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「SPEED」解散…これから「アンドロメディア」を心して拝見します。(W・M談)


第6食 ●解散発表記念『アンドロメディア』鑑賞記●


 長かった残暑も去って秋らしくなって来た頃、いきなり飛び込んで来たのが『SPEED来年解散』のニュースだった!! 別に彼女らのファンではないのだが、日本の芸能界的に考えれば、やはりどエライ事である。
 16歳にして解散後は『第二の人生』と言えるに相応しい活躍振りはファンにあらずとも認めるところであって、倍以上生きて来ても未だ第一の人生もおぼつかない身としては、いかんともし難い思いが胸に去来して秋風が骨身にしみる思いである…。
 そして解散発表を狙った訳ではないだろうが、奇しくも18日(月)に映画・『アンドロメディア』のオンエアを予定していたTBSは急遽放送予定を1週繰り上げて、『このチャンス逃さいでかい』とばかりにフジ月9『氷の世界』第1話の真裏にぶつけて来たのだ!! 「その気迫、しかと受け止めようではないか」と、実は『一度ビデオを20分で断念してしまった』と言う後ろ暗さをキッパリと忘れて、気分も新たに謹んで録画鑑賞させて戴く事にした。


 物語は、高校1年生の舞(島袋寛子)が、ある日交通事故死するが、天才コンピュータープログラマーである父・俊彦(渡瀬恒彦)は、完成させたばかりのプログラムを使ってパソコン上(中?)に舞を『自我を持った電脳世界の生命体』=『AI(エーアイ=アイ)』として生き返らせる。だが、世界征服をたくらむ組織・ザッカーがAIを捕らえようと魔の手を伸ばして来る…。
 と言うもので、監督の三池崇史氏は、ネオ任侠系のVシネマや劇場映画を年間4〜5本のペースで手掛け、最近では『中国の鳥人』(主演:本木雅弘)や、連ドラで高視聴率を叩き出した『サラリーマン金太郎』(10/23公開)を手掛けるオールジャンルの俊英である。
 タイトル明けから、ミニスカ制服姿の『ナマ』舞(島袋寛子)と恋人・ユウ(原田健二)の浜辺のシーンの美しさや、同級生である今井さん、上原さんの生き生きとした表情を余す事なく見せる手腕は流石なのだが、10分を過ぎたあたりの、コンピュータ内に蘇った『AI(アイ)』のCG描写部分で前回の挫折感が蘇ってリモコンに手が伸びそうになってしまった。
 今更珍しくもない『AI』と言う設定、CGキャラ&ロボットボイスによる棒読の『AI(アイ)』には、『二次元』や『フィギア』に思い入れがない身としては辟易。せっかくピチピチとしておられる島袋さんを、あっけなく殺して110分の作品中で3分以上ものCGキャラ、20分近くのパソ画面映像に閉じ込める事はないんじゃないのか? と単純に『もったいない』と思ってしまうのだ。
 密かにユウを慕う美少女・リカ(上原多香子)は『AI(アイ)』をパソコンごと敵の高中(唐渡亮)に渡してしまうキーパーソンで、ただの仲良し同級生の洋子(今井絵理子)は、忘れた頃に登場して英断を下すのだが、舞のメル友で風呂屋の番台を預かる孝行娘・ナオ(新垣仁絵)が全くストーリーには関係なかった事にも肩すかしを喰ってしまう。
 キャンディーズならミキSMAPなら断然草なぎ剛派の俺としては、「こういう人が何かやってくれる筈だ」と当然期待する訳で、唯一同級生ではない設定で、番台にパソを構えているくらいだから電脳がらみで活躍する『隠し玉』かと期待していたが、最後まで『味のある存在感』が生かされなかったのは残念だった。
 そして、後にCGから実写に近くなるとは言っても『2次元』映像に終始する島袋さんは、メイクは濃いわ顔のアップばかりで動きはないわで、追っ手から逃げるにしても、ノートパソコンの蓋を閉められた侭でユウに運ばれてはワクワクドキドキの仕様がないではないか。

 その分一手にアクションシーンを引き受けた「新人」とクレジットされるユウ役の原田健二氏は、'98年のJUNE「スーパーボーイ」審査員特別賞から、この映画で俳優デビューと言う文字通りの『新人』さんだ。前半部分はなかなか画面の中でも目が行かなかったが、後半からは『AI(アイ)』を守る立派なヒーローとして、自然と目を奪われた。
 いきなり登場する『DA BUMP』の辺土名一茶(ISSA)氏は芝居どころは殆どないものの、そのしっかりとしたお顔立ちはあわや原田健二氏を喰ってしまいかねないインパクトで、次回作『ドリームメーカー』(10/23・全国東映系公開)では目出度く主演で、噂の上原多香子さんと御共演だ。
 この『DA PUMP』のメンバーが、ユウを乗せてのカーチェイスシーンで軽く笑いを取った後、暴走する車からの脱出シーンと言う『見せ場』をクリア。その後に潜り込んだ倉庫風のライブハウス? で、突然デビュー曲の『Feelig Good』をフルバージョンで歌い踊るシーンは、古き良きアイドル映画の『荒唐無稽』さをしばし楽しませて戴いた… が、ちょっと待ってくれぃ! 何故この『いきなり歌い踊り出す』お約束シーンや追っ手から逃れるオイシイ見せ場が主演の『SPEED』ではなくて『DA PUMP』なんだ? と素朴な疑問にブチ当たってしまった。
 超多忙スケジュールを縫っての撮影なのだろうとか、危険なシーンは避けたいのかと憶測するものの、折角の初主演作品である。何も主役を殺す事はないだろう! 往年の『若大将シリーズ』や山口百恵近藤真彦ら諸先輩たちによる『アイドル映画』でいいじゃないか!? ステージ並に飛んだり跳ねたり走り回る4人の女の娘の『愛と友情の冒険物語』で元気な姿を見せて戴きたかったと、『DA BUMP』を見ながら至極残念な気持ちに陥ってしまった。
 ともあれ、『女優で頑張りたい』と言う上原さんには、その美しいお顔を生かして是非ホラーもののヒロインでご活躍願いたいし、連ドラ『L×I×V×E』(TBS系)では益々『味な存在感』を見せつけてくれた新垣さんには、ドラマ界に風穴を開けまくって戴いてこのデビュー作での『扱いの酷さ』を語りぐさにして戴きたいものである。
 因みに、特別出演の椎名“私は最低な人間です”桔平氏はラスト前にほんの一瞬お顔を見せるだけなので、キッペーファンの皆様、過剰な期待は禁物ですぞ。


 と、残念な感想ばかりが残るものの『解散宣言』がなければ20分で断念したまま続きを観る事はなかっただろうし、『解散後は何も考えていない…』と島袋さんが発言すればこそ『CGやAIがもったいない』と思う訳だな… と、旬な気持ちで『アンドロメディア』を無事最後まで観させて戴いた次第である。
 さて『氷の世界』第1話を見逃した皆様、脚本家の野沢尚氏曰く『第1話の冒頭3分間に重大なメッセージがある』そうですので、是非ともこの秋新装開店の『萬年テレビ亭』『連ドラ定食』バックナンバーで御確認の上、安心して3ヶ月間の犯人探しをとくとお楽しみ下さい。

============<番組データ>============
『アンドロメディア』

放送日:10月11日 TBS ヨル9:00〜10:54 114分・本編93分 制作:TBS・ライジングプロダクション('98年・110分)
制作協力:トイズ・ファクトリー
原作:渡辺浩弐(幻冬舎文庫)
脚本:キサラギクリオ
CG:曽利文彦・小畑正好
監督:三池崇史
出演:島袋寛子・今井絵理子・上原多香子・新垣仁絵・原田健二・竹中直人・田口トモロヲ・唐渡亮・辺土名一茶・宮良忍・玉城幸也・奥本健・椎名桔平(特別出演)・渡瀬恒彦 ほか

構成・文/阪本 悠



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