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| 第9食 ●漢字なれど英語なお店『少年隊夢』● |
それは10月のある日だった。いつもの様にテレビ雑誌をパラパラしつつ、そろそろ『テレ丼』で深夜番組にも触れてみたいと思い『番組表の下の方』に目をやっていると、『少年隊夢』なる文字が飛び込んで来た。 『少年隊』に『夢』と書いて『しょうねんたいゆめ』ではなく『しょうねんたいむ』と読む、のだろう事に15秒くらいして気付くと、脳裏にはスナックの『来夢来人』とか『夢蘭』、昼は喫茶、夜はお酒的な『茶居夢』『多居夢』、カラオケパブの『多恋人』等々の看板が次々に浮かんでは消えた。 この手の『漢字なれど英語なお店』は、まだガキだった頃、親戚の叔父さんに連れて行って貰った事があり、『ママもしくはマスターと常連さんとの強い絆』や『オヤジギャグ』が飛び交う空間に、ただただ圧倒されておつまみのスナック菓子をポリポリ喰っていた記憶がある。ガキだからそんな空間が楽しくないのは当たり前なのだが、大人になってからもこの手のお店に足を踏み入れる事なく、気兼ね不要のチェーン店などでお茶を濁してしまう意気地なしの俺は、「テレビならば大丈夫だろう」と早速深夜にチャンネルを合わせる事にした。 初回はホテルのディナーショー宜しく丸テーブルを囲むお客様が熱い視線を送る中、中央に設えた花道に颯爽と現れる少年隊、そしてゲストのTOKIOとキンキキッズ! と、華やかなショーパブのりで番組は始まった。 以下少年隊にまつわるTOKIOとキンキ7人がかりのマル秘エピソード暴露、事務所の『大先輩』近藤真彦氏のVTRによるコメント、ジャニース入りたてからデビュー当時の写真やVTR紹介で番組はサクサクと進行。 ショータイムは少年隊・TOKIO・キンキによる『君だけを』の『豪華コラボレーション』(この番組ではそう呼ぶらしい)。ダンサーとして登場の滝沢秀明!と今井翼! が華を添えるわ、この日を記念して『じゃんけんで決まったリーダー』東山紀之氏と錦織一清氏のダンスは無駄なまでに『キレが良い』わ、植草克秀・城島茂・国分太一氏は揃ってバク転を披露するわ… とファンならずとも『夢の様な』なステージが終了。CMテロップと共に汗も眩しい10人がステージに居並んでのプレス用写真撮影… とゴージャスな30分で、勝手に想像していた『漢字なれど英語なお店』的雰囲気は感じなかった。 「まぁ、こんなモノでしょう」と安心? して、その後『取り敢えず』ビデオ録画した『少年隊夢』を観た時… 思わずテレビの前で正座してしまいました。 第1回はスペシャル構成だったらしく、以降は少年隊がゲストに質問する『トーク』とゲストの想い出の曲紹介、検証VTR構成の『タイムトリップソング』、そしてゲストと少年隊による『コラボレーション』の3部構成に変わっていたのだが、番組中終始まく無しに発せられる、御歳34歳の錦織一清氏のオヤジギャグ連発には、久々にテレビを観ていて「凄まじい…」と独り言を呟いてしまったのだ! 『嵐』のメンバーに「慶応ボーイが居る」と言えば「京王線に住んでるんだな、きっと」、血液型の話題では、ふたりともB型のキンキキッズが「僕たちB&Bなんです」と言えば「バイクは中型なんです」、TOKIOが「ドラマ班・バラエティ班」の話題に触れると「薩摩藩、なんてな」等々… 全てを御紹介したいのは山々なれど、涙を呑んでここは抜粋の形を取らせて戴いたが、堰を切った様にオヤジギャグを発する錦織氏に必死のリアクションを返すのは御歳33歳の植草氏。ゲストが一様に、 「大先輩だけにどう返したら良いものか?」と目を泳がせているのも気の毒だが、御歳33歳のリーダー東山紀之氏は全くの無視! を決め込んでおられる事にも驚いてしまう。 この『身を乗り出してのオーバーアクション付き』オヤジギャグが『演出』なのか『地』なのかは、今まで少年隊の芸風やキャラクターに心を砕いて来た訳ではない身としては判断つきかねる。だが、仕事仲間のこのオヤジギャグ攻撃を無視し続ける東山氏のお姿を観ていると、深田恭子嬢との熱愛発覚で、 『自分とは年がかなり離れている為、同じ唄や映画等を違った世代の目線・角度で捉える部分で新しい発見ができ、新鮮でした』とのFAXに嘘はないと確信した次第である。 初回では気にならなかったが、椅子がやけに華奢な1本足でえらく不安定そうな事、何故か襟等に挟むクリップマイクではなく、手持ちマイクである事もやけに『居心地の悪い落ち着きのなさ』を醸し出しているが、圧巻はスタッフロールが出終わったあとに始まる『オ・シ・エ・テ・少年隊』のコーナーである! 声優・川浪葉子様が『天の声』として、 『このくらいの時間になると、言えちゃったりするよのね。明るいうちには言えない様なホ・ン・ネが』と甘〜〜く囁いて、「女性と別れる時のあなたの名台詞、オシエテ欲しいのぉ〜」などと大した事のない『本日のお題』に、少年隊の3人がテレたりボケたりしながらお答えすると、 『バカバカバカバカバカ〜ッ! あなたたちそうやっていっつも女を煙に巻いて来た訳ぇ? いつか天罰下るわよぉ!!』と叱られる… と言う脱力感のみが残るコーナーを持って、番組は終了。そしてテレビの前には、 「なんだったのだろう… 今のは?」と真っ白な灰になった気分の自分が居る… の図である。 第2回のみはビデオを取り損ねてしまったが、第4回で『嵐』が出演した以外は、TOKIOとキンキがゲストの『常連』である事、暴力的とも思える『オヤジギャグ』、そして『タイムトリップコーナー』で紹介される懐かしのディスコサウンド等々の『ウンチク』… これは幼い記憶の『漢字なれど英語なお店』的雰囲気そのものなのかも知れない。 年の瀬は何かと忙しい。泣いても笑ってもあと僅かで2000年代を迎える訳だが、ここはひとつ『じたばたするなよ、世紀末が来るぜ!』と鼻歌を歌いながら、コンビニで『品川巻き』や『サキイカ』、『キスチョコ』等々を調達、ペーパーナプキンを敷いたお皿に綺麗に並べて『缶入り水割り』や『瓶入りカクテル』などを舐めながら『少年隊夢』で去り行く90年代を『まったりと』惜しんでみる事をお勧めしたい。 |
| ============<番組データ>============ 『少年隊夢』:毎週火曜 深夜0:55(変動あり)〜 30分 構成:玉井貴代志/ナレーション:川浪葉子・アラン・J/演出:日髭山本晋二/ディレクター:小仲正重/プロデューサー:大前一彦・高崎邦雄/協力:ジャニーズ事務所/製作著作:フジテレビ 出演:少年隊(東山紀之・錦織一清・植草克秀) ゲスト:TOKIO・kinki-kids・嵐 他? |
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構成・文/阪本 悠 |
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