第2回「太皷館」台東区浅草「太鼓」の定義は何だろう?一瞬の安らぎ

一瞬の安らぎ
そうそう、忘れていた。ここ「太皷館」では実際に太皷に触ったり、叩いて鳴らすことができるのである。もちろん、触っちゃいけないものもあるので、触る時は、係りの人に一度、聞いてからがいい。
さて、これは太皷とは違うかもしれないが、レインメーカーという楽器がとても面白いので紹介する。白い棒きれは、とても軽いひょうたんのような木だが、表面はとげで覆われている。このとげを全部抜き、空洞になった棒の中に入れて作ったのがレインメーカーだ。そして、静かに棒を傾けると、中のとげはカラカラと音を立てていく。その音がまるで小雨か川のせせらぎに聞こえるのだ! 日本の柳こうりに大豆を入れて、サラサラ流す、あの手法と一緒。でも、こちらの音は、もっと繊細で、僕には星くずが小川を流れていくように聞こえた。もしかして、僕って詩人?

タンバリンも立派な太鼓なわけで、イタリアのシシリーのタンバリンは皮に描かれた絵が素朴でいい。また、ネイティブ・アメリカンのハンドドラムを「トンタタ、トンタタ、トンタタ」と叩けば、あの「ダンス・ウイズ・ウルブス」の世界にすぐに行けてしまうのだから不思議。僕って、妄想狂?

ユニークなものではちんどん屋の太鼓。戦後すぐのもので、物がなかった時代なので廃材で作られているところが泣かせる。また、東京キューバン・ボーイズっていう日本のラテンバンドを知ってます?今は解散してしまったが、昭和30年代のマンボやラテンブームには一世を風靡したバンド。そのバンドが日本で初めて作らせたコンガが展示してあった。このコンガ、表面の質感がどっかで見たことあるような…なんと、びっくり、桶屋職人が作ったコンガなんだそうだ。 

と、世界中の太皷を駆け足で見て来たが、忘れてはいけない和太鼓だ。当然、ここ「太皷館」には和太皷が充実している。館内正面には楽太皷、右手には獅子太皷、曵太皷、囃子太皷などがずらりと鎮座している。入館して熱心に見入っていたカナダ人男性に太皷を叩かないかと話し掛ける越智さん。すぐに快諾した男性は大きな長銅太皷に挑戦する。途中から越智さんが小太皷でリズムを取り、二人の合奏が始まった。男性は、失敗しちゃ、カナダの名折れとばかりに緊張しまくって叩いていたのが微笑ましかった。

入場者は音楽に興味を持つ人はもちろん、造形的、工芸的なことを研究する人などが訪れるそうだ。
太皷に関する文献や視聴覚資料も閲覧できるので、音楽、民俗学などの研究者などにはうれしい博物館だろう。だが、特に研究者でなくても、浅草に立ち寄った時に、仲見世や浅草寺の後にでも「太皷館」へ足を伸ばしたらどうだろう。一時、都会の喧噪から離れ、静かに太鼓を打ち鳴らしてみよう。太鼓の響きは人間の原初的な風景を思い起こさせ、一瞬の安らぎを与えてくれるかもしれない。

世界の太皷資料館「太皷館」
東京都台東区西浅草2丁目1番1号 西浅草店ビル4F(宮本卯之助商店内)
電話 03-3842-5622
入館料 大人300円・小人150円
開館時間 AM10:00〜PM5:00
休館日 月・火曜日
アクセス 地下鉄銀座線・田原町駅徒歩2分 、都営浅草線・浅草駅徒歩6分、東武線・浅草駅徒歩8分
第2回「太皷館」台東区浅草「太鼓」の定義は何だろう?一瞬の安らぎ
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