1999年11月29日更新

ここんとこ、ちまたで大ブレイクの声優さん。アニメ好きの皆さんにとってはアイドル的存在、そうでない人にとっても、何でこんなに人気バクハツなのか気になるところ。



Volume09/全4週 〜3〜)
人気声優さんの素顔がみえるとウワサになりつつある(!?)コーナー『声優温泉』。第9回は、守備範囲の広〜い&芸歴も長〜いこのお方、冨永みーなさんにインタビュー! エピソードもいろいろありそうで…。

―今の立場は、先輩として、教えてもらったことを後輩にってかんじですよね。

そうなんですよね。それが、むすがしい。私、お節介なんで、口に出して言うので。別に上からっていうのではなくて、初めやる方には思うことを言ったりしてるんで、どちらかというと、うるさいって思ってる人もいるかもしれない。そういうタイミングってむずかしいですよね。どういうふうに言ったらいいのかって。

―それは、普通の生活でもありますよね。

私の場合、子役からだったけど、今の方は、20代、30代で入ってくるので、もう大人じゃないですか。〈前回につづきここで、またしても、謎の声が。「僕が最初見たとき、ランドセル背負ってましたからね。(録音の時は)牛乳箱の上にのって」〉

―見たかったなぁ〜(笑)。

マイクがとどかなかったのっ! 一番低くしてもとどかなかった(笑)。それよりも、今の現場ってみんな若いじゃないですか。『アンパンマン』とか『サザエさん』とか、長寿番組だと、ありがたいことに先輩方と会いますけど、他のアニメの現場だと、とても若いんで、私が一番上ってこともあるんですよ。そういう時にどうしてればいいのか、すごく悩むんですよ。私は一番下になれているので。
―年下体質になってるから(笑)。

そうです。皆さんも、いろんな社会でそういうことあるでしょうけど、一番下は楽ですよ(笑)。怒られても、しょげても、それでも下は楽ですよ(笑)。あの、以前、舞台で、下から二番目ってあったんですよ。これが、また、微妙でねぇ(笑)。一番下なら、皆さんのお茶とか気を配って、とかあるじゃないですか。でも、あたしより、一つ下の子が頑張ってやるじゃないですか。そうしたら、二番目の私はどうしたらいいのかって(笑)。

―結局どうしたんですか?

なるべく、彼女のサポートになるように、彼女が率先してやることを手伝ったり、見て見ぬふりをするって変ですけど、何もしないことも大事だなって。一緒に動いちゃうと彼女も可哀想だったりする事があるじゃないですか。むずかしいですよね。

―それは一般社会でもいえますよね。自分が新入社員だった時より、一人入ってきた時の方がむずかしい。

そうそう。むずかしいですよね。自分の時はこうじゃなかったってね、口出したくなりますよね。それを我慢しなきやならないし。上下関係厳しいってわけじゃないんですけどね。(笑)

―その中でやめようと思ったことってないんですか。20何年もやってらっしゃって…。

何回もあったかな。ちゃんとやめようと思ったのは大学に入った時かな。

―でも、続けてこられたのはどうしてですか。

仕事が続いてた。途切れなかったんですよね。あんまり、長いスパンで物事を考えないんですけど、一つ目の前におかれたものをこれをどうするか、これをどうやろうっていうのを続けてきたんですよ。だから、目の前にあったからって言うのも変なんですけど。

―それでは、立ち止まって声優としてこれからこうしていこうってのはなかった?

ないですね。高校受験の時に半年休んだんですよ。その時に一回と、大学入って、20歳の時かな、その時、ちょこっと考えたことはありますけど。

―ちょこっと考えたときに仕事があったから続けられたってこと?

根本では好きだからでしょうけど、逆にいつでもやめれるって思ってるのかもしれない。やめても、みんなに害はないでしょう。

―害はないでしょうけど…。

やめても、みんなには迷惑はかけないでしょ?

―突然やめなければ。

そう、仁義さえ通せば! だから、やってこれた。

―逆に、やっててよかったっておもうことはありますか。

いつもかな。やってることがまず楽しいし、直接的ではないけど、関わってる仕事って言うのは、誰かがそれを見て、何かを感じている仕事じゃないですか。見えないけど、それを思うと楽しいじゃないですか。自分がやってることを誰かが見てて、ってそういう世界じゃないですか。

―舞台は直接ですよね。

そうですね。舞台は舞台でリアルな反応が喜びになる世界。

―声優だと、手紙で反応を知るんですか?

手紙いただくこともありますけど、反応は確かめるわけではないんですけど、反応は、「…だろう」って思ってる仕事だってことが面白いんじゃないかな。この世界にいれればいいです。声優ってことじゃなくて何かを作っていく、その大きな世界にいるってこと。たとえば文章でもいいんです。誰かが見てるっていうのがいいんです。

―じゃあ絵とかは?

絵はねぇ、描けないんみたいです。

―描けないみたいなんですか?(笑)

「絵心ないね」ってみんなに言われるんです。皆さんに。〈またまた、謎の声が、「地図はうまい」〉 あっそう! 地図描くのうまいです(笑)。旅行行くとき、(飛行機に乗る前に)もう予習してありますから、飛行機の中で白地図描けます。

―白地図をですか!? 描けちゃうんですか?

はい。で、今いるところと次行きたいところの方角が分かるんです。西に行けばいいとか。

―すごい!! 才能ですよ!

“方位磁石ちゃん”って呼ばれてます(笑)。





何かを作っていく、そんな世界にいるという「喜び」と、いつだってやめられる「潔さ」。それがみーなさんの魅力の秘密なんだって気がしました。さて次回はいよいよ冨永みーな編最終話「謎の男、ついに正体を現す!!」。お楽しみに!


冨永みーな●とみなが・みーな

1966年生まれ、広島県出身。
5歳の時映画『鯉のいる村』にて芸能界デビュー。子役として児童劇団で活躍する一方、『大草原の小さな家』キャリー役や、『魔法の妖精ペルシャ』『タッチ』など数々の人気番組で声優として活躍する。現在、アニメでは『サザエさん』カツオ役、『それいけ!アンパンマン』のロールパンナ役、『ビックリマン2000』主役タケル役等、TVナレーションでは『どうぶつ奇想天外』『世界ウルルン滞在記』『開運!なんでも鑑定団』等に出演している。このほか舞台、ラジオ、音楽、司会にものまねと、活動の幅も広い。

『ものまねバトル』2000年1月1日(18:30-22:00)日本テレビ系で放送予定

ファンレターの宛先
〒102-0073 東京都千代田区九段北1-4-5 九段ニューセントラル4F
「冨永みーな」係まで。

取材・文/なかむらめぐみ
撮影/天野憲仁
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