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| 第4食●『今夜は“特別”営業中』● |
夏クールの連ドラもフジテレビを残して目出度く最終回を迎え、期首に向けてのスペシャルドラマの口火を真っ先に切ったのが日本テレビ系の『今夜は営業中』(9月18日ヨル9:15〜10:49)だ。 テレビ誌でチェックしたところ『タモリと木村拓哉がおくる音楽、コントありのドラマ』と言う事なのだが、尺が94分で野球放送の延長アリと、『そこはかとない中途半端感』を感じた俺は「さて、どんなモノなのか?」とチャンネルを合わせてみた。 冒頭は日本テレビGスタジオ副調整室の生本番1分前。「木村拓哉はどうした!?」と編成局の小林(八嶋智人)、同部長中林(山崎一)、同局長(橋爪功)らが青ざめる中、ディレクターの村木(木村拓哉)が現れて、さて本番! でタイトルと『テレビの裏側全て見せます』とサブタイトルが出た瞬間、楽屋オチ的な『業界裏側モノ』があまり好きではない俺はイヤ〜な予感がした。 特にテレビの内側を扱うドラマは、有名俳優陣がスタッフ役で劇中劇の俳優役は無名に近い俳優さんが演じる場合が多くて興醒めするし、インカム姿でケツポケットに真ん中折りの台本を差して、カンペめくりやキュー出し等々を若手有名俳優がしたり顔で演じて見せるのは、ドラマの嘘であるとは言え『同じテレビの世界』だけに嫌味に感じてしまうのだが、『豪華キャスト』に惹かれて取り敢えずオンタイムで観る事にした。 ストーリーは、生本番から1週間前にさかのぼって、総務部電源課から『何故か』制作部のディレクターに配属されたがホサれていた村木(木村拓哉)と、20年前にドッキリ企画で『ローマ法王とキリストのそっくりさんを御対面させて』列局を転々として戻って来たプロデューサー森田(タモリ)のふたりが、急遽穴のあいた枠で特番を制作する事に。 『タモリ』と『木村拓哉』のキャスティングが決まってスポンサーの了解も取れたのだが、実は森田が『木村拓哉』サイドの了承を得ていなかった事が発覚! ふたりは本人に直接出演交渉えお試みるのだが、果たして生本番に木村はやって来るのか…!? と言うものだが、ドラマ部分は豪華なゲスト諸氏の好演で充分に楽しめた。 まず1番出番の多かった橋爪功氏の場合、どんなドラマでも期待を裏切られた事がないのだが、今回は日テレのマスコット『なんだろう君』を終始手放さず、歯の痛みとトラブルに見舞われた生本番のお陰で終始苦い表情ながらドラマ全体を見事に締めておられ、村木を閑職に追いやる先輩D役の竹中直人氏はワンシーンの出演中、終始『普通』の芝居で通してくれて安心した。 村木に好意を寄せていると言う理由で森田のアシスタントプロデューサーを買って出る崎山役の江角マキコ嬢はさして見せ場の無い役なれど、短いスカートから伸びる脚線美は充分な『見せ場』だったし、コント乗りの企画会議シーンでもコケネタ2連発を真顔でコナしてドラマに華を添えてくれた。 数カットしか出番のなかったが良い『味』だったSMAPマネージャー役の板尾創路氏、タモリマネージャー役の金田明夫氏も流石の存在感だったが、総務部電源課の所ジョージ氏、スポンサーの明太子会社2代目の陣内孝則氏、清掃員役の篠原ともえ嬢は『和ませ&賑やかし要員』として『スペシャル番組』の御愛敬だろう。 しかし、村木の恋人で『気の強い』タイムキーパー役の松たか子嬢と江角マキコ嬢は『こんな私に誰がした』で共演、八嶋智人氏と板尾創路氏は『古畑任三郎』と、その他の顔ぶれからもそこはかとないフジテレビのテイストを感じてしまうのは、売れっ子の豪華キャスト故仕方の無い事か? そんな中でも、本人役で出演交渉をやんわり断る設定の長嶋茂雄氏はタモリさんに対して、 「ちょうど、その時期的にはひじょうにペナントの終盤でしてね、ちょっとゲーム等でちょっと時間的にちょっと無理じゃないかと思いまして」と良く解らない日本語で堂々たる『ミスター』っぷりを披露。『日テレ』らしさをアピールしてくれて、わざわざ東京ドームまでロケに出た甲斐は充分にあっただろう。 同じく本人役の井上陽水氏も、「クニじゃお袋も歳をとってるし、いろいろあるんです。ですからせっかくのお誘いですが断らざるを得ないんです」と『陽水スパイスの』ボケをかましながらも、 「キムタクにサインをお願いしたと小耳に挟んだんですが…」と本人に突っ込まれ、 「そう言う経緯があるから番組出た方が良いんじゃないかって事ですよね」と居直った直後に『夜空ノムコウ』を生で歌い出して誤魔化す… とサービスしてくれたし、番組アシスタントのオーデションで、タモリとキムタクが居るとは知らされていない(らしい)タレントさんを『素』の御両人がイジる等で『業界の裏側』部分の胡散臭さは緩和された気がした。 後半で木村拓哉が『頭を丸めた森田が毎晩家の前で待っていた』等の『浪花節』にほだされて生出演を決心するエピソードの弱さと、ふたりの『本人役』芝居にぎこちなさを感じたが、すぐに生本番が始まって『ここからはバラエティです。お気軽にお楽しみ下さい』とのテロップと共に、『劇中劇』ならぬ本物のバラエティパートに切り替わったので、細かい事は忘れてテロップに従う事にした。 オープニングの音楽パートでタモリさんと木村拓哉氏がぎこちないコーラスを披露して、『木村がギリ入り』のバタバタを臭わせるやりとりの後、別収録のコントではタモリさんが懐かしい『デタラメ各国語』を披露すれば、木村氏も『SMAP×SMAP』で鍛えた? 見事なコントセンスで応戦。 ビリヤードを絡めたトークコーナーもテンポ良い編集で快調に進み、再びオープニングのセットに戻っての音楽パートでは、懐かしいタモリさんのトランペットが聴けなかったのは残念だった。 『今夜は最高』でタモリさんのトランペット姿が観られない… それは地味目の喫茶店でオーダーしたジュース類やパフェ等に『決して喰う訳ではない』缶詰のサクランボが入っていなかった時の一抹の寂しさに似ている… などと感傷に浸りつつも、フルートやピアノのセッション、久々の歌等でほのぼのとさせて戴いた。 ともあれ、途中でスタッフサイドのドラマを一切挟まずに別番組に徹した事と、当然ながらおふたりの芸達者振りで、『今夜は最高』と同じくCMを含めての30分枠を充分に楽しむ事が出来た。 そしてドラマパートに戻って、番組で『大赤字』を出した森田は21局目の『青森りんごテレビ』に飛ばされ、総務部に戻されて脚立の上で蛍光灯を取り替えている村木に、 「今度はドラマやるか?」と局舎を去り際に声をかけてニヤッと笑顔を交わすふたりで… The End。 落ちこぼれが会社の上層部を見返す設定、脚立に蛍光灯やイヤな上司の2人組等は『ショムニ』を彷彿させ、やはり最後までフジのドラマ色が強かった感は否めなかったが、豪華なキャストと業界裏側ネタに走り過ぎなかった『今夜は営業中』には結構楽しませて戴いた訳で、今後始まる各局のスペシャル企画にも大いに期待したい。 |
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============<番組データー>============ 『今夜は営業中』 放送日:9月18日(土)ヨル9:15〜10:49(野球中継延長のため15分繰り下げ) チーフプロデューサー:佐藤敦 プロデューサー:梅原幹・佐藤響・中込卓也 脚本:海老克哉 演出:猪俣隆一・三枝孝臣・工藤浩之 出演:タモリ・木村拓哉・江角マキコ・所ジョージ・陣内孝則・篠原ともえ・竹中直人・前田愛、板尾創路・森山周一郎・長嶋茂雄・井上陽水・金田明夫・山崎一・松たか子・橋爪功 ほか |
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構成・文/阪本 悠 |
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