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友達になりたいと我が子は言っております。(W・M談)
左より:ウンチ、宇宙人♪A(通称まゆげ)、♪B、♪C(姫)


第23食 ●さらばアジャ星人 『SPACE ANGEL』は永遠に●


『テレビ丼』始まって以来、恐らくここ『萬年テレビ亭』にお運びの皆さんは誰も観ていなかったのでは? と想像する番組を取り上げる事になってしまい包丁人・阪本はドキドキものだが、『SPACE ANGEL ― 2001宇宙の旅 ―』が昨日25日の放送をもって、無事終了した。
 毎週日曜日のお昼前、11時40分から正午までの日テレジャニーズJrによる20分のバラエティ? 枠で、過去には怪奇ものドラマ『怖い日曜日』やラブコメディ『イケイケイケメン!』『熱血恋愛道』を放送していたのだが、今回は正統派の少年少女SFもの… と言うか着ぐるみ異星人が登場しての実写ドラマ。
 これが何ともトホホなチープッぷり炸裂で、宇宙船のセットも白一色で飾り付けらしきものも見あたらず、他は野外ロケと僅かなロケセット。テーマ曲は『平成夫婦茶碗 ドケチの花道』と同じ『シークレットエンジェルマン』。ジャニーズJrの面々が台詞を噛もうが棒読みだろうがお構いなしでサクサク進むこのドラマ、日テレのホームページにも公式サイトはナシ。ざっくり検索をかけても個人応援サイトは見つからず、電話で問い合わせた日テレの代表電話オペレーターのお姉さんや、視聴者問い合わせ係りの叔母様に番組名を告げても『?』… とチープな状況だったが、途中から観始めた俺は良い具合に楽しませて貰った。

 そもそも日曜朝の『着ぐるみ』特撮モノとしては、東映テレビ部制作で古くはフジテレビ系の『不思議少女シリーズ』、テレ朝系『カブタック』『ロボコン』などは、大人狙いのシュールなギャグと完成された世界観が秀逸で、子供がいない俺でも習慣として結構視聴しているのだが、今年はシリアス路線な『仮面ライダークウガ』の登場で少々淋しい思いをしていた訳だ。そこで『SPACE ANGEL』と出くわしてしまい、最初はあまりのチープッぷりに脱力感が襲って来たが、次第に東映モノに替わる日曜日のお楽しみになってしまったのだ。
 さて物語は、毎回冒頭に挿入される森岡周一郎氏のナレーション通り、“数百光年彼方の時空を越えて、ヘリュウムを求めてやって来たアジャ星人。その宇宙船に誤って乗り込んでしまった、ヒロシ(長谷川純)、ケンジ(東新良和)、マサル(加藤成亮)、ミカ(北浦実千枝)の4人。果たしてアジャ星人たちの運命は? そして少年たちは無事、地球に戻る事が出来るのか? これは大宇宙を舞台に、地球の愛と存亡を賭けて戦った、少年たちの物語である”といったもの。
 俺は後半6話分しか観ていないので、前半に少年たちが『大宇宙を舞台に、地球の愛と存亡を賭けて戦った』のかどうかは不明だが、要は病を煩うアジャ星人の姫『宇宙人♪C』とその彼氏『宇宙人♪B』の身分を越えた禁断の恋と、ミカを巡るヒロシたちの恋の鞘当てが絡むというパターンだ。
 一足先にアジャ星人のエネルギー源であるヘリウムガスを求めて地球にやって来た『宇宙人♪A』と『宇宙人♪B』が偶然出会う高倉(平賀雅臣)と、離婚した妻が引き取った年頃の娘・ヒバリ(清水千賀)の確執や、『姫』を連れ戻すべく父親で『猿の惑星』チックなゲッチュ国王や魚人チックな参謀たちが宇宙船に乗り込んで来て… と実にありがちで解り易い構図なのだが、少年少女のお芝居は意識的に素人臭さを強調している分だけ、『宇宙人♪』を演じるスーツアクターや声優さんたちの好演に目を引かれてしまう… と言う摩訶不思議な状況に俺は結構惹きつけられたのかも知れない。
 特にまん丸頭に動かない目で『アジャ、アジャジャ…』を繰り返すアジャ星人♪A〜Cは、最初は脱力感の源でありながら次第に不思議な愛着が沸いて来て、かぶりモノの中でも彼ら観たさに毎週ビデオをセットするようになった次第だが、子供番組の異星人モノは良いトシした大人にとってはおしなべて違和感を感じるもの。ワンクール過ぎたあたりが愛着を感じて観続けるか、やはり脱力感が抜けないままリタイアしてしまうかの分かれ道であり、その意味では『SPACE ANGEL』もせめて2クールは頑張って戴きたかった。

 さてさてこんな愛しいアジャ星人を産み出して下さった素晴らしいスタッフは、タイトルバックにド〜ンと“ROBOT Production”とテロップされる制作会社『ROBOT』。如何なる会社か? と御説明させて戴くと、かつてフジテレビのドラマ『ifもしも』の一編、『打ち上げ花火横から見るか下から見るか』で93年にドラマ界から初の日本映画監督協会新人賞受賞を果たした岩井俊二氏とコンビを組んだプロデューサー・原田泉氏でお馴染みの制作会社だ。
 原田氏は今回、プロデューサー、脚本、監督もこなしており、フジテレビの深夜ドラマ『美少女H』の演出や人気アニメ『ストレイシープ』のプロデュースも手掛けており、最近では『踊る大捜査線』のヒットで一躍若手人気監督の座に躍り出た本広克広監督も籍を置く業界注目株の制作会社だ。
 そのセンスの良さ故か、愛苦しい? アジャ星人たちは実はかぶりモノで、『姫』は父と同じ『猿の惑星』系、地球で交通事故に遭った『宇宙人♪B』の首がコロコロと転がると、実は魚人系だった… との展開には恥ずかしながら度肝を抜かれると同時に、不気味な国王軍団の登場はこの付箋だったのか… と目からウロコもの。メキメキと日本語が上達する『姫』がケンジの滑舌の悪さを指摘して特訓するギャグや、便宜上日本語に翻訳されているゲッチュ国王たちの会話にマンガ宜しく色とりどりの吹き出しを使う等々のセンスにも思わずニヤリとしてしまった。
 脱力系の少年少女パートも、悪い宇宙人『ウンチ』にかどわかされたケンジが命を落とすシーンは、『美少女H』を彷彿される青臭くもほろ苦い青春ドラマ色が強調されてなかなか見応えがあった。
 自分と母親を捨てた父に戻って来るように訴えて、思わず頬を張るヒバリを、
「やめれば? ぶったらブタに良く似てる」とたしなめる『宇宙人♪A』が、
「パパの気持ち、ヒバリの気持ち、同じ。良く聞け? ヒバリ、パパ血ぃ繋がり。ヒバリ、ママ血ぃ繋がり。愛一緒。ママ、パパ血ぃ繋がりない。愛なくなる時ある。男、仕事する。男、仕事好き。高倉、高い、プライド。親なくて子育つ事ある。高倉、仕事沢山する。自信つく。家帰る。待て、高倉とママの間、ヒバリ居る。大丈夫… お前早く歳取れ。もっと深いもの良く解る。それ大人…」と父の気持ちを代弁するシーンは、見た目と言葉のコミカルさを借りて、不器用な地球男? の本音を言い当てたシュールさも、なかなかどうして味わい深かった。
 そんな脱力感と笑いと涙に彩られた『SPACE ANGEL ― 2001宇宙の旅 ―』も最終回は、事故で瀕死状態の♪Bの命を地球に無事戻った少年たちの愛のパワーと、追って来たゲッチュ国王の超能力で救って一件落着。姫は少年たちに「あなたたちはスペースエンジェルよ」と感謝の意を述べて宇宙に帰って行き、ふたりは結婚。子供も出来ましたとさ… と、昨日のオンエアをもって終了。日テレさんに問い合わせた結果、ビデオ化の予定もないとの事で、前半がどんな展開だったか解らないままの俺を残して、アジャ星人たちは去って行ったのだ。サヨナラアジャ星人。また会える事は、たぶんないだろう…。

 と、何故俺がオンエアが終わってビデオ化の予定もなく、公式ホームページすらない番組についてこんなに語るのか? 以前にも触れたが世の婦女子は我々の想像を遙かに超える程ジャニーズ系がお好き“らしく”、俺の知り合いには『ド』が付くアングラ芝居やプログレッシヴな音楽フリークでありながらもジャニーズコンサートに足繁く通う女性が多々おられる。しかもコアなお方の目は青田買い的にどんどんジュニアに向いている“らしい”。
 あなたをオヤジ呼ばわりして最近口もきいてくれないお年頃の娘さんや部下や同僚、仕事先のあのヒトやあの娘も例外とは言えない“かも知れない”ので、さりげなく『アジャ』と呟いて、敵が反応すればしめたモノ。
「アジャ星人って可愛いんだって?」とか「隠れた傑作らしいね」とでも言えば親子のコミニュケーションが復活するやも知れず、『ROBOT』のウンチクでも垂れれば、あなたの職場での株も上昇するかも知れない。
 そして敵がビデオ録画していれば勝ったも同然だ。ビデオ化の予定がない作品だけに、間違ってもダビングなどという危険な法律違反をお願いしてはいけません。ソノ気があるなら一緒に観るしかないでしょう! 全部観せられるのはしんどいので、『ケンジの死』からリクエストすれば、3本×20分=60分でカタが付くし、「アジャ星人は可愛い奴らなんだ」と思い込んで観れば脱力感も軽減されるだろうから、あとはヤル気次第。健闘を祈る!!

============<作品データ>============

『SPACE ANGEL ― 2001宇宙の旅 ―』

脚本:倉森勝利・原田泉
監督:石毛浩介/猪股隆一/堀部公嗣/原田泉
チーフプロデューサー:佐藤敦
プロデューサー:伊藤響、猪俣隆一、原田泉(ROBOT)
出演:長谷川純、東新良和、加藤成亮、北浦実千枝、平賀雅臣、清水千賀
ナレーター:森岡周一郎
制作協力:ROBOT
制作:日本テレビ


構成・文/阪本 悠



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