老後資金二千万と言われる時代ですが、年金受給開始はどんどん先延ばし。雇用延長が義務付けられたとはいえ大抵の場合収入は激減。「60歳定年前後」の身の処し方、資産の運用方法は、老後を生きる上で重要な決断となります。会社も役所も何も施してはくれません。自力で道を切り拓くしかないのです。
行政においても雇用保険、健康保険、年金など、手続きすれば利用できた仕組みをみすみす見逃して結果的に損をしてしまうこともよくあります。知っておきさえすれば手に入れられたアナタの大切な資産なのです。
また、定年前後で最大のテーマは「退職金の運用」です。この低金利・インフレ時代に銀行預金として放置しておくのは無策でしかありません。新NISAを始め、不動産運用など、アナタに合った資産運用を考えてみましょう。
老後を安心して生きるための指南書です。




担当者コメント
私(担当編集)自身が、年金や公的保険(健保・雇用・介護)に関して全く無頓着で、給料から天引きされるがままやり過ごしてきておりました。しかし、60歳定年・雇用延長の際には大きな局面を迎えることになります。複雑な制度の仕組みを把握してきっちり理解していないと、余計な税金を納めたり、制度の救済措置を受けられないで事実上損してしまうことになりかねないことを知りました。
これまでは会社の総務にまかせっきりだった手続きを、定年後は自分で対応していかねばなりません。制度や税金、年金の仕組みを知っておくのに早過ぎる、ということはありません。いずれ迎える60歳、65歳の時のために少しでも早くから準備しておくことが、スムーズな老後人生の生き方につながる、と確信しております。
皿海 信之(さらがい のぶゆき)
OAG税理士法人所属、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、宅地建物取引士、日本証券アナリスト協会認定アナリスト。信託銀行の経歴を経たのち、現税理法人にて相続対策・事業継承・不動産活用の実務に数多く従事。
三浦絵美(みうら えみ)
OAG社労士法人所属、社会保険労務士。
著者コメント
大半のサラリーマン諸氏は、厚生年金や健康保険、雇用保険、介護保険などの手続きを会社にまかせっきりで定年まで過ごしてきたのではないでしょうか。しかしこの定年前後には、知っておけば得する制度・手続きの数々があるのです。「65歳までの雇用確保」で、定年延長や再雇用が定着してきましたが、そうではない生き方を選択した人はなおのこと諸手続きを自ら実行していかねばなりません。本書ではそういった「定年前後の得する制度・手続き」を網羅しています。
また、定年前後のもう一つのトピックは「退職金」です。低金利、諸物価高騰の現在、まとまった生涯資金を現預金で放置していては実質上目減りするばかりです。2024年から制度変更が施される新しいNISAを始めとした金融商品への投資や貯蓄型保険、不動産への投資など、時代に即した運用方法を提案しています。読者の皆さんそれぞれの志向に合った資産形成を前向きに検討していくことをお薦めいたします。