。お兄ちゃんの方が一歩リードだとニタつく武蔵に、更に強力な極秘情報があるのだと勿体をつけた。
 一転卑屈に「教えて!」と迫る武蔵は、『夏に生きると書いて“夏生”』とのヒントに、誕生日かぁ! と声をあげると『パパイアの日』=8月8日と聞いて、少々顔を曇らせた。パパイアの日? 始めて聞いたぞ!!
 偶然一緒なのだと祭がトーンダウンする一方、文也の店でバースティーパーティをやろう! と千賢が提案。自然に姉弟仲直りも出来るだろうとの弁に夏生も納得。デートに誘うなりしてお祝いしてあげると同時に夏生の気持ちを確かめれば良いとの進言に、すっかり燃え上がる武蔵は久々に窓から『夏生さん、お誕生日おめでとう御座いま〜す』と声をあげた。
 そしてパーティに誘って欲しい人は居るか? と訪ねる千賢から「私も花火見たかったなぁ〜」とわざとらしく言われた夏生は、いつも心に花火をかぁ〜 と武蔵の言葉を復唱して小さく微笑んだ。
 後日。踏ん切りが付かない武蔵に業を煮やした東西バス豊洲営業所の面々は、夏生に電話を繋いで受話器を突き付けた。
 パパイアの日って空いてますか? と言われて、何だそれは!? とリアクションする夏生は、祭から誕生日だと聞いたのでふたりで食事でも… との誘いに躊躇しつつも千賢と約束があるのだと返答。しかし隣で一緒に昼食をとっていた千賢がそのチャンスを逃す筈がなく… 受話器を奪い取って、祭も誘ってバースディーパーティーをしよう!! と勝手に仕切ってしまう。周囲は全て味方だな、武蔵!
 ったくもう… とため息を漏らす夏生が、まんざらでもなさそうに頬を緩ませる一方、営業所中の祝福を受ける武蔵は、俺たちも同行してやるからと言う三上和馬(川端竜太)らにプレゼント買ってバシッと決めろ! と言われるが、ボーナスを花火で使い果たした事に気付く訳で… 所長の平岡由紀夫(小倉久寛)は「誘う以前の問題だな」と呆れ顔で漏らした…。

 そして『パパイアの日』。出勤前にポストを覗いた和也は、姉弟連名宛の手紙を手に取るが、送り主は不明。読み進むうちに顔色を失った後に出勤した店で、手帳の8月8日に『母の日』と記す祭に母の日は5月だと不機嫌そうに言い捨てた。
 慌てて88=ハハと読めない事もないと誤魔化す祭は、ジャケットから落ちた手紙を拾うと、慌てて奪い取る態度に、遥からのラブレターでは? とからかって見せた。
 だが、顔色を変えて盲目の遥がどうやって手紙が書けるのか!? と声をあげる文也は、お前みたいな無神経な女は見た事がないと吐き捨てた。君の姉さんも同じくらい無神経だが…。
 そんなこんなでパーティーが始まると武蔵たちと千賢は必死で場を盛り上げるが… 落ち込む祭を避ける文也は、さっさと仕事に戻ってしまう。
 営業所の連中と千賢が必要以上のプッシュを受けて場は益々盛り上がるが、手にしたプレゼントの包みを武蔵がしきりに気にしていると、豪華なバラの花束が届けられた! 花火の後は本物の花か!? と千賢は益々盛り上げるが… 携帯を鳴らす究吾は、残業が抜けられないので花だけを贈ると報告して夏生をガッカリさせると、メール着信のコール音が。ミエミエの展開だ。
『正式に帰国が決定した。早急に戻る予定だ』と小次郎からのメッセージを確認して、やはり噂通りだったか、と究吾が独り言を漏らす一方、ますますプレゼントを渡し難くなった武蔵を夏生は気遣うが… 平岡所長はゴージャスな指輪を指して『さすがキャリアウーマン!』と持ち上げてしまう訳だ。
 ますます気まずい雰囲気を気にする千賢が、バースデーケーキを武蔵に勧めて夏生は甘いものが嫌いだと説明する一方、カウンターに飲み物を取りに行った祭は、文也に無視されて落ち込みながらもゴミ箱に捨てられた手紙を思わず拾ってしまった。おいおいおい!!
 巻き返しを図るべくトイレで気合いを入れる武蔵が席に戻ると、そこにひとり残された夏生が、和馬と成瀬浩(安藤亮司)は合コンで、所長は遅くなると奥さんがうるさいので退散したと説明。千賢は男から電話で呼び出されてしまい、祭と文也もおらず、何故か他の客もおらずで、店の経営が心配な事この上ない状態。だがここからが勝負! と武蔵が照れながらも気合いを入れる一方、表で人の手紙を盗み読む祭を、ゴミ出しに出て来た文也が発見! 何をする!! と奪い取る文也は、母からの手紙だと指摘されて手紙を破ってしまった。
 花火の日に抱きついてしまった事は自分でも説明がつかないのだと恐縮する夏生に、勘違いしてはいないと返す武蔵は、つまづいたのか間違って寄りかかったのだとフォロー。あれ以来遥を訪れていないと聞き出して、僕で良ければいつでもお供すると申し出た所に、何も破る事はない! と声をあげる祭が手紙を手にやって来て、母からの手紙を文也が破り捨てたのだと説明。破く事はないだろうと武蔵も続くが、その母のせいで自分と姉はどんなに辛い思いをしたか… と反論する文也に、3年前に再婚相手が亡くなっていると記されており、もう一度やり直したいと思っているのでは? と祭が迫る。
 母親ならば自分の都合で子供を捨てたりヨリを戻せるものなのか! との憤りに、一度は捨てたかも知れないが、母は母だと訴える祭は、血の繋がった親子だろうと続けるが、内容を確認した夏生は更に手紙を破り始めるではないか!! 今更何のつもりだと声を震わせて、一緒になって破る事はないと咎める武蔵に、自分たちの事はほっといて欲しい、文也の言う通り親子の縁はとうに切っているのだと言い捨てる夏生は、親子の縁は切るものではなく結ぶものだとの弁に、ふざけた事言わないで! と声をあげた。
 ふざけてはいないと続ける武蔵に、あんたに何が解るのよ! と興奮する夏生は、暖かい家庭に育った人間に我々の気持ちが解る筈もない! ふたりの兄妹愛は充分解ったが、それを我々に押しつけて欲しくはない!! 世の中幸せな家族ばかりではない、自分たちはあの母と血が繋がっている事に我慢がならないのだ!! と声を震わせた。この展開って… まさか、アレか?

 そう聞いて、血が繋がってない方が良いんですか? と言い出す祭は、ならば私はどうすれば良いのか? 私とお兄ちゃんは… と続けると、制する武蔵を無視! 自分と兄は血が繋がっていないのだと告白して自分の母は病死してしまい、今の母は武蔵の実母なのだと告白。もういい! と声をあげる武蔵の、かあちゃんはれっきとしたお前のかあちゃんだ! との弁に、解っていると涙を流す祭は、ならばそんな事を言うな! と叱られつつも、無闇に血が繋がってない方が良いなどと言うものではないと訴えた。
 自分は心が広いので怒らないが、同じ境遇の人が聞けばきっと気を悪くすると思うと続けて、誕生日おめでとうございます… と頭を下げる祭は、店を飛び出して行くと、席を立つ武蔵より先に文也がそのあとを追った。
 必死で追いかけて、無神経なのは自分の方だったと素直に謝る文也の胸に飛び込む祭が泣きじゃくる一方、残された武蔵は夏生に事情を説明していた。
 今の父親と血が繋がっていない、すなわち祭と自分は連れ子同士であると言う武蔵は、祭を産んだ母がしばらくして亡くなったと同じく、自分の母は病気で夫を亡くして女手ひとつで息子を育てたのだと説明。だが淋しかったらしく片親同士で再婚を決めたのは、武蔵が中学生の時だったが、祭には幼稚園の時に両親が話した事、自分は猛反対したが、凄い剣幕で両親に叱られた事、隠す事は死んだ母親に対して失礼だ! 自分の命と引き替えに亡くなった母親に対して感謝しない子には育って欲しくないとの理由だった事を語る武蔵は、確かにその通りだと言う。
 自分や祭の場合は特にそうだが、折角親から貰った命なのだから精一杯生きる事が親孝行なのだと続けると、人の生き方は『適当』か『精一杯生きる』かの二通りしかないのだと言う武蔵は、自分たち兄妹が死んだ親に対して出来る事は、精一杯生きる事しかないだろうと結んだ。
 そして、返す言葉を失う夏生に、実は今日は祭の母親の命日なのだと説明。だからムキになってしまったのだと続けると、傷付けてしまった事は素直に詫びるが自分たち姉弟の事は簡単に解決出来る問題ではないとの弁に、人それぞれ生き方も考え方も違うと理解を見せる武蔵は、出て行ったままのふたりを気遣うと、男女交際は厳しく取り締まれ! と『うち親父』から命を受けているのだと告げて、捜してくる! と席を立った。
 そして、単純な祭は一晩でケロッとしているので心配は無用だと気遣う武蔵が店を出て行くと、残されたプレゼントに着目する夏生は、小さな箱を手にとって中を確認。『夏』『生』と焼き印が押された紅白饅頭に笑みを浮かべつつ、『夏に生まれて、夏に生きる夏生さんへ お誕生日おめでとうございます』と記されたカードを見て『夏に生きるか…』と漏らす夏夫は、何やら決心を固めた。
 そして翌日。ひとりで病院を訪れた夏生は、中庭で点字の本を読む遥の元へと意を決して近づいて行った。
 以前の非礼を詫びて気持ちを全然理解していなかった事を正直に告げると、少し自分の話をしても良いか? と尋ねる夏生は、弟と自分はかつて母親に捨てられた事を告白。時を同じくして見舞いにやって来た文也と祭は、事の成り行きを物陰から見守った。
 そんな母親の世話になりたくないと思い、早く自立するべく突っ走って生きてきた事、昨日その母親から手紙がきたが許す気は更々ないので破り捨てた事、その事で『ある人』と喧嘩になってしまった事を告白。その人は生きている事が親孝行だ、折角親に貰った命を精一杯生きる事が親孝行なのだと訴えたと説明して、皮肉な事に今でも母親を憎んでいるが、その人の理屈では知らないうちに親孝行をしているのかも知れないと言う夏生は、自分はいつも精一杯生きているのだと言う。
 

 そして、遥の言う通り『神様は意地悪』なのかも知れないと続けて、生きて行く事は辛い事の方が多いし、たまにそれがまとめてやって来たりもすると言う夏生は上司の坂田靖夫(中丸新将)からいびられたシーンを回想。でも神様はそれでも生きろと言っているのでは? と投げ掛けて、ならばこれからも精一杯生きて行きたい、適当に生きて行く程つまらない事はないと31歳の誕生日に改めてそう思ったと告白。仕事なのでハイヒールではなければ格好が付かないと言ったが、本当は違うと続ける夏生は、ハイヒールは自分のプライドなのだと説明。だから私は脱がない、逃げたくないから… と結ぶと、話は以上だと切り上げる夏生は、聞いてくれて有り難うと礼を述べるとカツカツとハイヒールを鳴らしてその場を立ち去って行った。
 その音を聞きながら、ハイヒール履いてみたい! と声をあげる遥は、小さな頃からハイヒールに憧れていたのだと告白。涙だながらに自分にもハイヒールが似合うと思うか? ハイヒールを履いて歩けると思うか? と尋ねられた夏生は黙って頷くが、そこに飛び出して来た文也が「歩けるに決まっているだろう!」と言葉でフォロー。『黙って頷く』などと、相変わらず無神経な女だなぁ、夏生って…。
 自分が手伝うから一緒にリハビリを頑張ろう! と励ます文也に、歩けた時には世界中で一番可愛いハイヒールをプレゼントさせて欲しいと夏生が申し出て、一件落着。祭もその様子を嬉しそうに見つめていた…。
 そして、終点で乗客を降ろした武蔵は、夏生はどうしているかなぁ… と思い図った所に当の本人がハイヒールを鳴らして駆け寄って来るではないか!!
 実は良い報告がある、遥がリハビリを決心したのだと告げる夏生は、あなたがちゃんと教えてくれたお陰で話が出来たのだと説明。『精一杯生きて行きたい』との弁が遥に通じた事を感謝して、それともうひとつ… と空の饅頭箱を示す夏生は、太ったら責任を取って欲しいとはにかんで見せた。
 そこにCGの蝶が飛んで来て、避けた拍子で再び武蔵の胸に飛び込む夏生は、あなたに会ってからどういう訳か元気を貰っている気がするのだと告白。運転用の手袋の手をあげたままの武蔵が抱き留めて良いものか… と戸惑う一方、本社前では小次郎を出迎えるべく整列する究吾は、知っていたのか? と問う千賢に「少し前から」と返答。
 あの… ですね、と声を詰まられる武蔵は「好きです」と告白。僕の半分で良いから好きになって貰えますか? と意を決して尋ねると、リムジンを降り立った小次郎に挨拶する究吾は、夏生がまだ指輪をしていると耳打ちする。
 だが、「もうこの指輪はしない」と外した指輪をその場に捨ててしまう夏生を、武蔵がしっかり抱きしめると、2羽に増えたCGの蝶が仲良く戯れて… 『バスストップ』第6話、end。

▲やはり出たな、異母兄妹ネタ! と至極納得の第6話。武蔵に味方する連中揃いの誕生日パーティーに唯一の反対する究吾が残業とは! 意地悪な神様も武蔵にだけは親切なのか、これから意地悪が始まるべく小次郎が戻って来たのか… 次週からのお楽しみと言った所か。人の手紙を盗み読んでしかも逆ギレする無神経女が境遇暴露で一転同情買う展開や、毎度お馴染みの『本当は家の子じゃなかった…』ネタはまぁ良いとしても、宮前武蔵33歳と赤の他人の祭19歳が毎日狭い部屋で枕を並べて眠るの図は、小次郎の帰国よりもハラハラものだと思うのは俺だけかぁ? 因みに今まで原稿では触れていなかったが、信介(不破万作)はいつも『太鼓腹になる』とビールを止められている訳で、番組中に『スーパーホップス』や『マグナムドライ』のCMが流れる度に『太鼓腹』が脳裏をよぎる。『発泡酒』と『ビール』は違うとの啓蒙なのか!? 取り敢えずサントリーって『太っ腹』なメーカーだ! と感動してしまう今日この頃。更新も終わったし昼メシにカッとビールを飲みたいところだが、腹を押さえて… 我慢我慢!!
 さて来週は、小次郎との再会に戸惑う夏生は三上家を訪問して大歓迎を受ける。「信じて良いよ、私の事」と言われて武蔵は大感激だが、もう一度話をしに来たと言う小次郎といよいよ御対面で… 折り返し地点で新展開を迎えてますます『101回目のプロポーズ』化してゆくのかどうか、期待して待つぞい! 


● バスストップ  ●

第5話<7月31日(月) ヨル9:00〜9:54 フジ系>
脚本:いずみ吉紘 演出:西浦正記

<出演>小谷夏生【なつお】(30)飯島直子/宮前武蔵(33)内村光良/阿部究吾(27)国分太一/宮前祭(19)内山理名/小谷文也(23)吉沢悠/史村千賢(30)網浜直子/北原遥(19)星野真里/三上和馬(26)川端竜太/成瀬浩(24)安藤亮司/小林小百合(18)矢作美樹/神部豊(38)長江英和/坂田靖夫(50)中丸新将/三上信介(60)不破万作/三上和枝(55)鷲尾真知子/平岡由紀夫(50)小倉久寛 ほか


 泥酔の勢いで下宿先に乗り込んだ小谷夏生【なつお】(飯島直子)が、笹島小次郎(柳葉敏郎)の事を忘れらないと告白した翌朝… もう彼女の事は諦めると肩を落とす宮前武蔵(内村光良)に、話を聞いてしまったと自己申告する妹の祭(内山理名)は、別れたのだから諦める事はないと進言。別れではなく引き裂かれたのだと返す武蔵は、昔の恋人を忘れらないのならば諦めるしかないと辛い心中を告白。半年に一度のボーナス日なので気晴らしにパ〜っと使うか! と明るく振る舞って仕事に向かった。
 バイト先で夏生の弟・文也(吉沢悠)に昨晩の件を説明する祭は、武蔵の事を応援して欲しいと懇願。小次郎に良い感情がある訳ではないがそれとこれとは話が別だとそっけない態度に、共通の話題を与えて欲しいので夏生の趣味を教えて欲しいと申し出た。
 ゴルフ、ワイン、美術鑑賞、クラシック、オペラ、スキューバ、海外旅行… と全ての趣味に共通性が見いだせないと知った祭は、やっぱりあのふたりはダメなのか… と肩を落とす。だが、花火が好きと聞いて目を輝かせる祭が、夏産まれでもあり、花火が上がると自分の季節だと喜ぶ夏生は花火を見ているだけで元気になるとの説明に耳を傾ける一方、金40万円也の賞与を受け取った武蔵は、同僚・神部豊(長江英和)が『資格王』なる本を読んでいる事に注目した。
 ボーナスは減ったし産まれて来る子供の為にも大型免許だけでは心細いとの弁に、世に様々な資格があるものだ… と感心して頁をめくる武蔵は、従兄弟の三上和馬(川端竜太)たち同僚からボーナスの使い道は夏生へのプレゼントだろうと冷やかされて、大慌ててで否定! 振られた筈が復活か!? と大騒ぎの一同から文也の店に行こうと誘われるが「行かんと言うたら行かんって!」とムキになって声をあげた。花火&資格本… あの〜オチが解っちゃったんですけど…。
 その夜。全くもって元気のない武蔵は、世田谷区花火大会のチラシを示して大はしゃぎの祭に熱でもあるのか? 勝手に行けば良いだろう… とそっけなく返すが、夏生とふたりで行こうかな〜? との発言に『なんですとぉ!?』と鋭く反応する一方、元部下の阿部究吾(国分太一)とグラスを傾ける夏生は、もし好きなった人が他の男が好きだと解ったらどうするか? との質問をぶつけていた。かったるい女だな、ったく。
 自分なら諦めるとの発言に「諦める?」と鋭く反応! 本当に相手の事が好きならば幸せになって欲しいと格好をつけながらも、本音は振られて惨めな思いをしたくないだけだとの弁に納得しつつも、「やっぱり諦めたのか?」と言う究吾に再び鋭く反応! 残業で行けないかも知れないと言っていた秘書課の史村千賢(網浜直子)が飲み会を諦めたのか? との弁に胸を撫で下ろす一方、夏生は花火が好きでどんなに落ち込んでいても元気回復するのだと祭が説明。誘ってみたらどうか? とテンション高い妹とは裏腹に窓から夜空を眺める武蔵は「ひゅ〜 どん…」と力無く漏らした。余程ショックだったんでしょうか。
 翌日。取引先に両手一杯の資料を至急届けに行かされた夏生は、いつもはバイク便で届く事、全く急ぎの資料ではない事を知って憮然! 私はバイク便か? 解り易い嫌がらせするな!! と怒り心頭ながらも、外に出たついでとばかりに祭のバイト先を訪れた。
 先日の非礼を詫びて、武蔵は何か言っているか? と尋ねる夏生に、逆に兄から連絡はないか? と誘っていない事を確認する祭は、花火大会のチラシを手渡した。
 花火と聞いただけで笑顔が戻る夏生に、是非兄と行って欲しいと懇願する祭は、文也はまだ? と出勤していない旨の問いに、まだ花火には誘っていないと先走りつつ多分今頃病院で北原遥(星野真里)を見舞っているのだろうと言って、スケッチブックの似顔絵まで見せてしまう。

 見舞い? 誰だこの娘は? とのリアクションに『ヤバッ』と気付くも時既に遅し… 祭から全て聞き出した夏生は、駐車場でバイクの損傷を確認。何故黙っていた? 隠し通すつもりだったのか? と迫るものの、バイトの時間だと部屋を出ようとする文也の頬を張った! はねた相手は車椅子だと迫る夏生は、ひとりの問題ではない! 何故隠していたのか!? と声をあげるが、姉貴には関係ないと言い捨てて飛び出して行く弟の後ろ姿を愕然と見送った。
 またまた落ち込んで帰宅した祭から事情を聞いた武蔵は、夏生がかなりのショックを受けたので、余計なお世話でも励まして欲しいと懇願されても、表情を曇らせるばかり。そんな不甲斐ない兄貴を、いつもそうだと評する祭は、最初は周囲の忠告を無視して突っ走るクセに、相手にひとこと言われただけであっさり身を引いてしまうのだと指摘。高校2年時の一目惚れを途中で諦めた事、熊本のバス会社勤務時に一目惚れしたスチュワーデスもしかりと途中で諦めた事を挙げて、相手の言葉を鵜呑みにして自分から勝手に振られている。それではただのバカだ! と核心を突く祭に、人の心配よりも文也の事で落ち込んでいるのだろうと武蔵が反撃。姉弟で隠し事をしていた文也が悪いのだと慰めるものの、そんな言い方はお兄ちゃんらしくない! と声をあげる祭は、夏生と文也はたったふたりの家族であり、その肉親が大きな問題を抱えていながら隠していたとの大事件に、小谷姉弟の心境や如何に!? と続けて、泥酔の夜もなにゆえ夏生が訪ねて来たのか良く考えてみる事だと迫る。
 忘れないなどと言いながら、本当は誰かに忘れさせて欲しかったのでは? お兄ちゃんに頼りたかったのでは? と投げ掛けて、運命の人と出逢ったと騒いでいながらまた諦めるのでは何の進歩もない、やはりお兄ちゃんはただのバカだよ! と妹から厳しく指摘された武蔵は返す言葉を失った…。
 数日後。バイク事故の件を打ち明ける夏生に、その病院には大学の同級生が居ると言う究吾は遥の事を調べてみると名乗りを上げた。随分便利だなぁ…。
 そんな究吾を詰めが甘いと評する千賢は、ひとりでは心細いので付いて来て欲しいのだろうと指摘。そこまで甘えないとの返答に、文也を知っている武蔵なら相談に乗ってくれるだろうし、彼はそういう奴なのだろうと言い当てられた夏生は返す言葉を失った…。
 花火大会を明日に控えて、毎日帰りの遅い武蔵を心配する祭に叔父の信介(不破万作)と和枝(鷲尾真知子)は残業でもしているのだろうと返すが、帰って来た和馬によればここ数日は定時で帰っているらしく… 眠い目をこすって今夜こそはビシッと厳しく夏生を誘うようにもの申すぞ! と頑張るものの、翌朝目覚めると武蔵の布団はたたまれている訳で… 今日は早番か! と即刻東西バス豊洲営業所に電話を入れる祭は、今日の花火大会に必ず来るよう伝えて欲しいと和馬に伝言を託す一方、営業所では『資格王』の頁が破られている! と神部が声をあげた。『……』
 無線で花火大会の件を告げる和馬に、何の事やら? ととぼける武蔵は、『資格王』を破らなかったか!? と怒鳴る神部も軽くあしらって、ニコニコとバスを走らせる一方、究吾から遥が盲目であると告げられた夏生は顔色を失った。
 事故のせいではなく生まれつき目が見えない事、怪我は大腿骨の複雑骨折だが手術は成功している事、2ヶ月程のリハビリで歩ける筈だが本人がリハビリを嫌がっている事を聞いて、なにゆえ? と驚く夏生は、病院を訪れるべく天敵部長・坂田靖夫(中丸新将)に早退を申し出た。
 内緒で広報部に企画を持ち込んだ事を指摘して、そんなにひとりで目立ちたいのか? と迫る坂田は、自惚れるのもいい加減にしろ!! と声を荒げた。直属上司を無視しちゃマズイよ〜。

 飛ばされた理由は、自信過剰な女が勝手な真似をしたからであり、もうこれ以上飛ばされる部署はない。とっとと帰れ! とズバリ言われた夏生が、トボトボ社を出ると東西バスに目を留めて「武蔵…」と呟く一方、当の武蔵は営業所で夜の勤務をキッパリと断った。
 夏生に振られて二度と会いたくないとの気持ちは解るが、公私混同はいかん! とたしなめる所長・平岡由紀夫(小倉久寛)に、公私混同はそっちだと返す武蔵は、制服パブでバスガイドの女の娘たちと盛り上がっていたらしいと指摘。奥さんにバラすと脅して夜の勤務を逃れる一方、貯金通帳を手の三上夫妻が驚きの声をあげる。
 ボーナス40万がそっくり引き出されているが、何か聞いていないかと聞かれた祭は、夏生に振られてパ〜ッと使うと言っていた事を回想。ギャンブルでは? と心配顔の三上夫妻と共に不安げに通帳に目を落とした…。人の預金通帳勝手に見る奴らの方が驚きだぜ!
 花束を手に病院を訪れた夏生は、中庭に佇む遥に向かって意を決して近づいて行った。
 文也の姉だと名乗り事故の件を詫びて頭を下げる夏生に、自分の不注意でもあるので気にしないで欲しいと返す遥は、甘い香りがするのでマリーゴールドの花束だと指摘。慌てて手渡す様子に、催促をしてしまったようだと恐縮するが、花が大好きだと聞いた夏生は『綺麗』だからと無神経に返して暫し話をしても良いか? と尋ねる。
 自分は構わないが、仕事では? と尋ねる遥は、わざわざ早退して来たとの返答に、ハイヒールを履いていると言い当てた。カツカツ音がしたとの弁に、『足が痛い』ので履かない方が良いとまたまた無神経発言で、仕事をしているのでハイヒールでなければ格好がつかないと結んだ。ここまでバカなキャラクターも珍しいな。
 大変ですね、と返す遥は、『差し出がましい』がと前置いて、最初は皆戸惑うらしいがリハビリをしない事には何も始まらないとの弁に「始まらない?」と鋭く反応! 私に出来る事があれば遠慮なく何でも言って欲しい、文也も早く歩いて欲しいと思っているだろうし、私も早くひとりで歩ける事を願っているので、一日も早くリハビリを… との弁に眉をひそめる遥は、自分は居ると信じているが、神様は居ると思うか? と問い掛けた。
 神様は確かに居て、リハビリに専念すれば足もすぐに… と返す夏生に、神様は意地悪だと言う遥は、世の中が退屈で堪らないので自分を苛めて喜んでいるのだと結んで、しばし表まで連れて行って欲しいと申し出た。
 事故に遭った日は、産まれて初めてひとりで外に出た日であり、産まれた時からいつも誰かが側に居てくれなければ駄目な事は解っているが、いい加減大人なので自分を変えてみたいと思い立ってひとりで街に出たその日に… と事故を回想。だから神様は意地悪なのだと続ける遥は、無駄な努力はしない方が良いと解ったと説明。『リハビリをしなければ何も始まらない』との言葉を持ち出して、私は歩けるようになっても何も始まらない、産まれて来た時に全て終わっていてあなたとは違う! と声をあげて 花を綺麗と言う、ハイヒールが履ける、キャリアウーマンで仕事が出来て好きな時に好きな場所に行ける、何だって思い通りに出来るのだと指摘する遥は、花の色も解らずハイヒールも産まれてから一度も履いた事がない。『リハビリをしなければ何も始まらない』と言うのは簡単だが、足が治ってもひとりで歩けない、歩いてもまたきっと怖い目に遭うに違いないと思う怖さが想像できるか? 誰かに頼って人に迷惑をかけなければひとりで歩く事すら出来ない悔しさが理解できるのか? と迫ると。返す言葉を失う夏生に、気持ちが解る筈もない、無神経に偉そうな事言わないで! と言い捨て花束を払いのけると、迎えに来た看護婦と共にその場を立ち去って行った…。

 同じ頃。浴衣姿で文也の出勤を待っていた祭は「おしゃべり」との言葉を受けて、素直に謝罪。夏生が知っていると思って… と激しく後悔している旨を伝えた。
「もういい」とアッサリ返す文也に浴衣姿を指摘されると花火大会に行くのだと返す祭は、誰と? と問われて『あなたと』と言いたいところだが、武蔵と夏生と共に… と返すものの、姉貴が行くかな? とのお言葉に兄も諦めたようで、今頃ギャンブルに興じているやも知れずだが、自分は諦めていない、ふたりとも来てくれると信じているのだと結んだ。が、雷が鳴っていたと言われて慌てて外に飛び出すと、今にも雨が降りそうな空を見上げて「お兄ちゃん…」と呟く一方、遥の罵声を回想する夏生は、茫然と街を彷徨っていた。
『無神経に偉そうな事言わないで!』と適切な御指摘に心を痛めると、追い打ちをかけるように土砂降りの雨が…。『自信過剰な女が勝手な真似をしたから飛ばされたんだ』と坂田の言葉を噛みしめた所で、雨を避ける通行人にぶつかってバックの中身をぶちまけた夏生は、花火大会のチラシに目を留めた。
『是非一緒に観に行きません? お兄ちゃんと』と祭に誘われた事や『武蔵なら相談に乗ってくれる』と言う千賢を回想して花火大会に向かうが、中止になった会場には当然誰もおらず… ドロドロになったハイヒールの足を引きずりながら『きっとお兄ちゃんは待っている』と断言した祭の台詞を思い起こして「何でいないの…」と顔を歪ませたその瞬間、夜空に花火が上がるではないか!!はいはいはい。
 涙で花火を見上げると「夏生さ〜〜ん!」と武蔵の声が遠くから響く訳で…。手を振って応えると、次をあげるのでそこで観ているように叫ぶ武蔵は次々と花火を打ち上げて行った。
 夜空一杯に広がる花火を涙で見上げる夏生の名を叫びながら走り寄って、元気になったか? と尋ねる武蔵は、花火を観ると元気になると聞いたので資格を取得したと説明。あんなに勉強したのは運転免許以来だと続けて、ボーナスの40万を叩いた事は小声で呟きつつ、集中すれば一週間で取れると結んだ。
 どうして私の為にそこまでするのか!? と切り出す夏生は、花火をあげろと言った覚えはなく、会えなかったり相談できなかった事を気に病んでもいない。小次郎の事を話してしまったのも単に酔っていただけであり、そっちも自分を避けているように見えたので清々したと思っていた… と叫ぶが、俺は諦めないと武蔵は宣言!! 忘れられない人が居ると聞いた時はガラにもなく落ち込んだりもしたが、文也の事で悩んでいると聞けばそうもしていられず… ほんの少しでも元気になって欲しいと思い花火をあげたのだと説明。夏に生きると書いて『夏生』さんじゃないですか? いつも心には花火あげてて下さい! との決め台詞にヤラれた夏生は、思わず駆け寄ってその胸に飛び込んだ!はいはい。
 涙を流し続ける愛しい人を抱き留めようとするものの、火薬で煤けた手袋に気付く武蔵は胸を貸すに留まるのだが、40万も使ってバカなんだからとの御指摘に、「良く言われます」と正直に返して…『バスストップ』第5話、end。

▲不況の御時世、資格は強し! と思い知らされた第5話。先週の予告を観れば番組開始からタイトルバックの8分までにオチが解るというものだが、それでもチャンネルを変えはしまい! との強気な姿勢には恐れ入った次第だ。しかしながら、和馬、究吾、千賢は最小限に留め、小次郎(柳葉敏郎)に至っては回想もナシ! 主要人物に話を絞り込んだ作りは結構かと存じます。先週あたりから完全に武蔵ヨリで話が進むのも結構なのだが、その武蔵は雨で花火大会が中止になる事を確信していたのか? 中止になった花火は確か別会場に回される筈なので、勝手にあげては横領なんじゃないか? と突っ込む気すら起こらないところが、このドラマの凄いところだ! 
 さて来週は、夏生の誕生日パーティで武蔵らが盛り上げる一方、ニューヨーク勤務を終えた小次郎が帰国するらしい。が、ふざけた事言わないで! と檄高する夏生は「ふざけてなんかなか!」と返す武蔵に、暖かい家庭に育った人間に私たちの気持ちが解る訳ないでしょ!! と吼える。夏生が再び遥を見舞えば、文也の胸に祭が飛び込む。そして再び胸に飛び込んで来た夏生に、僕を好きになって貰えますか? と困惑する武蔵で… またしても武蔵押しの予告だ、期待して待とう!


● バスストップ  ●

第4話<7月24日(月) ヨル9:00〜9:54 フジ系>
脚本:いずみ吉紘 演出:武内英樹

<出演>小谷夏生【なつお】(30)飯島直子/宮前武蔵(33)内村光良/阿部究吾(27)国分太一/宮前祭(19)内山理名/小谷文也(23)吉沢悠/史村千賢(30)網浜直子/北原遥(19)星野真里/三上和馬(26)川端竜太/成瀬浩(24)安藤亮司/小林小百合(18)矢作美樹/神部豊(38)長江英和/坂田靖夫(50)中丸新将/小次郎の秘書・古川理科/三上信介(60)不破万作/三上和枝(55)鷲尾真知子/笹島君子・長内美那子/平岡由紀夫(50)小倉久寛/笹島小次郎(38)柳葉敏郎 ほか
ゲスト:お洒落な客・YOSHIKI/気障な客・宇梶剛志/ウェイター・手塚とおる ほか


 宮前武蔵(内村光良)の集計したアンケート結果をまとめて広報部会議に出席する事が決まった小谷夏生【なつお】(飯島直子)は、マンションにやって来て甲斐甲斐しく料理を作る阿部究吾(国分太一)に、手伝って貰った事を感謝。出来る女はプライベートに仕事を持ち込まないものだとワインを傾ける史村千賢(網浜直子)に、会議に出るからにはバスのプロモーションを自分なりにプレゼンテーションしてみる事で、広報部プロジェクトに潜り込みを図っているのだと説明。まずは実績を作ってこんな試練はとっとと乗り越えてやる! と意気込んだ所で究吾の携帯が鳴った。
 メインバンクの頭取である究吾の父がニューヨーク出張の際に、会社を通さず会いたいと言う笹島小次郎(柳葉敏郎)からの電話と知って表情を曇らせる夏生は、武蔵の怪我を心配する千賢に昨日営業所を訪れたが、まだ休んでいたと返答。またあいつの事か! と不愉快そうな究吾は、復帰後にお礼をするべきだと言う千賢に、仕事は兎も角プライベートで『あんな奴』の相手をする事はないと過剰に反応。あいつと僕らは住む世界が違うのだと続けて、それは偏見では? と言う夏生に、自分の作った料理を示して、オリーブとアンチョビとニンニクをみじん切りにしてオリーブオイルで合えた微妙な味が、あいつらには解るのか!? と迫った翌日… “赤いきつね”と“緑のたぬき”の微妙な味の違いについて語る東西バス豊洲営業所の面々は、医者の許可を得て完全復帰です! と自ら宣言する武蔵を拍手で歓迎した。ベタな繋がりだなぁ…。
 あれから夏生がやって来たのかと尋ねる武蔵は、2〜3日前に来たと聞いて心配していたのか? としつこく追求。怪我は治っても恋の病は治らないと呆れる三上和馬(川端竜太)と成瀬浩(安藤亮司)をアンケート協力のお礼に奢るとの言い出して、夏生の弟・文也(吉沢悠)の店に強制連行。元エックスのYOSHIKI(本人)が英語でマスターと会話する傍らで人待ち顔の武蔵は、文也に妹・祭(内山理名)を宜しくと挨拶しながらも、手を出したらぶっ飛ばす! と釘をさした所に千賢と共にやって来た夏生に偶然を装って声をかけた。
 もう大丈夫! と飛び跳ねて見せるダサさに「さすが恋のターミネーター」とダサい言葉を返す千賢は、自己紹介しつつ話を聞いて大ファンになったと説明。なにゆえこの店に!? と驚く夏生に、元気な姿を1秒でも早く見せたかったのだと和馬たちが説明。それでは快気祝いでパ〜ッとやろう! と提案する千賢に促されて5人はテーブルを囲む事と相成った。
 七夕の夜に出逢ったなどと嬉しそうに話す武蔵のお陰で、仕事も手伝って貰えて怪我も免れた訳なので、普通はお礼でデートくらいはするだとろうと和馬が指摘。仕込んだわね? と心の狭い夏生がお礼に食事を奢るのは構わないがデートは嫌! と言えば、お礼ではなくてデートが良いと言う武蔵は、食事は自分が招待するのでデートして欲しいと主張。お礼! デート! とどっちでも良かろう事で一歩も引かない両者に割って入る和馬は、コイントスを提案。結果、運命の女神は武蔵に微笑んだ。展開は見えるが頑張ってみて下さい。
 その場は憮然としたもののウキウキとドレス? を選ぶ夏生は、女はデートしないと老けると文也に言われて鏡を覗き込む一方、武蔵陣営は情報誌を広げまくって店選びに没頭。やはりフランス料理だろうとお定まりのパターンを提示する和馬は、夏生がワインを飲んでいた事を指摘。ワインと言えばフランス料理。お洒落でムード満点に同調する武蔵は、中華と寿司は目の前がグルグル廻って落ち着かず、焼き肉は“焼いて喰って”の繰り返しで忙しく、懐石料理は政治家の密談然としていると評してフランス料理に至極満足! 祭はマナーを心配して最近ナイフとフォークを使ったのは何時? と迫り、和馬はスーツを持っているのか? と心配顔だが、そこにスーツを持った叔父・三上信介(不破万作)が登場! 一張羅を着て行けとの御厚意に、パターン化してしまったと祭が溜め息を漏らした。仰る通りだ。
 フランス料理と聞いて『ビフテキ』か! と反応する信介は、ゴルフに続いて恥をかかなければ良いが… と漏らす祭に、人間何事も経験だと武蔵を激励。結婚してからフランス料理にはお目にかかった事がないと言う妻・和枝(鷲尾真知子)は、兎に角高いと指摘。ワインを入れてひとり3万、ふたりで6万との計算に気合いを入れる武蔵は、メニューを見て解らない時はお勧めを聞けば良いとアドバイスする和馬に、マナーも人の真似をすれば何とかなるものだと言われて、やる気満々で当日を迎えた。

 スーツ姿もぎこちなく店に足を踏み入れた武蔵は、ウェイティングバーにて食前酒を選ぶ際に“今日のお勧めは?”とのボケをかましつつ、隣の気障な客(宇梶剛志)を一瞥。“同じものを”との慌て振りで失笑を買いつつ、気障な客がわざとらしくオーダーした葉巻にも挑戦。ゼコゼコむせかえした所に、ドレスアップした夏生が登場! 「シンデレラみたいです…」と感動しきりの様子に気障な客や従業員たちは羨望の眼差しを向けた。夏生は驚く程美しくもなく、武蔵も驚く程不釣り合いには見えないがなぁ…。
 勿論メニューを見ても“何の事やら”状態の武蔵は、フォアグラ=ガチョウの肝臓、カエルのソテー、仔牛の脳味噌パイ包み、同腎臓… 等々の説明にもっと普通のものはないものか? と漏らして「最高のおもてなしを心掛けている」とウェイター氏(手塚とおる)を怒らせてしまう。そこはそれ夏生が慣れた様子でサクサクオーダーを終了。次なる関門ワインリストのお勧め銘柄、金6万円也に戦慄を覚える武蔵は5千円代のワインを見つけて安心するが、憤慨したウェイター氏は16万円の銘柄に切り替えてきやがる始末! 5千円と16万という無茶な押し問答も、メニューを覗き込んだ夏生が6千円の銘柄を名指しして一件落着。ベタやなぁ…。
 そんなこんなでディナーが始まる訳だが、ワインを飲みながらソコソコ機嫌の良い夏生は、自分は前職でワインを作っていたのだと言う。畑仕事かぁ? とのボケに、笹島コーポレーションとフランスの酒造メーカーとの共同でワインを開発したのだと説明して、『失楽園』ブームに乗って企画したワインは結構当たりを取ったので、ワインのお陰で会社に認められたと結ぶと、ナイフとフォークに気を取られている武蔵に、アンケート集計結果が部長に読んで貰えた事を報告。そればかりか、その報告書のお陰で広報部会議に出られるようになったと嬉しそうな様子に、アンケートが役に立ってしかも夏生が元気になったと喜ぶ武蔵は、プレゼントを持って来たのだと小さな包みを手渡した。
 何か飛び出して来るのでは? と時代錯誤な事を言い出す夏生に、小次郎の母・公子(長内美那子)が声をかけるではないか!もの凄い偶然よのぉ〜。
 当然こちら様は? と尋ねられて、思わず恋人だと返答。職業はバス… と正直な武蔵を遮って東大出で外務省勤務のエリートだと偽る夏生は、英・仏・独と四カ国語をマスターして将来を有望視されているのだと説明。今はとても幸せなのだと結ぶものの、酷く傷付いた武蔵は肩を振るわせてデザートの皿を一気に平らげると財布を取り出した。
 流石に悪い事をしたと反省して自分が払うと言う夏生を制して、何故あんな嘘をついたのか? 先刻の夫人は誰なのか? と詰問。「酷いじゃなかですか」と続けて、自分は外務省でも東大出のエリートでもなくバスの運転手だと宣言。解ってると言う夏生に解っていないと迫り、あの場合は、つい… 私の立場も解って欲しい… 色々訳があって… との言い訳に、住む世界が違って釣り合わない事がよく解ったと返す武蔵は、店が場違いで身分不相応は重々承知だが、だからと言って嘘をつかなくても良いだろう! と声をあげる。自分の仕事にプライドを持っていて恥ずかしいとは一度も思った事はない。いくら夏生でも自分の生き方を「否定する権利なか!」と続けて、自分は自分であり「あなたに嘘つかれる筋合いはなか!」と結ぶ武蔵は1万円札数枚を置いて、付き合ってくれた礼を述べると席を立ち、ウェイター達も“仰る通り”と言わんばかりに頭を下げた…。
 結果を尋ねる祭に、お茶漬けを用意するよう命じる武蔵は事の経緯を説明。バカにするにも程がある! やはり夏生はそういう人なのだと憤慨する祭に、自分は仕事にプライドを持ってやっていると怒りを露わにする武蔵は、何で自分が東大出なのか? 外務省って何をする所だ? 兄ちゃんがエリートに見えるか!? と憤慨。見える訳がない、酷過ぎるとの返答に、お前も酷いな… と傷つきながらも怒っていると言いつつ、だが何故そんな見栄を張ったのか? そんな事を言う人ではなく、女は突然見栄を張ったりするものか? との疑問も抱く一方、夏生も肩を落として帰宅。プレゼントを開けると、可愛い湯飲みに添えられた『夏生さん お仕事頑張ってください』とのメッセージに胸を打たれた夏生は、どうしよう… と漏らして、ソファーに倒れ込んだ…。

 後日。ランチの出前に出た祭は、花束を手に病院を訪れる文也を発見! 当然尾行を決め込むと、車椅子の少女・北原遥(星野真里)を見舞う姿に、スケッチブックの少女像を回想。飲み物を買いに行くと文也がその場を離れた後に、子供がぶつかって来て花束を落とした遥に駆け寄った際に盲目である事に気付いた祭に、文也は事の経緯を説明した。
 目が生まれつき不自由な遥を、バイクではねてしまった事、手術は3ヶ月前に終わり、リハビリを受ければ歩ける筈なのに歩こうとはしない事、多分怖いのだろうが、無理強いする訳にもいかず… と聞いた祭が返す言葉を失う一方、ランチ中の夏生はボ〜ッと考え事をしながら、究吾にプライドは何なのか? と尋ねた。
 夏生と同じく、仕事にはプライドが必要だとの返答を確認する一方、東西バス豊洲営業所で“許す、許さない…”と花びら占いに興じる武蔵は、デートで喧嘩したのか? との問いに、自分が夏生に怒る筈がないと漏らしつつ、怒られてしまったのだと偽って、フランス料理がチョイスミスだったと笑って話を切り上げた…。
 その夜。意味もなく会社に居残る夏生は、プレゼントされた湯飲みとメッセージカードに視線を落とすと、腕時計を確認。最終直通バスに間に合うと踏んで会社を飛び出すとバス停に直行。謝罪の練習をしつつ開いたドアに、この間は私… と頭を下げるが、運転手は和馬だった!ほほぉ、こりゃ驚きの展開だわい!
 武蔵はとっくに帰ったと告げて、誰があんな奴と狼狽える夏生に、また振ったらしいと言う和馬は、ドジをやらかして怒られたと聞いていると告げたると、自分も煽ってしまったが所詮住む世界が違う訳で、どうせなら早く諦めさせてやって欲しいと従兄弟を気遣った。
 眠れぬ夜に悩む祭は、人は色々な荷物を背負っているのだと漏らして、相槌をうつ武蔵に夏生の事はもう諦めろと進言。ああ… と生返事を返した所に「武蔵居るかぁ〜 出て来い武蔵ぃ〜」とベタな酔っぱらいッぷりの夏生の声が響くではないか! 布団から飛び出すふたりは、和馬に抱えられて泥酔状態の夏生に仰天! 無理矢理誘われたと言う和馬は、その酒癖の悪さに閉口しつつ、何があったか知らないが荒れまくっていると説明。あとは任せたと言い残して、文也に連絡を取るよう言われた祭に、あとはふたりっきりに… と気を効かせた。
 そんな酔い方では100年の恋も醒めてしまうと遠慮がちに言う武蔵は、まだ文句があるのか!? と迫る夏生に、この前は言い過ぎたのだと詫びると、お前がシンデレラと言った! との御指摘に、だから住む世界が違って当然なのだと漏らした。
 それが何なのだ、シンデレラは王子様と結婚するのではなかったのか? 幸せになるんじゃなかったのかぁ!? と叫ぶ夏生は、何で私は結婚出来なかったのだ! とクダをまき続け、それは結婚よりも仕事を選んだからだろうとの御指摘に、住む世界が違うと言われたのだと告白。親が居ないから何のだ!? と息巻きつつ、自分から母親と縁を切ったが、母は夫の死後に代議士との再婚の為に文也と高校生の自分を捨てたのだと説明。金だけ与えられた夏生は、意地になって良い大学に入学。母からの援助を断ち切る為に優良企業に入社したが、レストランで会った君子から家柄が釣り合わない、育ちが違うとあざ笑われた挙げ句、手切れ金の小切手を渡されたが目の前で破り捨てた事、小次郎には告げられる筈もなく、いまだに仕事を続ける為に結婚を断ったのだと思っているのだと結ぶと、武蔵の膝でさめざめと泣き出す訳だ。
 誰も夏生の生き方を否定は出来ないと言う武蔵は、堂々と胸を張っているべきで、そんな結婚は断って良かったのだと進言。あんな嘘をついて傷つける気はなかったのだ… と泣き続ける夏生に、そんな事はもう気にしておらず、あなたがどんな過去を背負っていても構わない。それら全てを含めて今、ここに居る夏生が… 夏生さんの事が… と決め倒そうとする。だが、左薬指の指輪に触れて、忘れられない… と漏らす夏生は「それでも忘れられないの…」と告白。捨てられないの… との台詞に、ゴルフ練習場で指輪を打ち放ったシーンを回想する武蔵は、『捨てたの、それで良いじゃない!』『あんたなんかに拾って欲しくない』と檄高した気持ちを思い図り…。膝で泣き続ける夏生の名を呼ぶ事しか出来ない武蔵で… 『バスストップ』第4話、end。

▲武蔵が夏生の過去を知った第4話。今週も予想通りの展開だったと確認した次第だが、究吾よりも結構見せ場が出て来た和馬に少々目を奪われた。良いんだろうか… と余計な事を心配しつつ、本人役で出演したYOSHIKI氏は何だったのだろう??? と今コメントを書いて想い出した次第だ。レストランでのドタバタはコントの如きとの声が聞こえて来そうだが、『テレビ丼』で触れた“とんねるずのこんとinなえば”や“ShimuraS天国”のコントはもっと現実に即している。その意味では貴重なものを見せて戴いているなぁ… と膝を正す思いだ。
 さて来週は、遥の事故を知った夏生が文也の頬を張って激怒する一方、またあっさり諦めてしまうのか? と呆れる祭が、やっぱりお兄ちゃんはただのバカだと鋭く指摘。あなたは自分と違って何だって思い通りに生きられると遥に言われたて落ち込む夏生は、花火を見て感動! その花火をあげたのか? 作業服にヘルメット姿の武蔵が大きく手を振って… ううむ、“赤いきつねと緑のたぬき”に続いてヘルメット姿と言えば武田鉄也氏=『101回目のプロポーズ』だわなぁ〜 と思いつつ期待して待つぞ!!


● バスストップ  ●

第3話<7月17日(月) ヨル9:00〜9:54 フジ系>
脚本:いずみ吉紘 演出:光野道夫

<出演>小谷夏生【なつお】(30)飯島直子/宮前武蔵(33)内村光良/阿部究吾(27)国分太一/宮前祭(19)内山理名/小谷文也(23)吉沢悠/史村千賢(30)網浜直子/北原遥(19)星野真里/三上和馬(26)川端竜太/成瀬浩(24)安藤亮司/小林小百合(18)矢作美樹/神部豊(38)長江英和/坂田靖夫(50)中丸新将/小次郎の秘書・古川理科/三上信介(60)不破万作/三上和枝(55)鷲尾真知子/笹島君子・長内美那子/平岡由紀夫(50)小倉久寛/笹島小次郎(38)柳葉敏郎 ほか


「想い出は宝物です。だからそれは夏生さんの宝物です」とゴルフ練習場から探し出した指輪を小谷夏生【なつお】(飯島直子)に差し出した宮前武蔵(内村光良)は、店を立ち去った。
 入れ替わりで店にやって来た史村千賢(網浜直子)は、見たかった〜! と大袈裟に悔しがるが、ロードショーを見逃したような顔をするなとたしなめる夏生は、笹島小次郎(柳葉敏郎)から貰ったものとは知らずに探し出した武蔵はピエロ状態との御指摘に、別に話す必要はないと切り返した。ロードショーを見逃して悔しがるもんかねぇ…。
 一方の武蔵と妹の祭(内山理名)は、お互いのお目当てである夏生と文也(吉沢悠)姉弟との初対面に溜め息を漏らしつつ、お互い相手にされていないのでは? と厳しい現実を指摘し合っていた。
 しかしなにゆえ頼まれてもいない指輪を拾って来たのか? との問いに心の叫びが聞こえたのだと返す武蔵は、近所迷惑も省みずに窓から夏生の名を連呼! 耳鳴りがすると頭を押さえる夏生は、翌日上司の坂田部長(中丸新将)に街頭アンケート調査を提案。
 予算はないと取り合わない部長に、アンケート用紙を自分で配ると食い下がったものの、何故そんな単なる肉体労働を提案した? と驚く元部下の阿部究吾(国分太一)に、やりたくはないが意地があるのだと返した。
 兎に角認めさせなければ何も始まらないと溜め息を漏らすが、手伝いを買って出る究吾は、ふたりではどうにもならず、さりとてバイトを雇う予算もなく… と思案の末に、肉体労働なら得意な連中が居ると言す訳で、早速東西バス豊洲営業所を訪れた夏生は、平岡所長(小倉久寛)に半日で良いから人手を貸して欲しいと切り出した。虫が良いと言うか、はた迷惑と言うか…。
 アンケートと言えば可愛い女の娘が定説であり、うちは男ばかり… と渋い顔をされても、この際贅沢は言わない! と失礼この上ない夏生は「是非ともお力を!」と頭を下げるものの、運転手一同はそそくさと持ち場に向かってしまう中、武蔵だけは大乗り気状態!
 やはり無理な御相談でした。考えてみたら都合が良すぎると掌を返すものの、「アンケートいかがですかぁ〜!」と連呼する武蔵の乗り気に押された夏生は、渋々協力を要請する事に。これって目に見えた事じゃん?
 帰り際に指輪をしてくれていると嬉しそうな武蔵に、あんたから貰った物ではないしそれなりには怒っていると返す夏生は、外反母趾の痛みに顔をしかめた。
 ハイヒールの弊害だとの説明に、無理して履く事はないのでは? と言う武蔵は、7pの身長差の為にも脱いで貰った方が嬉しいとひとりニタつくが、ハイヒールを脱ぐ時は仕事を辞める時と決めていると返す夏生が、痛む足をおしてカツカツ靴音を響かせる後ろ姿をウットリと見送った…。
 一方、バイト先でスケッチブックを盗み見る祭は、少女の絵を眺めつつ姉の夏生ではないこの人物は一体何者ぞ? と思い悩んだ所に文也が登場! 慌ててスケッチブックを隠すものの、女の娘の絵なんて見ていない… とアッサリ墓穴を掘る間抜けッぷりに、兄貴が兄貴なら妹もしかり! と言う文也は、田舎者へ教えておくが東京では他人に干渉しないのがルールだと説明。俺や姉に干渉しないでくれと結ぶが、それでは淋しくないか? と返す祭は、自分にも触れらて欲しくない事はあるが、何から何まではね除ける小谷姉弟は淋しすぎると指摘。まるでこの世の中にふたりきりのようだ… とズバリ言い当てられた文也は、返す言葉を失った…。
 その夜。浮かれまくる武蔵は従兄弟の三上和馬(川端竜太)にもアンケート協力を強制。もの凄い勢いで嫌がる和馬に所長の許可は取ってあると迫った所に、あるじの三上信介(不破万作)がピーマンの着ぐるみを着込んだままで帰宅するではないか!普通、着替えて来ないかなぁ…。
 商店街の抽選会で賑やかしの風船を配っていると説明する信介から、着ぐるみは「ガキが泣いて喜ぶ」と聞いて「これだ!」と閃く武蔵は、絶対に嫌だぁ!! と逃げる和馬を羽交い締めにして揉み合った所に、落ち込んだ祭が帰って来る。
 ゴルフの次はアンケートだと聞いてまた夏生に世話を焼くのか? と呆れる祭は、東京では干渉しないのがルールなのだと言い残して二階に消えて行った。
 東京にそんなルールがあったのか… と納得したフリをしつつ、そんなルールはない! 仮にあったとしても立派な田舎者の我々兄妹には関係ないと言い切る武蔵は、またまた近所迷惑も省みずに窓から夜空に向かって「夏生さ〜んアンケート頑張ります!」と吼える続けた。干渉は勝手だが、近所迷惑なので吼えないで欲しい…。

 街頭アンケート当日。嫌がっていた和馬と同僚の成瀬浩(安藤亮司)にも着ぐるみを強要した武蔵は、あんたが夏生のハイヒールを直した奴? と牽制する究吾から「鼻がデカイ」と笑われつつ、必死に街行く人々に声をかけた。
 そこに遅れて駆け付けた夏生は、午後からミーティングがある究吾に恐縮するが、着ぐるみを利用して女の娘をナンパする和馬&浩をこなして、彼らに任せていては終わらないと聞いて苦笑しつつ、口ではなく身体を動かせ! と割って入るトマトの着ぐるみ姿の武蔵に思わず笑みを漏らした。発案者が遅れて来るか?
 そんなこんなで男共が『姫』の為に必死にアンケートを呼び掛けるなか、かつての後輩たちを発見した夏生は、コソコソと物陰に身を潜める訳だが、背後から「何をしているのか?」とトマトの着ぐるみに声をかけらて悲鳴を上げると、あっさり見つかってしまう。
 データ管理部はこんなアンケートまでやらされるのか? と怪訝そうなかつての部下たちから、これから商談相手とビジネスランチだと軽くあしらわれる一方、本社の千賢は急遽帰国した小次郎の姿を発見! 驚きの声を上げた。
 休憩中に、夏生はいつもこの手を仕事をしているのか? と尋ねる武蔵は、彼女を侮辱する気か!? 本来こんな所に居る人ではないと憤る究吾から、2億円の損害を出したミスが原因で飛ばされてしまった事を初めて知らさせる。
 だからこんな仕事でも頑張っているのだと聞いて、痛む足をおして必死でアンケート協力を訴える姿を「そんな訳があったのか…」と武蔵が愛おしそうに見つめる一方、文也は盲目で車椅子の少女・北原遥(星野真里)を見舞うべく病院を訪れていた。
 事故で足を傷つけて以来バイクには乗っていないと言う文也が、気にする事はないと言う遥に返す言葉を失う一方、午後のミーティングの為に会社に戻った究吾は突然小次郎が帰国した事を千賢から聞かされて、携帯電話をプッシュ。
 突然の会議で一日だけ戻って来たと聞いて、真っ先に異動の件は伝わっていない事を確認する夏生は、今夜の便でニューヨークにトンボ帰りする小次郎と会う為に急いで戻って来て欲しいとの『お節介』に、何故私が? と返した。
 本当はまだ好きなのだろうと指摘する究吾から、5時まで会議をやっていると聞いて4時20分をさす腕時計を確認。今は仕事中で5時までかかると言って電話を切った夏生は、「行ける訳ないじゃない…」と漏らして、風船を配りながらアンケート協力を呼び掛ける武蔵たちの姿に目を向けた。だが、『メリークリスマス』と告げて指輪をプレゼントする小次郎と抱き合うシーンを回想。
「ごめん、ちょっと会社に戻らなきゃ」と言いつつ、テントに駆け込んでアンケート用紙を放り投げるが、外反母趾の痛みでよろけてテントの柱にぶつかったその時… ぐらついたテントは鈍い音をたてて傾き始めるではないか。
 その瞬間トマト着ぐるみ姿の武蔵がダイブ! 崩れたテントから身を挺して『姫』を守ったのは良いのだが、倒れたヘリウムガスボンベで足を打っている事に驚く夏生に「なんてことないですよ、夏生さんの外反拇趾に比べたら」と気丈に返す武蔵は、アンケートは自分たちに任せて早く会社に戻るように促して、痛い足で飛び跳ねて見せた。
 会社に戻った夏生は、エレベーターに飛び乗り14階会議室を目指す一方、会議を終えた小次郎は秘書(古川理科)と何やら言葉を交わしていた。足の痛みを押した武蔵と和馬達がアンケート協力を訴える一方、9階でエレベーターに乗り込んで来た輩が書類をぶちまけた事に苛立った夏生は、階段に直行! 外反母趾をおして必死に14階まで駆け上がると、意を決して会議室のドアを開けた… が、たった今出て行ったと言う千賢の、今追えば間に合うとの言葉に従ってエレベーターホールへ。
 そこで『結婚できない?』と小次郎の声を回想。御両親の居ない方に嫁がれては困ると君子(長内美那子)に迫られて、仕事が好きだから続けたいだけだと別れを切り出した自分の声を思い起こしてためらを見せる夏生は、何をためらっているのかと言う千賢に、
「やっぱり会うなって事なのよ」と告げて、溜め息を漏らした…。ひょっとして小次郎の出番はこれで終わりかぁ?

 豊洲営業所に戻って応急処置を受ける武蔵を一同が心配そうに見守っている所に登場した夏生は、足の包帯に驚きの声を上げる。
 我慢してアンケートを続けているからだと和馬が吐き捨てるわ、平岡はしばらく運転が出来ないかも知れないのでちゃんと病院に行くよう促すわで、結構な大騒ぎ状態なのだが、大袈裟だと返す武蔵はそんな事よりも結構アンケートが集まったと話題を変えて、急な仕事の方は大丈夫だったのか? と気遣った。
 そこに知らせを受けた祭が駆け付ける訳で、責任を持って労災保険が下りるようにするので届け出を宜しくと言う夏生に、「冷たい人なんですね」と素直な感想を漏らした。
 何か言い忘れていないか? 誰のせいで兄は怪我をしたのか? 保険を心配する前に、『ごめんなさい』とか『ありがとう』は言ったのか!? と迫る祭を、「悪くなか! 夏生さんは何も悪くなか!」と制する武蔵は、自分が勝手にした事なのだと結んだ。確かにそうかも知れないが…。
 正論を吐いて兄に制されては堪りませんよと! ばかりに祭は当然飛び出して行く訳だが、あいつは何も解っていないと言う武蔵は、ご心配なく… と夏生を気遣って帰宅。バリケードを築いて部屋に籠もる妹の説得に当たった。
 御飯が出来ていると言われても、ここで餓死してやると返す祭はどれだけ心配したかを解っていない、怪我してもヘラヘラしている兄など大嫌い、そこまで夏生を庇ってどうするのだ、お人好しにも程がある! と、なにひとつ間違った事は言っておらず… 確かにその通りだと認める武蔵は、怪我をしたのが妹で相手が文也なら、顔が識別不可能な程ボコボコにぶん殴ってやる! と返した。
 やり過ぎだとの声にも、あいつだけは絶対許さない! と息巻くと、そんなに悪い奴じゃないよ! とアッサリ襖を開く祭に、「そうだろう?」と確認。ならば夏生の事も悪く思うな… と説得に成功! 一緒に御飯を食べよう、と笑顔で促した…。
 そして翌日。アンケート結果を提出するものの、そんな仕事は頼んだ覚えはないと返す坂田部長は、こんな事で認めてくれとの顔をされても困る。データ管理部の仕事はこんなものだと、学生バイト宜しく見くびっていたのか? との御指摘に返す言葉を失った。しかも電話を受ける坂田はアンケート用紙にコーヒーをこぼしてしても全く意に介さず状態! ショックを受けつつ、平岡所長からの電話を受けて驚きの声を上げると、自宅静養中の武蔵は、夏生から電話が入ったと聞いて階段を転げ落ちそうな勢いで受話器を取った。
 何故労災手続きを拒んでいると問い詰める夏生は、一週間も仕事が出来ないと聞いたと続けるが、自分が勝手にした事だと返す武蔵は、そんな事よりアンケートは役にたったのか? と尋ねた。
「見て貰えなかった」との返答に、昨日の今日では集計がまだなのかと納得する武蔵は、和枝(鷲尾真知子)が食い入るように見ているテレビをこなして、ミポリンのドラマを見ているので忙しいのだと話題を逸らした。
 遠距離恋愛のドラマだと説明しつつ『会いたいときにあなたは居ない』とのお答えを頂戴して、その通りに返す武蔵は、仕事を頑張って下さい! と一方的に電話を切り上げるものの、相原勇が出ているので『素敵な片思い』だと訂正する和枝は、ゴルフに続いてアンケート作戦もダメだったのかと、溜め息を漏らした…。
 その夜。いつもの店で落ち込む夏生は、武蔵の事を気にしているのか? と問う千賢に、何を考えているのか!? と怒りをぶつけるが、「何も考えていませんよ」と返す究吾は、自分たちがいつも『あんな仕事』をしていると思っていたくらいだと説明。腹がたったので本来こんな仕事をする人ではない事を告げたと聞いて、異動の件を話したのか? と夏生が顔色を変えると、「成る程」と納得する千賢は、会社に戻れと言った事も、労災の届け出を断った事も全て置かれている状況を知っての事だったのだと指摘。
 そんなに気になるのなら労災手続きはこちらで勝手に済ませれば良いと続く究吾は、会社員ならば一週間休んでも給料は貰える訳で、休みが増えたと思えば良いのでは? と結ぶが、テーブルを叩いてそういう問題ではない! と憤る夏生は、休んで給料が貰える事を喜ぶ男ではない! と声を上げると、バスの運転が好きで好きで堪らない奴が一週間運転出来ない事を挙げて、好きな仕事が出来ない辛さをあんたに解るのか!? と迫りつつ、例え一週間だろうが永遠だろうが辛いものは辛い。それを自分は一番良く知っていると言い放つと、店を飛び出して行く訳で、千賢に「墓穴掘っちゃって…」と言われた究吾は、返す言葉を失った…。つまらんキャラで気の毒だなぁ、究吾って…。

 ハイヒールを鳴らして夜の街をひた走る夏生は、豊洲営業所に辿り着くものの人影はなく… 「居る訳ないか…」と呟いてきびすを返した瞬間、何やらくしゃみが聞こえて来た。
 くしゃみを繰り返して誰かが噂しているのだと漏らす武蔵は、何やらデスクワークを終えると突然訪ねて来た夏生に、何をしているのか? と尋ねられて、参考の為にコピーを取っておいたアンケートだと返答。集計すれば見て貰えるのは? と言いつつ足の包帯に視線を感じて、妹がうるさいので大袈裟だが従っているのだと偽ると、お茶を入れると席を立った。
 流石に自分で入れると申し出る夏生は、職員たちの湯飲みに目を留めると、相撲の柄が自分のだと聞いて相撲部だったからか… と納得。各々の拘りを説明する武蔵からどんなカップを使っているのかと尋ねられて、自分の職場は使い捨ての紙コップだと返した。
 勿体ないとの御指摘に、味気ないものだと同調。どれも同じ顔で使えなくなったらポイと捨てられるだけだと心情を重ねる夏生は、怪我が治るまで一週間もかかる… と申し訳なさそうにお茶を差し出した。
 医者が一週間と言うなら3日で治るとスーパーマン並の回復力を誇る武蔵は、「貧粗なスーパーマン」と返しつつ、怪我をさせた事を詫びて頭を下げる夏生に、らしくない事はやめて欲しいと思わず本音を漏らしてしまう。
 どういう事じゃ? と怒りつつも笑顔を漏らす夏生は、集計までして貰ったアンケートだが見て貰える事はないだろうと漏らして、数が足りないのなら手伝うので又やろう! との申し出に、勝手に自分がした事で、元々上司には仕事と認められていない事を正直に告げた。
 自分がミスで飛ばされた事を聞いたのだろうと続けて、だから意地になってやったのだが、途中で虚しくなってしまった事や、何故自分がこんな事を… と無性に悔しく、情けなくなって逃げだしてしまったと告白。仕事で呼び戻されたのではない、卑怯者なのだと続けて、怪我までさせておいて… と悔いる夏生は、アンケートなどやらなければ良かったと結んだ。だが、基本ではないか? と返す武蔵は、違うかも知れないが… と前置いて、自分たち運転手も仕事の前にバスの声を聞くのだと続ける。
 ハンマーでタイヤを叩いたり、エンジン音を確認してバスの声を聞いてやる事は一番大事な仕事であって基本なのだと説明。基本が大事だと思うので、全然悔しがる事ではなく、むしろ自慢出来る事なのではないか? 仕事している姿は格好良かったと告げて、ハイヒールをぬぐ時は仕事を辞める時だとの言葉を引用。ハイヒールを履いて頑張っている姿は凄く格好良かったと結ぶと、何故労災手続きを取らなかったのか? と問われて自分が勝手にした事だと返答。自分の為に怪我をしたと指摘する夏生は、普通はあんな時に飛び出して来ないと続けるが、「僕のバスは安全第一ですから」と言う武蔵は、あなたの人生を乗せて走りたいと宣言しただろう? と返した。
「あなたが無事ならそれで良いんです」と堂々宣言して、ホントに無事で良かったと満足そうな笑顔に、帰ると告げる夏生はアンケートを貰って行くと言うではないか! そして「お疲れさまでした」との声に送られて営業所を出ると「真顔で言うな…」と呟いた。
 そこにやって来た祭は、「叱ってくれてありがとう」と言い残して去って行く夏生に、ちょっぴり感激! 「やっぱりここに居た」と妹に見つかってしまった武蔵が痛めた足を消化器にぶつけて「痛ってぇ〜」と声を上げる一方、夏生も外反母趾の痛みに顔をしかめた。
 大丈夫か? と心配する祭に、大丈夫ではないと武蔵が情けなく足を押さえる一方、吹っ切れたような笑顔を浮かべて歩き出す夏生で… 『バスストップ』第3話、end。

▲夏生の気持ちが少しだけ傾いた第3話。いやいや、今週も見事に予想外の事態が起こらなかったが、しいて言えば、小次郎(柳葉敏郎)に台詞がなかった事が驚きだったかな? このまま最終回までメールの読み上げと回想シーン、ニューヨークで活躍するシーンか何かのフラッシュだけで逃げ切ってくれる事に期待してみるか!! 因みにバサッとした髪にズルッと長いスカート姿の千賢嬢は、全く秘書に見えませんでした。やたらと小次郎と夏生をくっつけたがる阿部究吾27歳。ふたりがヨリを戻すと、こいつにとって何か良い事があるのだろうか… 目下番組中、唯一の謎だな。
 さて来週は、ふたりは目出度くこ洒落たレストランでデートするらしいが、外務省でも東大出のエリートでもありません! と立ち上がる武蔵が「酷いじゃなかですか。あなたに嘘つかれる筋合いなか!」と迫ると言う事は… 誰かに見られて夏生が見栄を張るって事か? 多分当たってると思うので期待して待つぞ!


● バスストップ  ●

第2話<7月10日(月) ヨル9:00〜9:54 フジ系>
脚本:いずみ吉紘 演出:光野道夫

<出演>小谷夏生【なつお】(30)飯島直子/宮前武蔵(33)内村光良/阿部究吾(27)国分太一/宮前祭(19)内山理名/小谷文也(23)吉沢悠/史村千賢(30)網浜直子/北原遥(19)星野真里/三上和馬(26)川端竜太/成瀬浩(24)安藤亮司/小林小百合(18)矢作美樹/神部豊(38)長江英和/坂田靖夫(50)中丸新将/三上信介(60)不破万作/三上和枝(55)鷲尾真知子/笹島君子・長内美那子/平岡由紀夫(50)小倉久寛/笹島小次郎(38)柳葉敏郎 ほか


「あなたの人生を乗せて走りたい! あなたの人生を乗せて走りたくなりました!!」と、出会ったばかりの東西バス運転手・宮前武蔵(内村光良)から突然告白された小谷夏生【なつお】(飯島直子)は、翌日コピーをとりながらそのシーンを回想。『ばかばかしい』と呟いた所に企画開発部時代の部下・阿部究吾(国分太一)に声を掛けられた。  約束の店で待ちぼうけを喰わされ、酒癖の悪い史村千賢(30)の相手をさせられたとぼやく究吾に詫びた所に坂田部長(中丸新将)が登場! その程度の仕事ならば大したミスもしなくて済むだろうと嫌味混じりで子会社のデータ収集を命じられた夏生はやっと仕事を任された事で、満足げに微笑んだ。
 一方の東西バス豊洲営業所で、踵の修理を終えた夏生のハイヒールに溜め息を漏らす武蔵は、親会社のキャリアウーマンなど高嶺の花だと諦めを促す同僚の声も耳に入らぬ状態で、名前も知らぬハイヒールの持ち主を『織り姫様、あるいはシンデレラ』とあがめ立てつつ、小林小百合(矢作美樹)からフェラガモだと聞かされたヒールに物差しを押し当てた。
 その高さ約9センチ。同僚で従兄弟の三上和馬(川端竜太)を『織り姫様、あるいはシンデレラ』に見立てて、7センチの身長差でもキスは可能だなどとしょうもない試みに興じた所に夏生が登場! 驚く武蔵は「シンデレラぁ」と声をあげた。奇跡の再会って訳だ。
 名刺交換を終えた平岡所長(小倉久寛)の脇にしゃしゃり出て『運転手 宮前武蔵』と記した紙を渡して、靴を取りに来たのだとはしゃぐ武蔵に不快感を露わにする夏生は、東西バスのキャンペーン用にバスの利用状況やマーケティング調査を任されたのだと説明。初めて親会社の社員がやって来たと緊張する平岡所長と、クーラー故障中ゆえ扇風機をモロに当てる武蔵に閉口する夏生は、とっておきなデザートだと桃の缶詰を出されて絶句! 何故豊洲営業所が選ばれたのか? との問いに、不幸な事に本社から一番近かったからと不愉快そうに言い捨てた。感じ悪いシンデレラだな。
 同じ頃。武蔵の妹・祭(内山理名)は夏生の弟・文也(吉沢悠)目当てで決めたウェイトレスのバイトを終えた。
 夜のバータイムまで店の壁画に挑む文也が画家志望と知るや、自分もコンクールで受賞経験アリと自慢するものの、どうせ小学校の写生大会だろうと言い当てられて絶句。どこから見てもパリのエッフェル塔の図案を、上京したばかりとは言え東京タワーと見間違うセンスはどうしたモノだろう… 呆れる文也から優しく帰宅を促された。九州をバカにしてないか、おい!?
 その夜。マンションにやって来た千賢と究吾に、豊洲営業所の悪口を並べ立てる夏生はブルーカラーの職場を理解していないと指摘されつつ、おまけに武蔵が居たのだと溜め息を漏らした。
 やっと仕事が出来るようになったのにとウンザリ顔の夏生が、武蔵に告白された事をからかう千賢に、あんなブルーカラーを相手にする訳はないと聞いて、ホッとする究吾はハイヒールを直してくれたとの説明に、セコイ奴だと一刀両断。自分なら新品をプレゼントすると続けるが、悪い人ではない=ただ人が良いだけと漏らす夏生は、笹島小次郎(柳葉敏郎)の次に現れた武蔵に因縁を感じると指摘されて、左薬指の指輪に目を落とした。捨てるなら譲って欲しいと言う千賢に、小次郎からのプレゼントだからこそ捨てて欲しくないと究吾が返す一方の武蔵は、
「やっぱり運命の出会いだったんだな」とわざわざ訪ねて来たシンデレラとの再会に目尻を下げていた。
 だが、教養あるキャリアウーマンと愚兄では共通点がなさそうだと指摘する祭は、美術書を眺めつつ問題を出すが、武蔵の返答はあまりに寒いギャグなのでここでは割愛させて戴こう。
 そして何故美術書を開いているのかと指摘する武蔵は、文也の名を挙げて彼の趣味なのかと納得。九官鳥の“九ちゃん”が『フミヤ、フミヤ』と連呼していると説明して、バイト先の男に恋をしたかとほくそ笑む武蔵は、慌てる祭から共通の趣味を見つけなければ話も出来ないと諭されて「夏生さんの趣味ねぇ〜」と思案を巡らせた。九官鳥ねぇ… そりゃ、便利過ぎるだろう!
 後日。豊洲営業所に資料を引き取りに来た夏生は、千賢からの携帯を受けて土曜日にゴルフの練習場に誘われる。そこに戻って来た武蔵は、場所と時間の復唱をしっかりインプット。ゴルフも出来ないようじゃねぇ〜 と言い捨てて帰って行く夏生を『いい女だなぁ〜』と見送る和馬に、折り入って相談があるとすり寄る武蔵は、口説きのテクニック伝授を申し出た。

『兎に角褒めまくる』とメモを取る武蔵は、あのくらいの年齢はさりげなく高いものを身に着けているので、靴や指輪に要注意。気分は女王様なので気を配って褒めまくればOKとのアドバイスに良い従兄弟を持ったと大感激。後は練習場では必ず左側の打席を確保して、美尻を堪能すべし! と自称ナンパ師の和馬から基本的なゴルフの楽しみ方をもマスターしたところに、隣町のヤブ医者からゴルフセットを借りて来た叔父の三上信介(不破万作)が帰宅して、タイガー『バーム』お墨付きセットだと自慢げに報告する。身体に優しそうなゴルフセットだ。
『ウッズ』だと突っ込む和馬に、どちらも区別が付かない状態の武蔵は取り敢えず大感激! 勝手に付いて行って良いものか? と叔母・和枝(鷲尾真知子)は心配顔だが、計画的であれ偶然の出会いに女は弱いものだと男たちが舞い上がった所に帰宅した祭は、パターゴルフの経験しか無い事を暴露! 一同『だめだこりゃ』状態の中、ひとりハイテンションな武蔵は教則本で知識を仕入れつつ土曜日を迎えた。
 練習場で千賢からドタキャンの電話を受けた夏生は、隣に都合良く現れて「奇遇だなぁ〜」と声をあげる武蔵に唖然! 営業所での電話を聞いていたと察知して、ゴルフセットに持ち主のネームプレートが付いたままだと指摘。恥ずかしいから話しかけるなと釘を刺しつつも、練習場のシステムが解らない武蔵になんだかんだと注意を促す羽目に陥る訳だ。『101回目のプロポーズ』パターンだぞ、よしよし!?
 何とか打席に立って第一打に漕ぎ着け、見事な空振りに笑い声が上がったまでは良かったが「ちゃんと見て打つ」との御指摘通りに夏生の美尻に見とれる武蔵は、CGでモコモコ揺れる尻にボールを飛ばしてしまうではないか!どう打てばそんな事態に陥るのか?
 怒って帰り支度を始める夏生に飲み物で機嫌を取る武蔵は、メモを見ながらまずは靴を褒める作戦に出るが『フェラガモ』→『カルガモ』とトラディショナルなボケをかましつつ、左薬指の指輪を褒めてしまう。
「あんたの年収くらいするんじゃないの?」と言い放つ夏生は、自分で買ったのか、誰かに貰ったのか? と詮索されて、小次郎からクリスマスにプレゼントされたシーンを回想。その柔らかい笑みを見逃さずに大切な想い出なのだと指摘する武蔵に、「未練じゃない!!」とムキになって指輪を外すと、
「私は女々しいと思われるのが一番嫌いなの。我慢ならないのよ!」と言い放って、止める間もなくゴルフレンジに据えて打ち放ってしまう!!年収がぁ〜!!
 大切なものではないのか? と慌てる武蔵に、
「私が要らないって言ったら要らないのよ!!」と言い放つ夏生はきびすを返すが、そげんことなかぁ! と飛び出して行く武蔵はレンジから飛ぶボールと罵声に、
「大切な物落としたんです。お願いですから探させて下さい」と土下座を繰り返す! その姿が怒りに火に油を注ぐ訳で、恩着せがましい、余計な事をするな! と怒り心頭の夏生は、
「あんたなんかに拾って欲しくないわよ… いい加減にしてよ!」と吐き捨ててその場を去って行った…。
 同じ頃。病院を訪れて盲目の少女・北原遥(星野真里)の車椅子を押す文也は、死んだ父が画家で幼い自分と姉をよく美術館に連れて行ってくれた事、その影響で自分も画家を目指している事を告白。きっと暖かいであろうその絵を見られたら良かった… と屈託なく返す遥は、実は足の怪我はリハビリで歩けるようになるのだと告白。
 バイク事故シーンを回想する文也が、焦らずに時間をかけて行こうと返す一方、バイト先でスケッチブックを盗み見る祭は、遥の肖像画に目を留めた。
 これは一体何者ゾ? と勘ぐった所に文也が戻って来る訳で、動揺を見抜かれて妹が居る筈だ! と尋ねるものの答えはNO… 気が散って壁画が進まないので早く帰るように促された祭は、思わず「まだ一度も入選した事無いクセに」と言い放ってしまう。いつ確認したんでしょ?
 肩を落として帰宅した祭に続いて、以下同文の武蔵は叔父夫妻を気遣って「ウッズ効果でバッチリ」だったと報告。やはりダメだったか… と夫妻が顔を見合わせる一方、二階の部屋に寝ころんで『大切な過去の想い出に触れてしまった』と漏らす武蔵と『いつも一言多い』と続く祭は『お節介なんだよね…』と声を揃えて溜め息を漏らした…。
 指輪のない指でパソコンを操り小次郎からのメールを開く夏生は、別れの夜を回想。家族が居ない事を気にしているのか? との問いに、仕事が好きで今の生き方が捨てられない。だから結婚出来ないのだと結んで、去って行く足音を聞きながら大泣きした自分を思い返しながら、『活躍を期待してるぞ、夏生』と結ばれたメールの文字に溜め息を漏らした…。

 そして数日後の夜。ゴルフ練習場を訪れた武蔵は「またですか?」と呆れる係員に見つかる訳がないと言われつつも、這いつくばって懐中電灯でボールの間を照らし出した。『大切なものなんです』と自分に言い聞かせて痛む腰を伸ばす武蔵が土にまみれた姿で帰宅すると、祭が帰っていないではないか!
 突然休みを取った夜のバイト氏に替わって「今日だけ」との条件でバータイム営業の残業に勤しむ祭は、カウンターで文也を前に訳ありそうな夏生の存在が気にかかる様子だ。
 指輪を捨てたのだと言う夏生は、後悔しているのか? と尋ねて、自分たち姉弟は幸せを捨てる性分かも知れないと続ける文也に、「性分かぁ…」と溜め息を漏らしつつ、武蔵の母・君子(長内美那子)が乗り込んで来たシーンを回想。1千万円の小切手を示しつつ、家柄の違いを指摘して本人は内緒で別れて欲しい。もっと相応しい人が居る筈だと言う君子の前で小切手を破り捨てる夏生は、最初から結婚の意思はなく、自分から別れを告げるつもりだったと強がってしまったのだ…。
 一緒に居てくれる人が欲しかっただけだ… と呟く夏生は、もう一杯カクテルを? と心の隙間を埋めるバーテンダー兼弟の気持ちを有り難く受けてトイレに向かうべく席を立った。良い大人が『一緒に居てくれる人』もないだろう!
 そこに血相を変えて飛び込んで来た武蔵は、喫茶店の筈が水商売か! と祭の手を取って帰る!! と息巻いた所に、トイレから戻った夏生はまたしてもストーカー行為に及んだか!? 今度は警察を呼ぶと驚く訳だ。かくして、これはホントの偶然だと弁解する武蔵と祭が兄妹で、夏生と文也が姉弟である事がすんなり判明。捨てた指輪をこれ見よがしな土下座で拾おうとしたと暴露する夏生は、怒り心頭であんたなんかに拾って欲しくない、見つけて来たら一生口をきかない、口先なら何とでも言えると罵倒。
 サハラ砂漠の中だって、太平洋の海の底だって、宇宙の果てからだって捜して来て見せられるのか? と迫って「出来っこないわよね」と吐き捨てる。なんちゅうシンデレラだ!
 するとどうでしょう。ポケットからハンカチを取り出す武蔵は「見つけました…」とその中で光る指輪を示すではないか!
 どうやって? と驚く夏生に、指輪が光って教えてくれた、指輪が光って俺に拾ってくれと訴えたので見つける事が出来たのだと言う武蔵は、
「大切な思い出じゃないですか」と続けると、思わず指輪に手をのばす夏生に、やっぱりあと時と同じ優しい顔していると指摘。そして指輪を手に取ろうとはしない夏生に、
「想い出は宝物です。だからそれは夏生さんの宝物です」と結ぶ武蔵は祭を伴って店を出て行った。
 残された夏生が『メリークリスマス』の声を回想しつつ指輪を左指に戻す一方、スタスタと夜道を行く武蔵は、そんなに怒らずとも! と憤慨する祭をやり過ごして『緊張した〜』とその場にしゃがみ込んだ。
 指輪を包んでいたハンカチを手に取って『想い出は宝物です。夏生さんの宝物です』の声を回想する夏生が『お節介』と漏らして涙を浮かべると、ふと顔を上げる武蔵はショーウィンドーに飾られたウェディングドレスに目を留めた。
 そして武蔵が眩しそうに見つめる、まばゆい衣装をまとった新郎新婦のマネキンで… 『バスストップ』第2話、end。

▲お互いの姉弟関係が一応判明した第2話。殺伐とした現実をかんがみれば、何一つ予想外の事態が起こらないこの展開に、テレビドラマの醍醐味を感じる自分の胸に、複雑な思いが去来する今日この頃…。世の中こうあって欲しいものよのぉ〜 と縁側で惰眠を貪る猫を相手にお茶をすする老人の心境でドラマを見守りつつも、同期入社で秘書課の史村千賢(網浜直子)が後に小次郎(柳葉敏郎)を寝取りつつ、究吾や武蔵、文也までモノにして夏生を奈落の底に突き落としてくれねぇかな… と本気で願う俺なのだ。だってヤな女じゃん? 夏生って!
 さて来週は、アンケート調査を買って出る武蔵は、究吾から夏生がミスをして左遷された事を知る。トマトの着ぐるみを着込んだ武蔵が、倒れたテントの下敷きになる夏生を身体を張って庇う一方、いよいよ小次郎が登場! そして「悪くなか。夏生さん、何にも悪くなか!」と一同の前で啖呵を切る武蔵で…。着ぐるみねぇ… と引きつつも、いよいよライバル・小次郎の登場だ! どんな御曹司ッぷりなのかを、期待して待とう!


● バスストップ  ●

第1話<7月3日 ヨル9:00〜9:54 フジ系>
脚本:いずみ吉紘 演出:光野道夫

<出演>小谷夏生【なつお】(30)飯島直子/宮前武蔵(33)内村光良/阿部究吾(27)国分太一/宮前祭(19)内山理名/小谷文也(23)吉沢悠/史村千賢(30)網浜直子/北原遥(19)星野真里/三上和馬(26)川端竜太/成瀬浩(24)安藤亮司/小林小百合(18)矢作美樹/神部豊(38)長江英和/坂田靖夫(50)中丸新将/三上信介(60)不破万作/三上和枝(55)鷲尾真知子/笹島君子・長内美那子/平岡由紀夫(50)小倉久寛/笹島小次郎(38)柳葉敏郎 ほか


 ある朝。東西バスの運転手、宮前武蔵(内村光良)は、通勤客や学生を乗せたバスを軽快に走らせながら、無線を使って「33にもなって独り身の居候では」と見合いを勧める同僚に、
「結婚するなら恋愛結婚って決めてるの」と脳天気に返しながらバス専用レーンを軽快に疾走していた。
 だが、レーン横の渋滞に巻き込まれて渋い顔の小谷夏生【なつお】(飯島直子)は、担当していたレストランの倒産で新部署配置を命じられた事を回想。
「たかが2億じゃない」とふてくされつつ、この渋滞では初日遅刻は免れず… バス専用レーンに乗り込んでアクセルを踏み込むものの、程なく武蔵のバスに追いついてしまう。酷ぇ女だな。
 停留所で停車した武蔵は、発進時に無茶な追い越しをかけて来た夏生車に思わず急ブレーキを踏むと「狭い東京、そんなに急いでどうするの」と呟きつつ、気を取り直して明るくバスを走らせた。
 だが、交通法規を守らぬ者を神が許す訳もなく、程なくボンネットから上がる煙に驚く夏生は、オーバーヒートを起こした車をバス専用レーンに乗り捨てるが、勿論一般レーンは渋滞中でタクシーの姿は見えず状態。そこに武蔵の運転するバスがやって来る訳で、仕方なくバス停目指して走るものの、バスは無情にも夏生に気付かず通り過ぎてしまう。まだ出会わないか。
 結局タクシーで大手商社・笹島コーポレーションに出社した夏生は、新部署・データ管理部部長の坂田靖夫(中丸新将)から「花形部署・企画開発部で唯一の女性チーフとして輝かしい業績を上げて来た女性で」との紹介を受けて、その業績を喜々として語り出す。が、
「とまぁ、自慢話をし出したらキリが無いくらい、有望な女性“だった”って事です」と終止符を打たれた夏生は、レストラン企画で2億の赤字を出した件を突く坂田から、暫くは何もしなくて良いので新聞でも読んでいるよう命じられて、パキパキと凍り付いてしまう。寒ぶっ!
 一方、東西バス豊洲営業所に戻った武蔵は、しつこく見合いを進める同僚で従兄弟の三上和馬(川端竜太)らに、「結婚ってのはなぁ、バスなんだよね」とぶちあげていた。
「俺たちの道には、いくつもの停留所があるだろう? そこには俺たちの到着を心待ちにしている人達、沢山居ると思うんだ。結婚もさぁ、それと同じなんだよな。どっかの停留所で俺に拾って貰うの心待ちにしている人、必ず居ると思うんだよな。それ、明日かも知れないし今日かも知れないし…」との弁に、今日・七夕の日ならロマンチックだと事務員の小林小百合(矢作美樹)がうっとりと返す。
「七夕に棚ぼたってか?」と口を挟む所長の平岡由紀夫(小倉久寛)は、小学生でもあるまいしそんなおとぎ話を信じるか? と笑うものの、七夕の歌など口ずさみながら心は天の川に飛んでいる武蔵の姿に「信じてるぞ、こいつ」と呆れ顔で漏らした。
 同じ頃。同期入社で秘書課の史村千賢(網浜直子)をランチに誘って愚痴を垂れる夏生は、手にしたカツサンドの賞味期限切れに気付くが、
「売れ残るのだけは避けたいな、いくら仕事が好きでも」との言葉に鋭く反応。自分への言葉だと言う千賢から三十路の自覚を促された夏生は、かつての恋人・笹島小次郎(柳葉敏郎)はどうしているか? との御指摘に、連絡を取っていないがアメリカで宜しくやっているのでは? とそっけなく返答。
「こんな大きな会社のジュニア振るなんて、私には出来ないなぁ」との説明に、単純な問題ではないと返すものの、指に光る指輪をこなして、連絡を待っているの? と言われた夏生は賞味期限切れカツサンド返品の為に席を立つが、
「平気よ。少しくらい賞味期限過ぎてたって」と何気ない一言に、
「どっちの話?」と詰め寄った。

 同僚病欠の為、親会社→駅行き直通バスの運転を渋々引き受けた武蔵が、
「途中にバス停ないしなぁ… 七夕なのになぁ…」とマジでぼやく一方、企画開発部を覗く夏生はかつての部下・阿部究吾(国分太一)が生き生きと仕事をこなす姿に、自分の輝かしい日々を回想。気付いた究吾から飲みに誘われるもののやんわり断りつつ、押し進めていた企画が実現しそうだと聞いて激励の言葉を贈った。だが、
「はい。目指せ小次郎、人生の目標なんです」と思わず漏らす究吾がかつての恋人とメールで連絡を取り合っていると聞いて、異動の件は絶対に内緒だと釘を刺してその場を離れた。
 その夜。誰も居ないデータ管理室でノートパソコンを見つめる夏生は、小次郎のメールを眺めつつプロポーズを断った夜を回想。ありがちだ。
 仕事を辞めてついて来る筈では? と問われて、ジュニア故に好きになった訳ではない事、何やら家族の事を気にしてではなく、仕事が好きなので今の生き方は捨てられない事を挙げて結婚できないと結んだ自分自身に溜め息を漏らしてパソコンを閉じると、乗り捨てて来た車の事を思い起こして部屋を飛び出して行った。
 笹島本社前にバスを止めて、九州から上京して来る妹・祭(内山理名)に電話中の武蔵は、バスのドアをバシバシ叩く人影に気付いて電話を切り上げると、
「ちょっとあんた。何やってんの?」との声に振り向いた夏生のバックにバラの花を見た想いで、「織り姫様…」と呟いた。七夕残業バンザイだな、武蔵!
『会社辞めて、俺について来てくれんじゃなかったのか』と言う小次郎を回想しつつ、
「幸せ… 捨てちゃったかなぁ…」と座席で夏生が溜め息を漏らせば、
「幸せ拾ったばい」とほくそ笑んでハンドルを握る武蔵は、意を決してマイクから「お仕事大変ですよね?」と呼び掛けると、以下、東西バスは笹島コーポレーションの系列会社。いつも帰りはこんなに遅いのか? 今日は七夕なので何かの縁か? と語りかけるが、黙っていて欲しいとつれなく返されてしまう。そりゃそうだろう。
 話の流れで、バス専用レーンに放置されて大迷惑の『こじゃれた外車』がレッカー異動されたと告げる武蔵は、19歳になる妹が短大を編入して上京して来ると説明。夏生にもフリーターの弟が居る事を聞きだした。
「いくつですか?」「23」「いえ、あなたです」「いくつに見えてる?」「…… 23です」「遅いわよ!」とやりあいつつ、身長、結婚、見合い歴を尋ねる武蔵は、喧嘩を売っているのか!? と怒る夏生に「そろそろ結婚でもしろ」と言う周囲から見合いを勧められてられていると説明。
「ちょっと待ってよ。結婚にそろそろなんてある?」との過剰反応する夏生は、適齢期との意味では? との返答に益々激怒!! 結婚は“そろそろ=惰性”でするものではない。結婚するなら仕事を辞めろはあまりに身勝手であり、「私を本当に愛してるならあなたが仕事を辞めて」とわざと言った相手がアメリカに行ってしまったとの激白を聞いた武蔵は、
「転勤って事ですか、良かった」とほくそ笑んだ。
 そして次の日の夜。武蔵の居候先で叔父夫婦・三上信介(不破万作)、和枝(鷲尾真知子)が営む饅頭屋ではひとり息子・和馬も交えて、上京して来た祭の歓迎会が行われた。
 さしたる目的もなく上京して来た祭は、都会の生活に憧れてか、叔母たちの冷やかし通りタレントにスカウトされる事が目的なのかは良く解らないが、そんな妹に何故お見合いを断ったか知りたいか? と切り出す武蔵は、
「兄ちゃん実は、織り姫様と出会っちゃった」と一方的に告白。
「これを運命の出会いと言わずして何と言おう」とデレデレしつつ、33歳にしてついに見つけた!? とのリアクションに、まだ片思いだと説明。キレイで格好の良い親会社のキャリアウーマンだと続て、出会いは雷に打たれたようだったと宙を見上げると、相手は背が高いのか? とのツッコミに166pで自分の方が2p高い筈だが、ハイヒールの分だけ背が高く見えたのだろうと言う。だが、
「キャリアウーマンはハイヒールをぬがない。お兄ちゃんずっと見上げっぱなしだよ?」と祭が訳の解らぬ心配をする一方、早い時間に帰宅した夏生は勿論ハイヒールをぬいでいた。当たりまえである。

 こんな時間に帰ってもする事もないと、閑職に追いやられた実感を噛みしめる姉の早い帰宅を不思議がる弟・文也(吉沢悠)は、早く一人前になって安心させろとの小言を遮ってバイトへと出掛けて行った。
 翌日。バイト雑誌を片手に求人の店前にやって来た祭が、ウェイトレスではありきたりだと漏らした所に文也が登場する訳です! 『カッコ良かぁ〜』と兄・武蔵宜しく漏らす祭の頭には、真っ赤なハートが輪になって踊ろう状態! 求人の店に消えて行く文也を追って「話だけでも聞いてみよう」てな事に相成る訳だ。この店がレギュラー陣の溜まり場となるのか?
 定時を迎えてさっさと社を出た夏生は、合理化を言い渡された子会社をリストラされた酔っぱらいの男に絡まれてしまうが、その様子を目撃した武蔵が颯爽と登場! 相撲の技で男を投げ飛ばして、
「何してるとか!? 女の人にこげん暴力振るって」と迫り、リストラの仕返しだの弁に、
「だからって暴力はいかん。このバカタレが!!」と一喝するものの、警備員の足音を察知して早く逃げ去るように小声で促した。
 感謝の眼差しで男が去って行くと、警備人から暴漢と勘違いされた武蔵は「この人に何をしたんだ!?」「何をしたのか言ってみろ!」と腕を掴まれて、
「恋をしました!!」と宣言! 「はっ?」と驚く夏生は貸し切り状態のバスで、変な冗談のお陰で余計話がこじれてしまったと笑いつつ、助かったと素直に礼を述べた。
 冗談ではないのだが、取り敢えず今日は帰りが早く、しかもマイカーではないのか? と尋ねる武蔵は廃車になったと聞いて嬉しそうに反応。
 啖呵の訛で出身地が熊本である事を確認する夏生は、暴漢を投げ飛ばした技が柔道ではなく高校時代の部活である相撲の技だと聞いて、
「だっせ〜」と返しつつ、会社を出て来た時に元気がなかった事から、何か仕事の悩み事でも? と突っ込まれて、暴漢同様クビにして貰えば良かったと漏らす。
 贅沢だと言う武蔵は、この御時世働きたくとも働けない人が沢山居る事を挙げて、
「仕事辞めたいと思った事ない? 同じ道ばかり走ってて楽しい? バスの運転、退屈しなかって事」との問いかけに、
「しませんね。それに同じ道でも毎日景色が違いますから」と明るく返した。
 外の景色は同じだが、自分の言う景色はバスを利用する客の表情の事だと説明。楽しそうに会話する顔や、喧嘩する顔。たまに泣いている顔などを見る事が楽しいのであり、いろんな人たちの人生を乗せて走っている事が楽しいのだと続けて、
「今だって、あたなの人生を乗せて走ってるじゃないですか? ほんの数十分ですけど…」との言葉を、
「人生をねぇ…」と繰り返す夏生は、毅然として「人生をです!」と結ぶ武蔵に背中を押されたのか? 翌日の出社早々、
「私にも仕事をさせて下さい」と坂田部長に自分なりのデータ分析リストを手渡した。だが、リストを受け取って「偉そうに」と一笑する坂田は、アイディアだけで運良くやって来た花形部署の女チーフにデータ管理の何が解るのだと言い捨てて、ここで業績を上げて企画部に返り咲きたいとの思いは諦める事だと明言。
「男でもなければ若くもない。そのくせプライドだけは充分で、使いずらいんだよ。中途半端なんだよ!」と言われてその場に捨てられたリストを惨めに拾う夏生の姿を、物陰から究吾が辛そうに見守る一方、とある病院を訪れた文也は、盲目で車椅子の少女・北原遥(星野真里)に見舞いの花を差し出した。ほほぉ? 訳ありそうだな。
 花束に顔を近づけながら、ラベンダーだと言い当てて、
「花って匂いで解るから好き」と屈託なく言う遥を、穏やかな眼差しで見守る文也のバイト先に、その夜千賢を伴って究吾がやって来た。
 仕事があるでもなく職場に残っている夏生に、飲みに出て来るよう誘う文也から、
「今夜は姉さんを励ますんだろう?」と受話器を手渡された文也は、パソコンを眺めながら落ち込む夏生から、
「あんたに励まして貰う程ヤワじゃないよ」と言われて、部署が変わった事は聞いていないと返した。

「話してないもん」「大丈夫か?」「心配ないって」と互いを思いやる姉弟は、小次郎の母・君子(長内美那子)が1千万円の小切手を持って息子と別れて欲しいと乗り込んで来たシーンを回想。
「負けんなよ…」と言う文也と代わって出て来ないか? と再度究吾が誘った所に、小次郎からのメールが到着するではないか!!
小次郎の声『一年ぶり。相変わらず忙しくしているか? やはり俺との結婚より仕事を選んで正解だったか? お前の事だからきっと、笑って正解だったと答えるんだろうな。ニューヨークから元上司として、それから友人として応援している。活躍を期待してるぞ、夏生』
 とのメールを読みながら「飛ばされちゃったんだよ」と漏らす夏生は、エレベーターの中で自分たち姉弟に両親が居ない事を指摘する君子訪問の続きを回想。
 息子は将来の笹島コーポレーションを背負って立つ人間であり、両親のない人に嫁がれるなど迷惑で、自分が訪ねて来た事も小次郎には内密に… と釘を刺された苦渋を胸に外に出た夏生は、赤いランプの終バスを追うが、段差に足を取られて転倒! ハイヒールの踵を折ってしまった惨めさと様々な思いが相まって、
「どうして、どうして誰も待ってくれないのよ」と涙した所に、救世主の如く武蔵の運転するバスがクラクションを鳴らして近づいて来るではないか!!
「乗りますか?」と開いたドアに、ハイヒールを手に黙って乗り込む夏生は、件の暴漢がまたやって来たのか? との問いに「ただ転んだだけよ」と返答。大丈夫か? と続ける武蔵に、
「大丈夫な訳ないじゃない! もの凄く痛かったわよ! 痛かったんだから」と泣き出して、凄く高価だったとハイヒールを示した。
 自分の働いた金で買ったお気に入りの靴だった、凄く悔しいと泣き続ける夏生に、自分が直すと言う武蔵は、
「こう見えてもハイヒール直すの、得意なんです」と申し出た。そうなんですか?
 折れたハイヒールを運転席に置く武蔵からサンダルを借りた夏生は、降り出した土砂降りの雨の中、バスを降りるが、
「あなたなら、大丈夫ですよ」と声をかける武蔵に、
「私の事、何も知らないクセに」と言い捨てた。
 追ってバスを降りる武蔵は、
「何も知りません! 俺まだ、あなたの名前すら知りません」と訴えて、ほっておいて欲しいとの返答に「ほっとけません!」と声を上げた!
「最初あなたに会った時、あなた怒ってました。次に会った時、あなた笑ってくれました。それで、それで今、あなた泣いています。そんなの見てほっとける訳ないでしょう!?」と続けて、帽子を取ると、
「あなたの人生を乗せて走りたい! あなたの人生を乗せて走りたくなりました!!」と宣言!
『もしかして気にしてるのか?』と問う小次郎に、両親の事など気にしていないと強がった事や、母親から別れて欲しいと迫られた事、『仕事が好きだから続けたいだけ』と偽ったシーンを回想する夏生は、唐突な申し出に、
「ごめんなさい。私は… ひとりで歩いて行く事に決めたの。自分の足で、歩いて行く事に決めたの」と返答。健康サンダルをその場でぬいで裸足で歩き去って行く姿を辛そうに見つめる武蔵は、土砂降りの雨を含んだ帽子を被り直して、ガックリと肩を落とした。
 そんなふたりに雨は容赦なく降り注ぎ『二人の距離は まだまだ遠い…』とのテロップで… 『バスストップ』第1話、end。

▲出会って4日目でプロポーズかい!? とスピーディな展開の第1話。『ロングバーケション』の山口智子嬢に、『101回目のプロポーズ』の武田鉄也氏が再会した感が否めないのは俺だけか? 弟・江口洋介氏が吉沢悠で、妹・田中律子さんが内山理名嬢。回想シーンのみの柳葉敏郎氏が長谷川初範氏でますますピッタリ来ると思うのだが、全く同じならばそれはそれで面白いかも知れないぞ! 第1話の割には説明に終始しなかった事は評価するが、北原遥(網浜直子)が秘書課勤務である事はテレビ誌の設定を見なければ解りませんでした。33にもなって叔父夫婦の家に居候している主人公に、特別な事情があるのか? 饅頭屋や従兄弟の和馬(川端竜太)に深い意味があるのか? 相撲部は柔道部よりダサイのか? 等々謎は尽きないので、これからの展開に期待したい。因みにアバンタイトルと提供コール、CMが終わってから挿入された出演&スタッフロールが妙に気になって、冒頭のドラマに集中出来ませんでした。
 さて来週は、東西バス営業所でお互い自己紹介する武蔵と夏生は、何故かゴルフ練習場で再会。「私が要らないって言ったら要らないの!」と想い出の指輪を捨てた夏生の為に、飛んで来るゴルフボールを除けながら「大切なものを落としたんです。探させて下さい! お願いします!!」と頭を下げる武蔵。その一途さに驚く夏生で… ますます『101回目〜』と被るのか? 期待して待つぞ!


制作:フジテレビ/脚本:いずみ吉紘/プロデュース:栗原美和子・羽島健一/演出:光野道夫/選曲・辻田昇司/主題歌:Mr.children『NOT FOND』(TOY'S FACTORY)/オープニング曲『Pearl』Shlro(エクスタシージャパン)

構成・文/阪本 悠


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