1.酒宴シーズン到来!2.桝本酒店3.三兵酒店4.献立屋
5.HUB6.バー・パスティス7.MARU8.立ち飲み倶楽部 和や


笑顔で迎えてくれるアットホームな雰囲気が心を癒す!!

「立ち飲み倶楽部 和(かのう)や」
千代田区神田司町2-17-14 03-3296-1988 営業/16時半〜22時

 いよいよ、本日最後の店に向かう途中で雨が降り出した。秋葉原駅で400円のビニール傘を買う。天気予報で傘は必要ないって言ってたのにぃ!
 でも、神田に着いたら雨止んでんでやんの、プンプン! 
 で、ここで前々回、「男の100円ショップ」に登場、人気爆発のカリスマ100円ショッパーにしてモデルのアイリーンと合流。

 実はその前々回で僕はアイリンと表記したが、これは正しくはアイリーンと書くのだそうだ。すいません、間違って。というわけで、「今回はミスを犯したから、モデルはほんのちょっとしかやらないわよ。いいわね。あたしを誰だと思ってるの、アイリーーーーーン様よ!」と怒る怒る、ほんと外人モデルはおっとろしいですね。だから今度はーーーーーと棒引き5つも付けたから許してね。

 などといいいながら、和(かのう)やさん到着。創業が今年3月とまだ新しい店だ。店内もうピカピカで明るい。これなら女性も安心して来れる。また店主もおかみさんもニコニコで迎えてくれる。ブッチョウ面なんか絶対しない。これだ、これですよねえ。ユニークなのはテレビを2台も置いてあること。これは一人でやって来ても、テレビを見ていれば間が持てるだろうという気配り。

 この気配りは当たり、野球中継の時は満員になるそうだ。日本酒は14種類。越乃八豊(480円)、幻の瀧(480円)、沢乃井(350円)などが人気で一番は浦霞(350円)。サワーは各種300円。最近始めた玉露割も人気があるそうだ。肴は250〜350円のものが良く出て、450円のものはめったに出ないそうだ。やはり、立ち飲み屋では「安く」というのが基本なのかもしれない。そうそう、サービスでキャベツが出て来るが(もちろん1個じゃないよ)、それに特製のミソを付けて食すんだけど、これが結構いけます。

 常連のサラリーマン氏は「昔の立ち飲み屋というと、酒屋のそばでなんか常連客ばかりで一見さんは入りにくいが、その点ここは初めてでも一人でも、女性でも大丈夫でしょう」といつも1時間半はいるのだそうだ。疲れないんですか?と聞くと「疲れるからそろそろ帰ろうかなって思うでしょ、それがいいんですよ」。とはいうが客は一人約1200円を使い、30分いる、というのが平均のようである。
 16時〜18時半までは夕暮れサービスで生ビールが280円、サワー各種180円になる。


●「粋な方程式」
宮城産の浦霞に板わさ。滞在時間は野球中継がある時は90分まで。



過密スケジュール制覇の後に立ち飲みの「魅力」を考えてみた。

 というわけで、ほぼ超過密ダイヤをこなした僕ら。さてさて、立ち飲み屋の魅力とは何だろうか?
やっぱり、一番は値段でしょう。今どき、ごく普通の庶民的な居酒屋でも、一人最低でも2000円いるでしょう。それが、立ち飲み屋は500円でビール一杯でもOKだし、つまみを入れても1000円でお釣が来ることもある。これは魅力だ。そして、飲みたいって思ったときにすぐにグイって飲れる。早さも大事。しかも、今の立ち飲み屋ではもう一つ必要不可欠なことがある、「うまい」ことだ。値段がどんなに安かろうがマズイ酒や肴では絶対ダメ。今どきの客はみんな舌が肥えてるから、安いだけでは決して入らない。つまり、いい立ち飲み屋の条件とは「早い、安い、うまい」ということになる。後、それに駅のそばだったら言うことない。

 夜、急に酒が飲みたくなった。友だちは捕まらない。あいにく行きつけの店は休み。じゃ、そこの大型の居酒屋へ。でも、たった一人では入りにくい、入ってもいいけど、周りはみんな学生や若者ばかりでちょっと辛くなっちゃう。それに、何より一人で飲みたい時ってあるものなのだ。誰ともしゃべらす、一人でボーっと考えごとしながら飲みたいこともあるものだ。でも、そう思った時に一見さんでも気軽に入れる店はそうないのだ。
 そんな時のために立ち飲み屋があるのだ。立ち飲み屋なら一人でも入っても全然、おかしくない。それより、大体、立ち飲み屋は一人で入るのが基本なのだから、堂々と入れる。それに、たとえ冷や酒一杯だけでもお店の人に変な顔をされないし、別につまみなんか取らなくなって自由ってのが気が楽でいいじゃないか。店の人も客も互いに干渉しない。ちょっと淋しい気がしないでもないが、マニュアルサービスの大声出しまくり、BGMガンガンかけまくりの無神経な店に一人で入るよりは、一人で安く酒が飲めて考え事ができる立ち飲み屋がお薦めだ。
 また、日本の会社の宴会では座ることが多く、ここでも上下関係がシビアだが、立てば動き回るので上下が交流しやすい。このために欧米ではスタンディングパーティーをするわけだ。だが、まだまだ、立食パーティが苦手な日本人、この方式は不人気というのが現実だ。だが、日本の立ち飲み屋は池袋にあった店のように酒屋が店の片隅で客に酒を飲ませたのがルーツと言われ、この形式は100年前からあったというから相当な歴史があるわけだ。そして、この不況で新しい立ち飲み屋が増えたんだし、また実は歴史があった立ち飲み屋文化なんだから、もっともっと定着したらいいのになと思う。

○その他の情報
立ち食い寿司屋 和田寿司 新橋 03-5401-1770 営業/11時〜14時半 17時〜23時(日祝休み)

立ち飲み屋を特集した「立ち飲み屋」(創森社刊)という本が出版されている。

取材・文/バド石橋
写真/ハヤシヒロシ

記事中の情報全ては取材時に確認したものです。(1999年11月現在)
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