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すみません、この水ヨーヨーで、マイナス545キロバトルにして下さい。(W・M談)


第28食 ●545キロの怪!? 『爆笑オンエアバトル』●


『ShimuraS』のコントコーナーを取り上げた第26食をアップした週のオンエアで、見事に優香嬢が復活。勿論何事もなかったように前2週にやはり突然出演した堀越のり嬢の座っていた席に座って次女を演じておられた事を、ここに御報告させて戴きます。さすが志村けんさん、やってくれました! と心地よく『やられて』いたら、何と翌週 27日にはまたまた堀越のり嬢が登場!! 今週から志村ファミリーはグァム旅行へ… と海外ロケ編に投入するらしく… いやいや当分この番組からは目が離せませんぞ!
 と御報告しつつ、今回御紹介する『爆笑オンエアバトル』とのタイトルで、またお笑い番組かぁ!? とネタの偏りを指摘されそうだが、いやいやこれがどうして、ただのお笑い番組ではない! 何か度肝を抜かれるような番組ないですかねぇ… とウェブマスター氏(以下W・M氏)に泣きついたところ、「それならばNHKの…」と御紹介戴いた番組なので、大いに期待してビデオをセットさせて戴いた。


 さて、気が付けば『テレビ丼』初登場のNHK番組となる『爆笑オンエアバトル』とは、如何なる番組なのかというと… NHKのスタジオで10組のお笑い芸人さんたちがネタを披露して、会場の審査員による投票でオンエア権を獲得した方々のネタを放送します… とタイトルそのまんまじゃねぇか!! というもの。
『暖かくも厳しく審査する』100名の内訳は、7月29日放送分で10代男性15名、女性15名、20代男性9名、女性35名、30代男性5名、女性23名と微妙に刻まれている。審査基準は『ただ1点。日本全国にこの笑いを届けたいか否か』で、オンエアOKと思えば10色に色分けされたボールを目の前のレールに投入。流しそうめんの要領でバケツに集められたボールの重さで全てが決まるという『もっともシビアなお笑い番組』… との説明が終わって司会の森下和哉アナウンサーが、居並んだ10組が手にしている『封印』シールの貼られたバケツを計量。『キロバトル』なる耳慣れぬ単位については、“キロバトル=番組独自の重さの単位 ★満点=545キロバトル”とテロップがフォロー。「はぁ、そうなんですか…」としか言い様がないが、そんなこんなの計量結果上位5組が『2歩前にどうぞ』と呼ばれてネタのオンエアに至る訳だ。
 とここまでの説明およそ3分半の間、森下アナの口調は日本テレビの『ファイヤー』氏を思わせるハイテンションで「深夜にどうしたものか」とNHKらしくなさを感じる。『流しそうめん』式の大袈裟な採点方法が『紅白歌合戦』を彷彿させて『らしさ』を醸し出していると言える。かと思えば『キロバトル』なる架空の単位がフジテレビ深夜のギャンブルゲーム番組『週刊ブックメーカ』で使用されていた通貨単位『カノッサ』を連想させる訳で、NHKらしいのからしくないのか俺の頭は混乱するばかりだ。

 そんなこんなの解り易い? 前フリが終了していよいよ『日本全国にこの笑いを届けたい』と認められた上位5組のネタが始まる訳だが… 笑いのセンスは人それぞれであり、会場の100人と俺の感性が著しくかけ離れているのだろうか、申し訳ないがアマチュアレベルじゃん! というのが正直な感想。しかもこれ以下が5組ねぇ… とネタ終了の度に脱力感に襲われる次第だ。
 オンエアも上位キロバトル順ではなく、『2歩前にどうぞ』と発表されたエントリー順らしく、軽くプロフィールが紹介されてネタ終了後に獲得キロバトル数が表示される嫌味っぽさを、制作サイドの警告と受け取りたいところよの〜 などと皮肉な事を考えながらサクサクと披露されるネタにはため息が出るばかりだ。
 俺が観た限りでは、同日放送分で唯一500キロバトル越え(505キロバトル獲得!)のドランクドラゴンなる男性二人組のコントはそこそこ笑かせて戴いたが、片方がカツラを被っての女性役だったので恐らく素で見ても気付かないだろうな… と思う間に5組のネタが終わり、『新しい笑いを作るのは情熱を燃やし続ける挑戦者の皆さんと客席の皆さん、そしてテレビの前のあなたたちですぅ!!』と森下アナがカメラを指差してスタジオ部分をまとめると、オンエアに至らなかった5組の残念そうな様子を伝えて番組は終了した。
 さすがW・M氏が『日本のお笑いは大丈夫なんだろうか?』と危機感を覚える旨をコメントした番組だ! と心地よい? 脱力感のみが残った次第だが、このままではイカン! とその前日金曜深夜にオンエアされている『新しい波8』(深夜2:15〜2:45 フジ系)のビデオも観なおしてみた。

 第25食でも少し触れたが、往年のネタ披露番組『冗談画報』の流れをくむこの番組は、お笑い8年周期説を打ち出して新しい笑いの波を作るであろう新人さんのネタ3本を、会場のお客さんや司会の香取慎吾氏と共にじっくり鑑賞するというもの。
 結構当たりが多くて『連ドラ定食・トリック』執筆の手がしばし止まってしまう事から、最近我が家のビデオ収録組に昇格した番組だ。
 7月28日放送分に登場したツインカムのおふたりもバラエティにとんだネタ3本を披露してくれて最近では一番のヒット。ネタ終了後のトークで香取氏も素直に面白い! と感想を漏らしつつ、殆どネタはアドリブとの弁に、どこまで設定しているのか!? と思わず身を乗り出すわ、その後のトークも面白いわと実に期待が持てる新人コンビだ。が、ドランクドラゴンさんも含めて、いつまたどこで彼らのコントが観られるのか? との疑問も同時に沸き上がって来る程に今のテレビ界ではきちんとネタが観られる番組は少ないのではないか?
 ブームが去ったと言えばそれまで。コンビやグループも実力を認められて仕事が増えて来るのは喜ばしい限りだが、イベント会場のレポーターやらラーメンやカレーを喰いに行かされたりでは、グループ名は覚えても顔と名前は一致せず、ましてや現在コンビ名を拝した番組を持つ若手グループに至っては、殆どがネタを観た記憶もなく、これからも披露する機会はないのだろう。ならば劇団を離れた俳優と一緒であり、ドリフターズの皆様やコンビを解消した島田紳介氏、ビートたけし氏やその軍団のように個人名で名乗って戴いた方が潔いのではなかろうか? それは兎も角、深夜とはいえ0時20分と比較的浅い時間帯で『新しい笑いを作るのはテレビの前のあなたたちですぅ!!』と声高に叫び、舞台背景の仰々しい電飾や客席の『流しそうめん』セットにも結構金がかかっている『爆笑オンエアバトル』のスタッフ御一同様には、もう少し出場者が披露するネタのレベルアップに務めて戴きたい。
 視聴率至上主義の民放とは異なるスタンスを取っているNHKなのだ。新しいお笑い番組を作るのは、挑戦者でも客席の皆さんでも、ましてテレビの前の我々ではなく、『あなたたちですぅ!!』とテレビに向かって謹んで指を差し返したい。


 因みにわざわざ審査員を100名揃えているのに『★満点=545キロバトル』と中途半端なのは何故なのだろうとの疑問が最後まで残った。この半端な数字がオンエア権を掛けるという番組コンセプトに一層の深みを与えているのか、単に玉の重力調節を怠っただけなのかは知る由もない… が、そんな事はどうでも良いからもっと笑かせてよね!

============<番組データ>============

『爆笑オンエアバトル』(毎週土曜 深夜0:20〜50 NHK)

司会:森下和哉アナウンサー
構成:井上頌一
テーマ音楽:ボブ佐久間
美術:山口高志
制作統括:並木正行
制作・著作:NHK

構成・文/阪本 悠



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