萬年テレビ亭
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いい大人には、徹夜で飲んだ抜け殻状態の脳味噌で見ることをお薦めします。(W・M談)


第30食 ハイテンションが命! 君は『おはスタ』を観たか!?


 四角いテレビを重箱の如く隅をつついてネタにする… という意味では『テレビ重』では? との疑問がない訳でもないが『テレビ丼』もお陰様で第30食を迎えました。これも皆様のおかげですと感謝しつつ、記念すべきキリ番に取り上げる番組は… と今までになく気合いを入れてウィブマスター氏(以下W・M氏)に泣きついて御紹介戴いたのが、テレビ東京の『おはスタ』だ。
 『サタ★スマ』(フジ系 土19:00〜)で香取慎吾氏扮する“慎吾ママ”が連呼する「おっは〜」やCD化された『慎吾ママのおはロック』の元ネタであり、W・M氏家のお子様に大人気の子供向け情報バラエティ番組だとか。そんな旬の番組をチェックしていないとは「萬年テレビ亭包丁人に非ず!」とばかりに、慌てて早朝6時45分にチェックを入れた。


 初見の感想は『俺は子供ではなかった』と当たり前の事を認識させて戴いた訳で、番組全体の異様に高いテンションと、『連ドラ定食』の更新を控えて原稿の山場にさしかかる当方のテンションが全く噛み合わず…。初日はビデオを見返す事すらなかったが、原稿締切は確実にやって来る訳で、別ネタを捜そうと思いつつも8月第一週間分を深夜にまとめて観る事にした。
 とは言えダメもとで45分番組を5本観るのは結構気が重く、ビール片手に斜め観でもするかぁ? と思ったのだが、するとどうでしょう、これが結構面白いじゃありませんか!
 超ミニワンピースでクネクネしながら『…で御座いますぅ』を連発する番組進行役のモッチーさんこと望月由香嬢や『…かなぁあ?』を連呼するKANA嬢が、初見ではどうにもこうにも馴染めなかったが、ビールの空き缶が並ぶにつれ不思議と可愛らしく見えて来る訳で…。飲み屋やキャバクラのお姉ちゃんが必要以上に可愛く見えるのと同じ原理か? と少々情けなく思いつつも、番組の全体構成が見えてきたのでここに御紹介しよう。
 番組全体を『おはスタワー』なるビルに見立てて、モッチーさんは、タワーのエレベーターガールとしてコーナーを紹介して行く訳で、『あそんでみる階』では若手お笑いコンビガレッジセールが消しゴムの紙相撲やら、ジェスチャー等々お金のかからないゲームに興じるという、構成作家のアイディアが問われるコーナー。制作費は極めて低そうだが「やや寒い」とだけ言っておこう。
『階』ではないが、トム・バイヤー氏のサッカーテクニック紹介は子供番組らしさが見て取れるが、キーヤキッスなるお姉さん3人組のカラオケテクニックコーナーは、ただカラオケを歌うのみ。露出度高い着衣や、実に金のかかっていない作りが深夜番組臭をまき散らしているが、『とどろけ! 押覇(おは)道』はk1選手角田信朗【かくだのぶあき】氏による“気合いの入れ方”指南。必ずアバンに挿入される子役の石原巧也君と小田冴斗君と共に幼稚園児に扮しての前フリコントが結構お気に入りで、観ている俺にも気合いが入る。

『おどってみる階』は、番組名物ゾベッカ氏が踊る『象南波羅(ゾナパラ)』なるパラパラのコーナーだぁ! 派手な黒タキシードに忌野清志郎氏チックなメイクのゾベッカ氏は、かつてなぞなぞを出題していた『らしい』のだが、俺が観た2週分ではひたすらVTRでパラパラを踊っていただけ。声優系の声質で力の入った歌唱法の『象南波羅』は、俺の耳には懐かしのアニメソングや特撮シリーズのテーマにしか聞こえないのだが、番組ロケでは巷のお子様たちが無条件に踊っているので立派な和製パラパラ曲なのだろう。ワーナーミュージックジャパンからCDも発売されているぞ! 実は、ひたすら振りを覚えるだけのパラパラは実にお遊戯的なステップだとかねがね思っていたので、お子様たちにはピッタリ。なかなかの着目点だと感心する次第だが、物覚えの早い子供でも複雑な振りを覚えるのは至難の業らしく皆真剣そのもの! パラパラのポイントである『つまらなそうな顔』で踊るお子様は流石に居ないのは、ホッとするやら物足りないやら。
 それらの前半コーナーが終わると8月は夏休み特集らしく、後半は東京サマーランドによゐこや、田中ひかる氏、蒼井俊氏と“おはすたガール”の瀬下可奈嬢、加賀谷紗織嬢が出向いてゲームに興じるのだが、これはまさしく深夜バラエティ番組ノリ!! 水着の若いお姉さんとお笑い芸人さんがワァワァキャ〜の図は仕事を終えてのビールのお供にピッタリですよ、旦那。果たしてこれが子供にとって面白いのか? との疑問も沸き上がってくるのだが、童心に戻るとはこの事だとばかりに御本人たちが楽しそうな様子は充分過ぎる程画面から伝わって来るので問題はないのでしょう。
 そして忘れてはいけない、番組の顔である山ちゃんこと声優の山寺宏一氏は、ドラマ『合い言葉は勇気』の出番が増えてきたせいか、ロケにはあまに参加しておらず状態。第2週のサマーランド・遊園地編でちょこっと登場して物真似クイズを仕切っていたが、田中邦衛氏から始まって牛ガエル、かき氷機までと幅広い芸を披露。やはり初見ではそのテンションの高さに辟易したものの、気が付けばスタジオでのコントもそつなくこなす山ちゃんの結構なファンになってしまったかも知れない…。

 そんなこんなで翌週分もビデオでざっくり観続けた結果、道行く人に『おっは〜』と挨拶はせずとも、チープでスピーディでテンション高い『おはスタ』がソコソコ気に入ってしまった俺は、押覇道で気合いを入れれば『象南波羅』も少しなら踊れる気がしてきたぞ! と調子づくものの、あくまで深夜か徹夜明けのビール片手の視聴が前提。朝から素面で観ると一日の仕事をやりこなす自信に欠けるが、逆に『ポンキッキーズ』(フジ系 土6:30〜)は深夜に観る気は起こらずだなぁ… などと思って異様に早く流れるスタッフロールをスロー再生してみれば、制作協力に『ニューキッズinよしもと』なる表示を発見。吉本興業の新規事業部だと想像するが、そうと知って望月嬢をネット検索すれば、関西で月亭八方氏とその実子氏とのレギュラー番組を持っておられる事が判明。成る程、吉本ブランドのバラエティ番組テイストが漂う訳だわい! と至極納得した次第だ。


 しかしながら7時前に起きてハイテンションな『おはスタ』を観る子供たちは、『象南波羅』をひと踊りでもするのだろう。その後に幼稚園なり学校に行って、塾に習い事にと一日の多忙スケジュールをこなすとは何と頼もしい存在ではないか。そんな子供たちが『キレる』などと極めて自己中心的な考えに走らずに真っ直ぐに育ってくれれば、21世紀を目前にして日本の未来は安泰だ!! と、失言だけが楽しみとなった総理大臣のニュースが最大の関心事である自分に、無理矢理『いいきかせてみる階』な今日この頃で御座いますぅ〜(クネクネ)。

============<番組データ>============

『おはスタ』(テレビ東京 月〜金6:45〜7:30)

出演:望月由香/ガレッジセール
    よゐこ/田中ひかる/蒼井俊/瀬下可奈/加賀谷紗織/山寺宏一 ほか
企画:久保雅一
総合演出:白岩久弥
プランニング:川島浩司
構成:高橋ナツコ/下田健一/MC BOO!!/星知美/渡邊大輔
ナレーション:増岡浩/平野文/緒方文興/生駒治美
企画協力:小学館キャラクター企画室
プロデューサー:中尾哲郎/都築博/三澤大助(テレビ東京)
          中沢利洋/清水良司/武野一起/古賀卓(ワイズビジョン)
制作協力:ワイズビジョン/ニューキッズインよしもと
制作:テレビ東京/小学館プロダクション

構成・文/阪本 悠



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