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番組の提供は「シオノギ」ですが、折り目正しい「サトウ」のサトちゃんをご覧下さい。


第17食 ●週の初めは『ミュージックフェア』で背筋を伸ばせ!●


 日曜の夜といえば、皆様はどんなテレビライフでお過ごしの事だろうか? 俺はと言えば現在オンエア中の『ビューティフルライフ』の放送後にせっせと原稿を書いて翌朝の更新に備える訳だが、先日何気なくつけていたテレビで『ミュージックフェア』の1800回記念番組に思わず目を留めてしまった。
 ひとことに1800回と言うが易しだが、37年の間延べにして900時間放送され続けて来た事になる訳だ。一日8時間と決めて今までの放送を全部観るぞ! と息巻いても112日半かかってしまう!! と到底出来そうにもない事に驚くのはこれくらいにするが、確かに物心ついた頃から『シオノギ製薬提供』の『ミュージックフェア』は日曜夜の定番だった。

 番組は、記念企画として行われた東京厚生年金会館での公開収録を3週に渡って放送しているのだが、司会の鈴木杏樹さんはいつもと変わらぬおっとりした様子で、番組に縁が深いと言うゲストの森山良子女史、南こうせつ氏、谷村新司氏、郷ひろみ氏、THE ALFEE鈴木雅之氏、石井竜也氏、MAXSomething ELseSILVA嬢を紹介している。森山良子女史は最多出演の85回、谷村新司氏は自ら「800回くらいですか?」とボケるが、次点の58回との事。翌週にはMAXSILVA嬢は今回が二度目の御出演と判明するが、
「縁が深いんじゃなかったのか!」と突っ込む気も起きない程、和やかに番組が進行して行くのが『ミュージックフェア』と言う番組たらしめるところだろう。
 出演者の御指摘の通り、番組名物でもあるファンタジックで上品なセットと美しい照明に彩られたステージで、次々としっとりとした歌声が披露される訳だが、俺にとっての『ミュージックフェア』と言えば、何と言っても司会者と出演者の礼儀正しい質疑応答に尽きるのだ。
 勿論歌の方は、ベテランも新人も当たり前の事ながら何の問題も無く楽しむ事が出来るだけに、トークやインタビューではなく『質疑応答』と言うのが最も相応しいこの礼儀正しさを観る度に、子供の頃からいい年をかっくらった現在に至っても、
「明日から一週間、節をわきまえて生活しよう!」と背筋が伸びる思いだ。
 それはひとえに一貫した番組の姿勢であり、歴代の司会者の皆様の行き届いた所作に… と思った所で、歳はとりたくないものだ。37年間、あまりにも当たり前にオンエアされ続けていた『ミュージックフェア』の歴代司会者が古手川裕子女史を覗いては、全く思い出せないではないか!!
 気になりだしたら止まらない性格故、早速1800回記念第2夜終了後にフジテレビ番組担当者様にお伺いをたててみる事に。さて、皆様は何人覚えておられるでしょうか? 


 初代は1964年8月31日の初回から5ヶ月間、故・越路吹雪さん。二代目は女優で今は『怪傑熟女! 心配ご無用』で熱弁を振るっておられる左幸子さんが同じく5ヶ月間務めておられるとの事。これは流石に知りませんデシタ…と恐縮するものの、三代目をお聞きして胸のつかえが取れました! 長門宏之南田洋子夫妻が16年間務められておられました。そして四代目の星野智子さんが6年間、五代目・古手川裕子さんが5年間で、1995年からの鈴木杏樹さんがそろそろ5年目に突入なさるとのご返答を戴いた。
 こうして見ると、初代の越路吹雪さんと実は英国で歌手デビューしている鈴木杏樹さん以外、音楽畑の方がおられない事に気付く訳だが、
「バラエティ色がなく、こう言っては何ですが、『上品で綺麗なセットと素敵な照明で素敵な音楽をお届けする』と言う番組コンセプトに従って、番組の節目節目でスポンサーと制作サイドが適任と思われる方をセレクトさせて戴いております」とのお答えに、ますます背筋が伸びてしまった。
 番組で谷村新司氏も仰っていた通り、
「照明やセットが凄いので、歌うのに気合いが入る」事も勿論だが、この倫とした司会者との『質疑応答』も、出演者の歌いに対する気合いに一役買っていると俺は確信した次第である。
 ガキの頃は田舎住まい故に、来日した外国アーティストが観られる事も『ミュージックフェア』の大きな楽しみだった事も想い出してしまったが、その昔、朝のワイドショーが全盛期に『歌のコーナー』が設けられていた時期があった。来日した外国バンドがスモークを焚きまくりで、当時で言う所のワルノリ状態! セットも壊さん勢いでコーナーが滅茶苦茶になったと言う貴重な一瞬を目撃した記憶がある俺は、子供心に「ノリノリな外人バンドは怖い」と思ったものだが、『ミュージックフェア』に出演する海外アーティストはノリノリでも皆さんお行儀が良かったのも、ひとえに『上品』をモットーとする番組コンセプトと、司会者の真摯な『質疑応答』あっての事だろう。
 海外アーティストと言えば、番組に出演した約400組の中から、69曲を厳選した4枚組みCDが昨年発売された事も記憶に新しい。
 こちらはオリジナル音源で、番組バージョンではない事が惜しまれるが、4枚組オムニバスで5万枚台の好セールとの事。番組HPで紹介されているアーティストの顔ぶれを観るだけでも、その時代に自分がどのくらいテレビや音楽から遠ざかっていたのか確認する事が出来て感慨深いものがあった。
 そんな訳で、『ミュージックフェア』は100回ごとに東京・大阪と交替で記念公開番組を企画しておられるとの事なので、2年後の1900回、4年後の2000回記念を楽しみにしつつ、HPの『キリバン踏み』宜しく、一体自分は何回記念番組を観たのかと思い起こしてみるのも長寿番組の醍醐味と言えるだろう。


 因みに昔は日曜と言えば『週に一度の休みの日』。『サザエさん』『ミュージックフェア』を観て「あぁ、明日から学校かよ〜」とうら淋しい気になったものだが、今や一部職種を除いて週休2日はほぼ当たり前。今年からは『ハッピーマンデー』なる移動祝日も設けられて、俺の中では日曜日が『週の終わりで週の初め』と言う曖昧な位置から『週初めの前日』なる更に曖昧とも取れる位置に変わって来たが、パソコンのカレンダーソフトや手帳は月曜始まりのままだ。


============<番組データ>============
『ミュージックフェア』

放送日:毎週日曜日ヨル11:00〜11:30(フジテレビ系)

司会:鈴木杏樹
出演:森山良子/南こうせつ/谷村新司/郷ひろみ/THE ALFEE/鈴木雅之/石井竜也/MAX/Something ELse/SILVA

ゼネラルプロデューサー:石田弘
音楽監修・指揮編曲:服部克久/前田憲男
編曲:荒木陽太郎
構成:玉井貴代志
演奏:ポップスヴィル・ミュージック
コーラス:東京混声合唱団
デザイン:越野幸栄
照明:谷川富也
プロデューサー:石井正幸/深瀬雄介
演出:深瀬雄介


構成・文/阪本 悠



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