萬年テレビ亭
隔週月曜更新
テレビ丼
毎週月曜更新・連ドラ定食
「トリック」 
毎週水曜更新・連ドラ定食
「バスストップ」 「花村大介」
毎週金曜更新・連ドラ定食
「愛をください」 「合い言葉は勇気」



イルカでほのぼのするほど良い人間ではない今日この頃だが、ついついテレビ番組では…。


第26食 ●日本人だったと再確認。『ShimuraS天国』●


 ゴールデンタイムの連ドラを観てから深夜に原稿を書く生活も丸2年を過ぎた訳だが、我が家のパソコンとテレビは、長時間外出以外ほぼ24時間フル活動状態。10年選手の14型テレビは少々発色に疑問が出始るもののまだまだ現役だが、改めて考えると他の電化製品は全て壊れて買い換えている訳だ。テレビって本当に壊れないものよのぉ… と感心するばかりで、「ありがとうテレビ君。これからも宜しく頼むよ」としみじみ感謝しつつ、今日も深夜テレビを横目に『連ドラ定食』執筆に励む阪本だが、4月の番組改変以降のフジテレビ23時以降深夜枠には何となく拒まれている。
 結局『テレビ丼』で取り上げさせて戴いた、『日本のよふけ』で政治や経済の知識を補い、『少年隊夢K』でのベタなオヤジギャグを反面教師にさせて戴くに留まっているのだが、ここ数ヶ月気になっているのが水曜深夜同枠の『ShimuraS天国』(0:55〜1:25 一部新聞・テレビ誌では『志村S天国』と表示)のコントコーナーだ。


“しむらペケ”ではなく“しむらエックス”と読むこの番組、実は4年間も続く長寿番組で、運送店や旅回り一座、現在は二世帯住宅との設定がしっかり決まっているワンシチュエーションコントには、志村けんさん、川上麻衣子さん、山崎邦正氏、村田和美嬢に“あの”優香嬢も御主演。淡々とした日常の出来事を提示して、さあどうしましょう? こうなりましたよ、良かったね…。と、『サザエさん』のコントバージョンと思って戴ければ宜しいのだが、このほのぼのッぷりが何とも深夜番組らしくて思わずキーボードを叩く手が止まってしまうのだ。
 特に終了してしまった運送店バージョンは、運転手の山崎氏や社長令嬢? の和美嬢や事務員の優香嬢はもとより、社長の志村さんまでもが一目置く経理の麻衣子さんが、さりげない『お局』ッぷりを好演していてシリーズ中では一番好きな設定だった。
 決して従業員をいびりまくる訳ではないのだが、社長までもが気を使わざるを得ない麻衣子さんは、社長の娘といえども間違った事だと思えば、「社長、和美ちゃん叱って良いですか?」と有無もいわせず説教をたれる。ホカ弁のおかずが自分だけ違っていれば、志村社長が譲ると言っても、「そういう問題じゃないんです!」と即電話でクレームを入れる。しかもそれだけでは気が済まず直談判に出向いて数時間粘って来る。夫婦喧嘩をして機嫌が悪いとなると、社をあげての鍋&カラオケパーティで機嫌を取る… 等々の『気の使わせッぷり』は、小さな会社勤め経験のある俺としては、「こういう人って確かに居るわなぁ」と頷き過ぎて首が痛くなった程だ。
 女優・川上麻衣子=コメディとの印象がまるでなかっただけに、こんなギャグセンスが! と驚くと同時に俄然ファンになってしまい、『リミット』(日テレ系 月22〜)の第1話にちょっとだけ顔を出されていた時にはマジに正座してしまいマシタ。
 今をときめく優香嬢も、CM以外ではこの番組で初めて観たのだが、大先輩たちの中で照れる事なく実に自然な佇まいに好感が持てたし、『仮面ライダークウガ』(テレ朝系 日8〜)で活躍中の村田和美嬢も以下同文。志村氏は女性の魅力をさりげなく引き出す事に長けておられるのだろう、結局女性出演者の全員のファンになってしまった訳だ。
 その分山崎邦正氏に関しては『運送店』『志村けん乃丞一座』では見せ場が少なかった気がするのだが、現在オンエア中の『志村ファミリー物語』では長女・和美嬢の夫役で、毎週なにがしかの騒動を巻き起こしている。その分奥さん役の麻衣子さんが大人しいのでやや不満が残るが、彼女の事だ。これから何かやらかしてくれるに違いないと踏んで楽しみにしている。

 と、志村コントをべた褒め状態だが、実はワタクシ幼少の頃は『8時だよ 全員集合!』がどうしても好きになれず、結構な悩みのタネだったのだ。
 なんせ同級生や近所の子供と言えば、土曜8時にはテレビの前に『全員集合!』している訳なので、これを観ていない事は人間関係の形成上、大いに支障をきたす訳だ。
 何が苦手だったのだろうか? と大人になって考えてみると、要はオチがないままに「わ〜っ」と番組名物のセットが壊れながら回り舞台が回って… 何事もなかったように歌のコーナーが始まる事が理不尽に感じられて、子供心に納得が行かなかったのだろう。
 今思えば、毎週各地のホールでセット崩しの回り舞台を組んで挑む公開生放送は実に大変な事だと感心するばかり。長寿公開生放送番組としてギネスブックにその名を残しているとも聞くが、頭の悪いガキはコントの中で問題解決してくれなければ安心して笑う事が出来なかったのだろう。その後の跳び箱やマット運動のコーナー、『ちょっとだけよ〜 あんたも好きねぇ』に至っても「何故家が壊れてオシマイなのか?」と思い悩むばかりで素直に楽しむ事が出来なかった… 我ながらトロくてしつこいガキッぷりが情けない限りッす… トホホ。
 そう考えてみると劇的なオチがある訳ではないがセットが壊れる事もなく、深夜なれど『バカ殿様』のように裸のお姉さんは出ない。淡々とした日常を丁重に描きながらクスクス笑わせてくれるし、志村さんはアドリブで共演者を笑かせる事はあっても、御本人は笑わずにキッチリ役に徹しておられる。そんな『志村S天国』のコントコーナーは、10年選手のテレビのような『気がつけば凄く頑張っている』的安心感があり、一週間の丁度真ん中で結構なお楽しみになってしまった訳だ。
 いやいや長生きはするものである。正確には志村けん氏だが、ドリフのコントが正々堂々と『好きだ! 面白いぞ!!』と言えるようになって「俺も日本人なんだな…」と痛感する次第だ。


 そんなほのぼのとしたコントなれど、7月13日の放送分から何のフォローもなく次女役が優香嬢から、同じ事務所の『妹』としてデビューした堀越のり嬢に突然チェンジした事には大爆笑させて戴いた。
 連ドラ初主演で多忙を極めているであろうし、グラビアクーインから売れっ子アイドルに急成長した後もこのコントにずっと出続けていた事の方が驚きであり、その点で彼女とスタッフの姿勢は尊敬に値すると思っている。だが、前期クールのドラマ『伝説の教師』でも、エピソードが終わった生徒たちが平気で登場しなくなったり、戻って来たりに笑かせて戴いたばかりだ。優香嬢も、何事もなかったようにまたヒョッコリと志村家に帰って来るか否か… お楽しみがまたひとつ増えたぞぃ!

============<番組データ>============

『ShimuraS天国』(水曜深夜0:55〜1:25 フジ系)
出演:
【ゲストトーク】志村けん・渡辺徹(舞台で欠席多々アリ)・島崎和歌子
【コント】川上麻衣子・山崎邦正・村田和美・優香・堀越のり
作・構成:朝長浩之・鈴大しげき・中野義博
制作協力:エスカンパニー・エクシーズ・ワールドミュージック
構成:夏野亮
演出:戸上浩・小倉肇(エクシーズ)
プロデューサー:伊澤健
企画制作:イザワオフィス


構成・文/阪本 悠



日本文芸社のトップページへ萬年テレビ亭テレビ丼バックナンバーメールでの質問・お問い合わせ