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14型タイタニックのイメージ画像


第10食 ●14型タイタニック●


 遅らばせながら『タイタニック』を観たぞ! と冒頭から自慢げに言う事はないだろう。だが、あれだけの大ヒット映画を観ていなかった事に少々後ろめたい気持ちがあった訳で、公開当時には「一緒に観に行こう〜」と『観賞後のお楽しみ』を臭わせてくれるオネエサンが居なかったし、ビデオ発売時に「一緒に部屋で観ようよ〜」と嬉しい事を言ってくれる婦女子もおらずで現在に至った訳で、今更イイ歳したオッサンがレンタルビデオ店で「『タイタニック』貸して下さい!!」の図は、シャイな性格が災いして想像するだけで赤面ものだ。
 そんなこんなで観る機会をすっかり逃した所に11月21日のWOWOW『祝25歳。レオナルド・ディカプリオ・デー』である。'74年11月11日生まれのディカ様なれど、何故21日に11時間20分ぶっ通し4タイトル一挙放送なのかはWOWOW様のみぞ知るところで、ここでの言及は避けよう。兎に角これで堂々と『タイタニック』が観られる! とビデオをセットしたのは良いが、敵は3時間16分の超長尺作品であり、我が家のテレビは3対4比例14型テレビで上下に黒いマスクが現れると言う年代モノでもある。 さあ、3時間とチョットに耐えられるだろうか!? と己に問い掛けながら緊張した面もちで小さなテレビの前に座った次第である。


 物語は、言わずと知れた豪華客船タイタニック号が、処女航海で氷山にぶつかって1500人以上の乗客と共に北大西洋の冷たい海の底へ沈没しました、である。
 そこに絡むドラマは、大金持ちとの政略結婚間近の上流階級なれど没落寸前家庭のお嬢・ローズ・デウィット・ブカター17歳(ケイト・ウィンスレット)と三等船客の貧乏画家ジャック・ドーソン(レオナルド・ディカプリオ)との階級を越えた恋を、婚約者の大富豪キャル・ホッカリー(ビリー・ゼーン)や見栄っ張りな母親ルース・デウィット・ブカター(フランシス・フィッシャー)が断固阻止!! だが、実在の乗客としてとりわけ有名らしいモリー・ブラウン(キャシー・ベイツ)だけは暖かく見守るものの、タイタニックの沈没と共にふたりの恋の行方や如何に…。
 それだけで3時間16分であるが、画面はナイトシーンが多い割に、豪華客船との設定上照明がしっかりキープされていて大変に見易いし、ラブストーリーが至極シンプルな為に、少々字幕から目を逸らしても話しについて行ける。話が主人公ふたりに集約されているので役者の顔を覚える数が少なくて「この人誰だっけ?」と悩まなくて済むのは何とも嬉しい限りだぞ!

 兎にも角にも、良い奴は良いい奴の侭、悪人が改心する事も無くラブストーリーはサクサクと進み、丁度折り返し地点の1時間35分あたりでふたりが結ばれると同時に氷山登場!! 沈没のパニックシーンに向かって、ディカ様も婚約者の罠に嵌る! どうするどうなると後半戦に一気に突入する構成・編集は流石ハリウッド映画、お見事としか言い様がない。
 人物描写が定番中の定番だけに、嫌味な婚約者は別所“ハムの人”哲也氏で、見栄っ張りで娘に冷酷に当たる母親は加藤治子様。婚約者の召使いで“小学生の様な手で、主人公に窃盗の濡れ衣を着せる実行犯役”は、『踊る大捜査線』でブレイク? 前の北村総一郎さんか? などと主要キャストを、お馴染みの日本人俳優に置き換えが効くのも御愛敬で、連ドラマのダイジェスト版か、たまにお目にかかる3時間スペシャルドラマの超豪華版感覚で、我が家の小さなテレビでもすんなり最後まで観られた次第である。
 と褒めてばかりかと言うと、流石にいい歳したオッサンとしては、やはり人間ドラマに絶対的な物足りなさは感じる訳で、後半のパニックシーンを映画館の大スクリーンで体感すれば人間ドラマの薄さも気にならないのかも知れないが、アカデミー賞11部門受賞中、脚本賞と俳優賞部門全般を逃している事には大いに頷けた。


 しめしめ、これでまだまだ我が家の『小テレビ』でも充分いけるぞぃとほくそ笑むものの、世間では2000年末にはBSデジタル放送開始が予定され、NHK、WOWOWの他に在京地上波キー局のすべてが参画を予定しているとかで、テレビ売場のそこここではD1端子やらD3端子の標準装備されたワイドサイズのテレビが結構品薄だそうな。
 BSはいいとしても『在京地上波』には無関心ではいられない訳で、思い立ったが吉日とばかりに『電気製品と言えばココだ!』と秋葉原に様子を見に行ってみた。だがデジタル放送自体がまだ始まっていないので、売場の皆さんも突っ込んだ質問には答えられる筈も無く、実際観た物の素晴らしさや面白さを伝えるのも大変な事と日々身につまされる俺としては、観た事もない『デジタル放送』について説明しなければならない御苦労は想像に難くない。
「2010年までには地上波も『全て』デジタル放送に切り替わる」との『メーカー側の殺し文句』にグラッともきた。いや待て、敵もボーナスを見込んでの年末商戦に向けて必死なんだぞ! とその場で買う気になった訳でもないが、ここは己の頭を冷静に切り替えなくてはならない時だ。
 確かに映画鑑賞には、より大型の横長画面で高画質が望ましいのだろうが、ソフトによってはまだまだ箱形14型でも楽しめる事がジェームス・キャメロン監督のお陰で体感出来た事でもあるし、来年以降も続くであろう『萬年テレビ亭』の板前としては、日々の連ドラやバラエティ番組の探訪に追われて、映画ソフトにまではなかなか手が回らないのが現状だ。今後BSデジタルチューナー内蔵型テレビが登場するのは目に見える訳でもあり、金が有り余っていない限り「今が買いって事」ではなさそうだとの結論に達して、売場を後にした。
 テレビ番組もソフトが充実しない事には元も子もない。  綺麗な兄ちゃん姉ちゃんは観ているだけで楽しい事も確かだが、俳優さんやタレントさんがもっともっと『良く見える』のはドラマの内容次第だと信じて止まない板前・阪本は、ハードの進化を見越しての更なるソフトの充実を切に願いながら、
「有り難う『タイタニック』、来年もよろしくな」と呟きつつ我が家の箱形テレビの埃を払った次第である。
 因みに『タイタニック』はWOWOWにて12月30日(木)ヨル10時からもオンエアがあるので、『まだ観ていない』方は1900年代最後のチャンスですぞ!!


============<作品データ>============

『タイタニック』('97/20世紀フォックスandパラマウント映画提供、ライトストーム・エンターテインメントプロダクション、ジェームズ・キャメロンフィルム)
脚本:監督ジェームズ・キャメロン 音楽 ジェームス・ホーナー
製作:ジェームズ・キャメロンandジョン・ランドー
製作総指揮:レイ・サンチーニ
出演:レオナルド・ディカプリオ/ケイト・ウィンスレット/ビリー・ゼーン/キャシー・ベイツ/フランシス・フィッシャー/バーナード・ヒル/ジョナサン・ハイド/ダニー・ヌッチ/デビッド・ワーナーandビル・パクストン
1997年度第70回アカデミー賞
作品賞/監督賞/技術賞/音楽賞(ドラマ部門)/編集賞/撮影賞/美術賞/オリジナル歌曲賞/音響賞/視覚効果賞/衣装デザイン賞 受賞
1997年度第55回ゴールデン・グローブ賞
作品賞(ドラマ部門)/監督賞/作曲賞/主題歌賞("My Heart Will Go On") 受賞

構成・文/阪本 悠



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